• "農林水産商工常任委員長"(/)
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  1. 鳥取県議会 2021-09-01
    令和3年9月定例会(第3号) 本文


    取得元: 鳥取県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-07
    ▼最初の箇所へ        午前10時00分開議 ◯議長(内田博長君)ただいまから本日の会議を開きます。  本日の議事日程は、まず、県政に対する代表質問を行い、次いで、議案第1号及び第3号に対する質疑を行った後、これらの議案を所管常任委員会に付託し、各常任委員長の付託議案に対する審査報告の後、議案の可否を決定いたしたいと思います。  これより、代表質問を行っていただきます。  30番伊藤保議員 ◯30番(伊藤保君)(登壇、拍手)おはようございます。会派民主の伊藤です。  日々、新型コロナウイルス感染症対策に取り組まれている平井知事をはじめ、執行部の皆さん、県内の全ての医療関係者の皆さんに心から感謝を申し上げるとともに、一日でも早く県民の皆さんが安心して生活を送ることができるよう、引き続きの御尽力をお願い申し上げたいと思います。  本日は、会派民主を代表し、県政全般にわたり議論をさせていただきますが、午前と午後の2回に分け、登壇での質問をさせていただきます。  まず、冒頭に、7月7日、8日にかけて、鳥取県も梅雨末期の豪雨に襲われ、一時、線状降水帯がかかり、県内各地に大きな爪跡を残しました。さらに、8月中旬には、西日本を中心に前線が停滞し、全国各地で初めて経験する記録的な豪雨に見舞われ、甚大な被害をもたらしました。被災された皆さんに会派を代表してお見舞いを申し上げますとともに、早期の復旧をお祈り申し上げます。  暗いニュースばかりでなく、さきの東京オリンピックで、県内から7人の選手が出場、また、パラリンピックには安野選手が出場し、それぞれ最後までしっかり頑張っていただきました。中でも、ボクシング女子フェザー級入江聖奈選手が鳥取県出身者で初めて金メダリストに、水泳の武良選手が400メートルメドレーリレーで6位、200メートル平泳ぎで7位入賞、安野選手が車椅子100メートルで5位入賞を果たすなど、県内出身者の活躍で県民の皆さんに大きな元気と子供たちに大きな夢を与えていただきました。本当におめでとうございました。  また、オリンピック並びにパラリンピックの陸上競技が行われた国立競技場のトラック内の芝は、鳥取県産のティフグランドという品種の芝で、特に各決勝競技が行われた夜間は、ライトに映え、本当に鮮やかなグリーンでした。この芝、オリンピックが終わった後、パラリンピックに合わせ、全面張り替えられたということであります。  それでは、県政の課題についてから質問に入ります。  初めに、任期後半に向けての姿勢についてお願いをいたします。  知事をはじめ、私たちに託された今任期も折り返しに入りました。平井知事は、今任期に当たり、安心新時代、しごと新時代、ひと新時代、暮らし新時代、ふるさと新時代と、大きく5つの新時代へのチャレンジを公約として掲げられ、4期目の県政への取組をスタートされたわけであります。ところが、今任期就任1年目から新型コロナウイルス感染症の拡大により、昨年3月13日に成立した新型コロナウイルス対策特別措置法に基づき、4月16日には、これまで経験をしたことのない緊急事態宣言が発せられるなど、まさに今任期前半は未知の新型コロナウイルス感染症対策に追われ、県民の皆さんとの約束である公約の取組が不完全燃焼で、十分に達成できなかったのではないかと思いますが、任期前半の大まかな総括と任期後半に向けての思いを簡潔にお伺いいたします。  次に、新型コロナウイルス感染症対策についてお伺いをいたします。  先ほど申し上げたように、我が県においても新型コロナウイルス感染症が徐々に拡大し、知事自らが本年6月30日に開催された対策本部会議後の記者会見で、第五波に突入したとの認識を示されて以来、デルタ株、変異コロナウイルスの拡大により、7月から8月にかけて、県内でも次々とクラスターが発生しました。県内の陽性者は、7月13日に500人目が確認されてから、僅か26日後の8月8日には1,000人台へと倍増し、昨日には1,633人となっております。改めて、変異コロナウイルスの感染力の強さ、怖さを見せつけられました。既に海外ではワクチンに影響を及ぼすとされている変異したコロナウイルス、ミュー株が報告されているように、コロナウイルスは次々と変異を続け、これからも何度か感染症拡大の波を重ねていくものと想定されます。引き続きウィズコロナの中で経済対策とのバランスも考慮した予防対策が求められていくものと思います。  こうした状況の中で、平井知事としては、地域経済の再生をどう取り組まれていかれるのかお伺いいたします。  県内でのワクチン接種は、8月末現在で2回目の接種を終えられた人は51.36%となり、順調にワクチン接種が進んでいると思います。私たちが改めて考えなくてはならないことは、ワクチン接種を終えても、重症化になりにくいということだけで、引き続きコロナウイルスには感染するということだと思います。  県内でもワクチン接種が順調に進んでいるわけですが、県民の皆さんがある程度安心して生活するためには、県としてどの程度の接種率を目標とされているのか、知事にお伺いいたしたいと思います。  しかし、2回目のワクチン接種を終えた皆さんも、心配されているのはワクチンの有効期限であります。医療関係者を含めて、早期にワクチンを接種した人は、間もなく半年を迎えるようになります。
     3回目のワクチン接種の話も出ているようですが、しっかりワクチンの有効性と今後の対応について県民の皆さんに説明するとともに、将来への不安を解消する必要があると思いますが、知事の所見をお伺いいたします。  全国知事会の会長の就任についてお伺いをいたします。  多くの知事の皆さんに推挙される中で、9月3日、全国知事会の会長に就任されました。全国で一番小さい県の知事が会長に就任されることは、県民にとっても大きな励みになると思います。  これまでの副会長や新型コロナ緊急対策本部本部長代行などの手腕が買われての推挙であると思いますが、全国で一番小さな県の知事が地方と都市の温度差がある各種行政施策の中で、平井知事としては全国知事会をどうまとめられていかれるのかお伺いいたします。  次に、地方分権の推進について質問をいたします。  平成5年6月、衆参両院において、地方分権の推進に関する決議が全会一致で可決され、我が国における地方分権改革の歩みが始まってから既に四半世紀以上が経過をいたしました。地方分権の推進は、今や枕言葉のように、当然の理念として語られておりますが、当時としてみれば、明治以来続いていた中央集権型の行政システムを地方分権型の新しい行政システムに変革しようとする非常に画期的な政治決断であり、平成7年5月の地方分権推進法の成立、そして、地方分権推進委員会の5次にわたる勧告を経て、平成11年7月に地方分権一括法が成立した際には、明治維新、戦後改革に次ぐ、第3の大改革がいよいよ実行段階に入ったと、当時は自治体関係者をはじめ多くの皆さんが大きな期待を寄せられたと思います。  その平成11年7月に、当時の自治省から鳥取県の総務部長に就任された平井知事にとっても、非常に印象深い出来事だったのではないでしょうか。そういう私も、平成11年6月、地方分権一括法が国会で審議されている中、県議会議員として初めて行った一般質問で、地方分権の推進について議論し、課題を上げつつも、これからは自分たちが思い描くまちづくりができると大きな期待を抱き、希望を感じていたことを今でも覚えております。  実際、このときの改革により、機関委任事務制度の廃止や国の関与に関する基本ルールの確立などが実現し、我が国の地方分権改革は大きな進展を遂げました。また、その後のいわゆる第2次地方分権改革以降、これまでに第11次の地方分権一括法が成立し、個々の法令の見直しにより、多くの事務、権限について、規制緩和や権限移譲が行われてきました。地方分権の着実な前進のため、尽力をされてこられた関係者の皆さんに改めて敬意を表したいと思っております。しかしながら、当初思い描き、理想としたような自己決定、自己責任による本来の住民自治にはまだ至っていないのが実情ではないでしょうか。  内閣府の調査によると、地方自治体に計画の策定を義務づける規定は、平成23年の第1次一括法及び第2次一括法の成立等によって、平成22年時点の229から、平成24年には172まで減少したものの、その後は微増傾向が続き、昨年12月時点では202規定まで増加したと言われております。また、一見、地方自治体の裁量に委ねられているように見える計画の作成ができるとされている規定や、努力義務とされている規定の中にも、国の財政支援等の要件とされ、実質的な義務づけとなっているものが187規定あり、こちらも年々増加しているという状況であります。  実際に全国知事会が今年5月にまとめられた実態調査でも、策定に当たって多大な人手や予算を要するなど、支障や課題があるとして自治体から見直しを求める声が上がっております。そのほかにも、通達による国の関与がなくなった代わりに、法令による全国一律の従うべき基準が増え、地域の実情に応じた対応に困難な事例が生じるなど、国と地方は対等という理念とは裏腹に、依然として国が様々な分野で地方の自主性を制限している実態があると言えるのではないでしょうか。  社長だと思っていたら、天の声がいろいろ聞こえてきて、中間管理職になったようだった。これは、昨年の4月、東京都の小池知事が特措法に基づいて休業要請を行おうとした際に語った言葉ですが、国と地方の関係についての本質的な問題は、コロナ禍をめぐる対応についてでも浮き彫りになってきており、私は今改めて地方分権の在り方について問い直すべきときが来ているのではないかと思っております。  平井知事は、これまで地方分権改革有識者会議の議員や全国知事会地方分権推進特別委員会の委員長として、地方分権改革に精力的に取り組んでこられましたが、これまでの地方分権改革の歩みと現状について、どのように評価されているのでしょうか。  また、今後は全国知事会の会長としてぜひとも強いリーダーシップを発揮していただき、新たな改革のステージを切り開いていただきたいと思いますが、目指すべき地方分権改革の方向性について、どのように考えておられるのか、知事の所見をお伺いしたいと思います。  次に、地方交付税の確保についてお伺いいたします。  令和3年度の普通交付税県分交付額が、8月20日の常任委員会で報告されました。臨時財政対策債を含めた実質的な交付税は1,568億円となり、前年度に対して105億円の増加となっております。これは、リーマンショック後の平成22年度当初算定時における対前年度比120億円増以来の大幅な伸びであり、コロナ禍による県税等の減収を補うものとして、一定程度評価できる配分であると私は思っております。  しかしながら、国難であった当時のリーマンショック後を思い起こして調べてみると、平成22年度は、当初算定時に1,660億円が交付されており、今回の1,568億円の交付額では当時よりも100億円も少ない計算になります。確かにこの間、消費税率の改正等があり、地方全体の税収が当時より伸びたとはいえ、鳥取県のような税基盤の弱い自治体では、社会保障費の伸びや地域経済対策に要する経費は税収より交付税に依存するところが大きく、交付税の配分は地方財政の運営に大きく左右する、まさに死活問題であると思っております。  まずは、今年度の普通交付税の配分について、評価を知事にお伺いしたいと思います。  続いて、過疎地域の持続的発展の支援に関する特別措置法についてお伺いいたします。  過疎地域自立促進特別措置法、旧過疎法が令和3年3月31日に失効し、新たに過疎地域の持続的発展の支援に関する特別措置法、新過疎法が4月1日から施行されました。この新過疎法により、旧河原町をはじめ、旧関金町、旧船岡町、旧赤碕町、旧大栄町が新たに過疎地域に指定されることになりました。旧過疎法と新過疎法と何が違うかといえば、措置法のタイトルのとおり、過疎地域の自立促進は諦め、過疎地域の持続的発展に変更されたことと、支援措置の対象業種に情報サービス業等が追加されたことが基本的な改正であり、交付税での補填措置、地方債措置国庫補助率のかさ上げ等については、従来どおり継続されるというものであります。  この措置法も、先ほど議論していましたが、計画が義務づけられ、国と協議し、同意が必要な施策の一つで、県としても鳥取県過疎地域持続的発展方針を策定され、国の同意を得られたところでありますが、このたび、県でまとめられた方針において、これまでの過疎法と大きく変わった点や特色は何かを知事にお伺いしたいと思います。  続いて、強度行動障害者への対応についてお伺いいたします。  強度行動障害とは、自分の体をたたいたり、食べられないものを口に入れる、危険につながる飛び出しなど、本人の健康を損ねる行動、他人をたたいたり、物を壊す、大声が何時間も続くなど、周囲の人の暮らしに影響を及ぼす行動が著しく高い頻度で起こるため、特別に配慮された支援が必要とされている状態のことで、突発的に予想できない行動を取ったり、暴力を振るったり、自傷行為を繰り返したりすることが多いため、その支援には非常に多くのエネルギーが必要とされております。  平成25年4月1日に施行された障害者総合支援法では、共生社会の実現、障害者の社会参加の手段として、地域への移行を目指して、施設入所支援施設から共同生活援助、要するにグループホームへの移行が進められており、近年、共同生活援助の創設が続いていますが、強度行動障害がある人に対応できる施設は非常に限られております。皆成学園では、多くの強度行動障害のある子供さんを受け入れられていますが、原則18歳以下、例外としても二十歳までの利用に限定されており、18歳を超えた子供たちを県内に受け入れる施設がないため、県外の施設を利用するという場合があると聞いております。実際、中部のある町の方も、二十歳となり、皆成学園を出ざるを得なくなり、県内に受け入れる施設がないため、県外の施設を利用されてきましたが、その施設も長期間の利用ができないため、この9月で他の施設を探さなければならないという状況になっております。以前は、卒業後、施設入所支援施設を利用することができていましたが、施設入所支援施設の待機者が増加する現状の中で、卒業後に行き場のない子供が増えていることが課題となっております。  この現状認識と対応について、平井知事にお伺いいたしたいと思います。  また、平成29年度に行われた県の調査では、強度行動障害がある人は、県内で531人で、共同生活や施設入所支援を利用している強度行動障害がある人は195人、在宅で過ごしている方は336人おられるそうであります。しかし、在宅での支援は、保護者や本人ともに疲弊してしまい、虐待事例となるおそれがあり、また、適切な支援に結びつきにくいということもお聞きいたしております。  在宅の支援の充実と施設の受入れの充実の双方が必要と考えますが、平井知事の所見をお伺いします。  以上で、午前中の登壇での質問を終わります。 ◯議長(内田博長君)30番伊藤保議員が行いました代表質問に対する答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)伊藤議員の代表質問にお答え申し上げます。  まず、議員のほうから、豪雨災害につきましてお話がございました。このたびの豪雨災害、七夕に始まりまして、長雨が梅雨前線で続き、さらには戻り梅雨というべき、そういう秋雨前線の被害もあり、台風の被害もあり、相次ぐ災害でございまして、被災された方に心より私からもお見舞いを申し上げたいと思います。  また、議員のほうでもお話がありましたが、そういう中、オリンピックでは三上紗也可選手はじめ7名、さらにパラリンピックでは安野選手、中には金メダルを取ったり、入賞したりということもございまして、赫々たる成果があったと思います。また、先日は、林原聖真選手がインターハイの自転車競技におきまして、見事にロードで優勝をされました。この林原選手であるとか、それから三上選手などは、オリンピックを目指しまして、子供の頃からのジュニアの育成をしたり、また、海外遠征のターゲット事業であるとか、そうしたことで育成をしてきた選手でございまして、議場での議論が実ったものと言ってもいい成果であったかと思います。関係の皆様にお祝いを申し上げたいと思いますし、コロナで非常に厳しい状況にある県民の皆様にも大きな勇気を与えてくださったことに感謝を申し上げたいと思います。  また、そういう中で、芝のお話がございました。この芝は、このたびの国立競技場、開閉会式、陸上競技の会場となったところ、あの芝は鳥取県の芝でございましたし、そのほかの会場でも、一昨年ですかね、ラグビーも含めまして、こうした芝が全国展開をするようになってきました。実は、このたび、民放の番組の取材がありまして、鳥取の芝王国についての取材がありました。私のほうでも宣伝を申し上げましたが、若干ちょっと皮肉な番組でありましたので、どちらかというとはすに構えた、そういう放送になるかとは思いますけれども、いずれにいたしましても、そういうように芝で鳥取県が頑張っていると、そういうことが全国的に認知されることはすばらしいことであったかと思います。  こういうようなことなど、議員のほうから私たちは今、4年間の任期の折り返しを過ぎたところでありますが、前半の状況の総括、それから、後半に向けてどうかというお話がございました。  私のほうから、選挙の際、申し上げましたのは、安心、あるいはしごと、ひと、暮らし、ふるさとの新しい時代をつくっていこうと。それで、幾つかの項目を掲げたものでございます。55の項目を掲げたうち、93%は順調に推移しているところであります。例えば就任早々議決をいただきまして、産業の成長を応援する、そういう補助制度などをつくりました。例えばこういう中からは、今の新型コロナの下ではありますけれども、鳥取市内の淳というミシュランの星を取った、そういう和食の料理屋さん、こちらでは抹茶プリンをテークアウトといいますか、通信販売、そうしたことで出される、そういう事業に取り組まれることになりました。コロナを乗り越えてやっていく産業創造ということになったと思います。こういうことなどに大型の、あるいはきめ細かい補助制度を投入することができるようになったことは、今ある意味助かった前半戦であったのではないかというふうに考えております。また、先ほどのアスリートの育成、活躍も、公約との関係では成果を上げたところであろうかと思いますし、こういうようなことで、9割方はできているわけでありますが、ただ、外国人観光客であるとか、それから、クルーズ船であるとか、そういう海外との往来に関わるものは、軒並み振出しに戻った格好になっているところであります。  こういう中で、今後に向けては、前半戦で公約的には順調に推移していることをさらに伸ばして、新しい視点を入れていく必要があるだろうと。例えばスイカについていえば、3年連続で30億円を超えることになりましたし、また、議員のほうでもいろいろとお力を入れていただいています畜産の和牛については、和子牛の競りで1位を今年に入っても続けているということなど、赫々たる成果が出ています。これは、例えば品種改良であるとか、それから、ハウスのスイカの栽培を導入したことなど、これまで政策として練り上げたことが寄与しているところでもあろうかと思います。さらにデジタルトランスフォーメーション、それから、グリーン化など、新しいテーマを入れて、新型コロナ後、ウィズコロナポストコロナに向けてさらに加速させていく必要があるのではないかと思います。  これは地域づくりの中でも言えることでありまして、琴浦町では、今、地域交通が非常に厳しい環境の中にも置かれているわけでありまして、地域でいろんな工夫をされているわけであります。そういう中、AIを導入いたしました配車システム、こういうものをデジタルトランスフォーメーションの中でオンデマンドシステムとして入れる試みをされている。安田地区で、個人の皆さんが運転をされるわけでありますけれども、ICTを活用してそういうものをさらに力強く運営できるようにサポートしていこうと、こういうことなども出てきています。産業面のみならず、地域におけるそういう活力ということにもなろうかと思います。また、自然の中で新しい産業を創造したり、地域の魅力をつくっていく意味では、一向平のキャンプ場であるとか、船上山なども注目をされるところであります。この新型コロナの中でも、ネイチャーサウナというのは今ヒット商品になってきておりまして、今後を考えれば大きな要素になるかなと思います。  こういうような新しい展開をウィズコロナポストコロナとしても私どもとしても投入をしていくことで、後半戦、まさにキャッチアップ、それから振出しからのスタートもありますが、全勢力を挙げてやっていければというふうに考えているところであります。特に健康とか医療については注目も高まりましたし、現在、鳥取県、こういう中では、全国では注目されるようになってきました。これをアドバンテージとして、今後に生かしていくことも大きなポイントになろうかというふうに考えております。  次に、新型コロナウイルス感染症につきまして何点かお尋ねがございました。  現在のこの感染症拡大の波は重なっていくのではないか、ウィズコロナの状況の中で、経済とどういうふうに折り合いをつけて再生を図っていくのか、さらには、ワクチン接種、どの程度の接種率を目標として考えていくのか、さらには、ワクチンの有効性や今後の対応、県民の皆様の不安解消なども図りながら進めていく必要があるのではないか、こういうお尋ねがございました。  現在、第五波につきましては、原因はよく分からないところがありますが、少なくとも感染は抑えられつつあるということだと思います。これについては、人出の問題であるとか、あるいはワクチン接種が進んだからとか、人々の意識が変わったからだとかということがいろいろ言われていますが、何度か議場でも申し上げましたように、こういう学者的な、あるいはマスコミ的な分析、あるいは政府のほうの分析というのは、必ずしも当たっていないのではないかと思います。議員もいみじくもおっしゃいましたように、いずれ、このワクチン接種が進んだとしても、次の感染の波がやってくるかもしれない。これを繰り返すのではないか。私もそうだと思います。  ウイルスには、ウイルスの都合と戦略があって、今のデルタ株のウイルス、この時代が終わった後に、今度は次のウイルスの波を起こしてくる、そういう戦略なのではないかと思います。これは別に意図していることではなくて、変異が繰り返されていますので、その変異の中で感染の仕方が変わってくる。ただ、衰えてくれば、今度は次の変異が、実は新型コロナは変異が起こりやすいわけです。しかも、厄介なのは、その変異というものをしながらも、自己コントロールするのですね。ですから、一定の枠の中を超えていかない。だから、感染力の強さだとか、それから、悪性に至る、重症化をもたらす要素だとか、そういうものの基本は変えずに、攻め方を変えてくるような、そういうウイルスの変異を繰り返しているところでございます。ですから、今、第五波は全国的にも収まりつつある中ではございますけれども、決して油断できるわけではございません。  しかしながら、本県は、この週末、全国からちょっと驚きで見られていますけれども、昨日は、感染者、陽性の確認はゼロでございます。おとといはお一人、さきおとといはゼロ、全国に先駆けてゼロというものを重ねてきている、そういう状況になってきました。それによりまして、新規の陽性者、1週間で10万人当たりでいいますと4.0人でございます。15人がステージ3、25人がステージ4の目安でありますので、大きくここ3日間で下回ることになってきました。さらに、そのほかの指標でも、感染症の方の病床の占有率、確保病床に対する占有率は12.2%、また、入院の率、これも57.8%と、ステージ3の指標から大きく離れつつございますし、療養者数も11人台まで下がってきまして、20人のステージ3の基準の半分ぐらいまで落ちてきています。感染の波は明らかに本県の場合は越えてきているところでありまして、今朝方、専門家チームの5名の先生方は、いずれもステージ2ではないかという判定でございました。中には、指標的にはステージ1になっているのではないか、全国の状況を見るとステージ1と本県は少なくとも言ってもいいのではないかという御意見もありましたが、東・中・西でまだアンバランスがありまして、西部において指標の違いもございますので、そういうことなどを考慮しますと、結論的には皆さん、現在はステージ2という判断かなということになりました。  今後の状況はどうなるかというと、例えばミュー株というのが今確認をされてきているわけですね。これは、E484KとN501Y、この両方の変異を持っているウイルスであるというふうに言われております。これが国内に例えば入ってきているということがあったり、また、カッパ株とかガンマ株、こうしたものも確認をされています。しばらくたちますと、どういうようなウイルスの分布状況になってくるのかというのは正直よく分からないところがありますが、少なくとも今は波が一旦落ち着いてきて、この間に経済社会活動を一定程度戻せるタイミングに入ったのではないかというふうに考えております。  そういう意味で、本日、先議をお願いさせていただいておりますが、私どもとしては、ぜひ県民の経済社会生活を一日でも早く取り戻すために、皆様の御賛同をいただければ、我々としてはすぐにでもスタートをさせていただける状況が整ってきたと言えようかと思います。また、既定の予算を活用しまして、例えば#WeLove山陰キャンペーンにつきましては、明日から旧に復して再開をするということとさせていただきたいと思いますし、また、飲食店の25%クーポン券、あるいは宿泊における20%の前売りプレミアム付クーポン券、こういうものの発行につきましては、予算との兼ね合いを見ながら、順次スタートをさせていただける環境が整ったと思います。いずれまた感染がせり上がってくる段階に入ってきますと、また中断ということはあり得ようかと思いますが、県民の皆様を中心に経済を回すということについては、取りかかれる状況になったと考えております。こうしたことなどを交差的に繰り返しながら、経済や社会と、それから、感染拡大防止との折り合いをつけていく、これが当面の基本戦略になるのではないかと思います。  今言われていますように、ワクチン検査パッケージという手法につきましては、恐らく来月以降、実証実験事業を各地で始めることになるのではないかと思います。現に、先般、全国知事会を開催しましたが、大阪府の吉村知事など、この実証実験に参加をしたいと意思表明をされていたところがございまして、先般、西村大臣とも知事会として交渉をする場がございましたが、全国で数県からそうした参加欲求というのが出てきているということでございました。  それで、ワクチン接種が進んでくる頃になりますと、そうした意味で、今の行動制限の緩和というものを全国でどの程度進めていくのか、さらには、感染がある程度広がったとしても、ワクチン検査パッケージなどをてこに、そうしたものを一定程度、留保して、確保していくことができるのか、この辺の議論を始めることになろうかと思います。これにつきましては、西村大臣と協議をさせていただきました先週末に、大臣のほうから、知事会側の提案であります地方と国との協議をこの点について始めてくれということに応じる意思表示がございましたので、今月中にはこうした自治体と国との間で協議を始めまして、そういう協議の場において、こうした社会経済と、それから感染防止対策の折り合いをつける具体的なやり方、例えば飲食ではこうだとか、イベントではこうだとか、そういうことのお話になってくるのではないかと思います。  イベントなどを見ても、例えばイギリスでは実証実験事業を6、7月頃やりました。そのときに実に6,000人の感染があったということも報告をされています。ただ、片方で、昨日、新潟県が公表されましたが、新潟県で開かれておりましたフジロックというフェスについては、今のところ感染の確認はないということでございました。他方で、愛知県で行われたフェスにつきましては、感染が連鎖的に起こっている、クラスターだという認定が出ていまして、こうしたことをどういうふうに今後、我々として考えていくかということではないかと思います。  そういう意味で、例えば飲食店の25%のプレミアムつきのクーポン発行という事業を議会のほうに今提案をさせていただいておりますけれども、これを始めるに当たりましては、本日から職員が認証店を回らせていただきまして、それで、認証店の対策を確認した上で、このクーポン事業を開始するということにさせていただいたほうがいいのではないかと思っています。現実に、こうしたことでは聖地のように言われる山梨県は、グリーン認証事業ということをされておられましたけれども、今回の第五波では相次ぐクラスターで非常に悩んでおられました。数は少ないですけれども、本県でも認証店のクラスターということも東部で発生をした件もございまして、そういうようなことを考えますと、認証を取ったからということだけではなくて、お客様の御協力もいただきながら、お店としてもきちんと運用していくということも重要な要素になってこようかと思います。こういうような感染予防、感染拡大防止の努力と、どういうふうに折り合いをつけながらやっていくのか、これがウィズコロナのポイントになってこようかと思います。  そういう中で、近未来的には重要になってくるのはワクチンの接種率になろうかと思います。現状、鳥取県は、65歳以上では大体9割方の方が2回目の接種を終えていまして、これは大体、全国この辺でそろってきています。この辺が多分限界といいますか、一つの状況かなというふうに全国的にも思えるところでございます。問題は、若い層ですね。この若い層を含めて、どうかということでありますが、今現在では、鳥取県は、2回目終了ベースで58.13%の接種率。これは、全国が52%ぐらいでありますから、かなり上回った形で、今、全人口的には進んでいるところでございます。これも市町村、それから事業者による職域接種が本格化してきたことによるところが大きいと思います。  そういうようなことを進めていけば、今後、接種というものを、11月が一つの変わり目かと言われていますが、10月末段階で進めていくことは、十分に可能なレンジに入ってきたのではないか。例えば、今の指標でいいますと、第1回目の接種を終えた人が全人口に対して69%であります。実はVRSという登録システムがありまして、これへの未入力分がありますから、大体大方1%ぐらいは上げなければいけないのですね。ですから、2回目接種58.13%ということは、それは大体もう6割近い状況と言っていいと思いますし、また、1回目接種、全人口に対して69%というのは、これはもう7割超えているかもしれないというふうに考えてもいいです。すなわち、2回目接種はここから3週間後とか、一月後ということでありますので、そういうことからいいますと、10月末には確実に、もう7割は超えていることは、本県は達成したというレベルになってきました。さらにどれだけ上を目指せるかということだと思います。  例えば12歳以上の接種可能人口の8割を超えるようなレベルで接種していくというようなことは目指せないだろうか。高齢者のほうは、先ほど申しましたように、9割接種になってきています。それから、順次それぞれ接種率が上がってきております。議員がおっしゃったように、副反応などのそうしたことなどについてのPRもやらなければいけない。そんな意味で、若い方向けには、入江聖奈選手にも御協力をいただいて、今CMを流させていただいたりしておりまして、景山先生にも副反応について解説をしていただいたりしております。  それから、いろんなワクチンのタイプがあるということで、今、アストラゼネカの予約を始めました。これも、始めた当初でもう既に13%ぐらい予約が入ってきています。アストラゼネカは、アレルギー反応がある方にはお勧めさせていただきたいワクチンでありまして、アナフィラキシーショックが心配でファイザーとかモデルナを打てないという方には、こちらのほうの接種が有効であります。こういうようなことを例えば御説明を申し上げて、理解の促進を図ることが大切かなと思いますし、市町村以外でもこういうことを、ファイザー以外のモデルナのワクチンも大分打てるようになりましたよというPRをさせていただいています。  例えば、もう来たら打てますという、その場で打てるというワクチン接種を本県も始めまして、東・中・西で今進めておりますが、既に400名以上の方がこの方式でワクチン接種を終えられておられます。また、特に最近よく言われるのは、子供たちのワクチン接種の必要性であります。例えば智頭町では、学校を通して、それで、接種希望について照会をすると。ただ、学校の先生方には分からないようにして回収しまして、それで、ワクチン接種を町のほうで受けられるというようなことで、中学生の今ワクチン接種を進めておられます。予約ベースも入れれば、中学生は、もう既に76%の子供たちがワクチンを受けられる、あるいはワクチン接種の予約を入れるということになっています。同じようなこういう子供たちの優先接種を進めているところは、大山町とか八頭町、南部町など、各地でもございまして、こうやって鳥取県なりに子供たちの接種を進めようと。県のほうでも、子供さんや、あるいは子供さんを含めた御家族連れでの接種枠というものも設けたり、それから、受験生の優先枠というものも設けたりして、県営接種ということも進めているところでございます。  こういうことを民間の方々、各種団体と、JAさんだとか、商工団体等と協力をしながら、モデルナ社によるワクチンも打っているところでございます。こういうようなことを含めまして、来月末にはできれば12歳以上の接種対象人口の8割が打っているという状態、ちょっと高めですけれども、本県としては目指していけるのではないだろうか。大体、人口的にいきますと、総人口に対しまして70%をある程度超えると、このレベルに入ると思われます。今、大体7割ぐらいは、少なくとも来月いっぱいで確保できていますので、11月の前にそういう状態を達成できればというふうに考えているところであります。  また、交差接種であるとか、それから、3回目のブースター接種につきましても、国のほうが方針を出せば、可及的速やかに取りかかれるようなことに市町村や関係者と共に進めてまいりたいと思います。既に厚生科学審議会では、9月17日に、この点、承認をされたところでございました。いろいろ世界ではちょっと状況が今分かれていまして、CDCのほうでは、65歳以上にブースター接種ということで決議がなされたということであります。世界的には、イギリスだとか、イスラエルでもブースター接種が始まっています。我が国でも医療従事者とか、それから高齢者、8か月以上を過ぎた方を対象にということで、今視野に入ってきていまして、そういう意味では、11月以降は、私ども、10月までにある程度の接種を完了して、今度はそちらのブースター接種のほうにその体制で今度かかっていくというのが理想的な状況ではないかなというふうに考えておりまして、今後よく注視をしてまいりたいと思います。  なお、ファイザー社が12歳未満につきまして、ワクチンの有効性があるということをこのたび発表をされました。アメリカをはじめ、各国にそうした知見データを申請するというふうに言っています。これが可能になりますれば、そういう学童に対する接種というものもなされ得るのではないかというふうに考えております。  次に、全国知事会につきましてお尋ねがございました。全国で一番小さい県でありますけれども、どういうようにこれをまとめていくのかということでございます。  全国知事会の会長職は以前、推薦制のような形でやっておりました。各ブロックでの話合いで決めていたという時代がございましたが、鳥取県でも勤めておられました岐阜の梶原知事が最初の選挙による選出でございまして、梶原さんは1年余りで会長を退任されましたけれども、その後は、麻生福岡県知事、それから、京都府の山田知事、それから、埼玉県の上田知事、また、飯泉徳島県知事というように続いてきまして、そのバトンを引き継ぐということになりました。幸い、今回は40人の知事さん方から推薦をいただくという形で、ほぼ皆、推薦人になったような形の珍しい無投票当選になりましたので、言わば一枚岩で私たちはこの知事会活動に取り組んでいけるのではないかと考えております。  新型コロナの今真っただ中にありますので、コロナを乗り越え、新しい時代をつくっていく、この国とふるさとを開いていく、こういう決意の下に、未曽有の危機に挑戦をしたり、新たな時代に向けて、例えばデジタル化だとか、それから、脱炭素なども含めたテーマへ挑戦していく。それが恐らくこの2年間の知事会長としての役割になろうかと思います。こうした考え方につきまして、各方面の御賛同もいただき、スタートをさせていただきました。これを進めていくためには、やはり現場主義、それから連帯、この2つのキーワードで日本に貢献をしていくという知事会像が求められると思います。  新型コロナで大分仕事のやり方や知事会に対する世の中の見方も変わってきたと思います。これを活用することにより、本当の意味での地方の時代を、知事会も一つの一角として、リードしていくことができるのではないかと考えております。現実にも、そうした連帯ということで、同じく現場で頑張っておられる方々とつながっていこうと。9月9日には、日本医師会の中川会長と懇談をさせていただきました。明日は、東京のほうに参りました機会に、経団連の十倉会長とお話合いをさせていただくことにいたしております。いずれの団体とも新型コロナやその後の経済活動等も視野に、まずは協議の場をつくらせていただきまして、今後は共同で活動できることというものをお互いに探して実行していこうというようなことにいたしたいと思っております。観光関係の団体ともお話合いをさせていただいておりまして、近々、国のほうに共同要望をしようというような、今スケジュールを考えているところでございます。  こういうような意味で、最小県としての私の就任ということにはなりますが、別に知事会は多士済々で、いろんな知事さん、バックグラウンドの方、能力の方がいらっしゃいますので、そういう方々にそれぞれ役割を分担していただきながら、私ども、総力としてこの挑戦に向かっていければというふうに考えております。  そういう中で重要なテーマは、議員がおっしゃいました地方分権、あるいは財政といったことではないかと思っております。議員のほうからは、地方分権の改革の歩みや現状について、どういうふうに評価をし、今後の方向性を考えているのか。また、地方交付税について、その評価等、どうかということでのお話がございました。  この問題につきましては、議員も先ほど以前のお話をされまして、私もしみじみとお伺いをさせていただきました。平成11年の統一地方選挙で初当選を果たされました伊藤保県議におかれましては、町の時代の活躍というものがあり、そうした現場の中で見てきた地方分権の思い、あるいは財政の思いというものがございました。当時、私もこの県庁のほうに奉職をさせていただいておりまして、こういう分権なども担当をさせていただいたり、財政を担当させていただいたりということもありまして、折に触れていろいろと意見交換をさせていただいたり、勉強会的な私たちの調査をさせていただいたことを思い出すわけでございます。  当時、お話合いをさせていただいたとき、ちょうど平成11年の分権改革の法律が仕上がっていました。これはもともとは土光臨調の時代に細川護熙熊本県知事が委員に加わられまして、それで、臨調で行財政改革を政府としてやるに当たりまして、ただ削るだけでは何も意味がないわけでありますので、では、どういうふうにして、むしろパフォーマンスがよくて国民の満足が得られるような政治、行政というのをつくっていくか、そういう意味で、地方分権ということを最初に言い出したのがこの時期だったわけでございます。地方分権というのは、単に権限を分ける、国から地方へ権限を持っていくということではなくて、それと併せて、その住民に身近なところで自ら決定権を持っていくと。これによりまして、一定の限られた財源や資源であっても、それを十二分に活用しながら、最もその地域がやりたいことに挑戦をしていく。そういうことができるようにしようというのが本来の地方分権の理念であったはずであります。  こういうような考え方の下に、地方分権改革の決議、地方分権推進決議というのが国会のほうでなされまして、これが平成5年の決議でありまして、平成7年には地方分権推進委員会が政府の中で設けられ、議論がなされました。そうした様々な議論の結果として、機関委任事務を廃止して、自治事務や団体委任事務に替えていく。それから、理念としては、国と自治体とは対等のパートナーであると、こういうことを言いました。県と市町村も対等なパートナーであると。これが当時、喧伝されたことでございました。そういうようなことでの分権改革が進みまして、議員が初当選された頃には、これで一気に国と地方の関係が変わるだろうというふうに私たちも大いに期待をしたところであります。  ただ、結果として私たちが見たのは何だったのだろうかと思えるところもあります。と申しますのも、確かに機関委任事務が、自治事務、あるいは団体委任事務に変わりまして、それも一つ一つの国の関与が法定化されるということになりました。国会の関与ということが担保になったはずでありますけれども、現実には、機関委任事務でやっていたことについて、国に刃向かえば、国のほうから言わば代執行みたいなことをされることがなくなったぐらいで、ただ関係性が大いに変わったかというと、やはり政府のほうであれこれ政策を出しては、地方の自治体が振り回されると。財源が十分かというと、財源も十分ではないというようなことであったと思います。  そういう中で、平成15年には、いわゆる地財ショックと言われるようなことが起こってしまった。三位一体の改革は梶原知事会長もリードをされたことではあるのですけれども、結局国庫補助金の見直しで自由度が高まるはずではありましたが、計算上、交付税、それから地方税の合計額と合わないわけですね。結果としては、財源不足が極端に生じてしまいまして、地財ショックという言葉ができたということでもございました。その後、もう一度地方分権改革をやり直そうということになって、平成18年に地方分権改革推進法ができ、その後、政権交代がなされまして、議員がおっしゃったように、平成23年には分権改革一括法というものが出され、1次、2次と、そうした分権改革が進むことになりました。  このときに、いわゆる義務づけ、枠づけの見直しということがなされ、従うべき基準、参酌すべき基準などにカテゴライズされました。しかし、この改革で全部終わったかというと、従うべき基準に例えば教育だとか、福祉関係など、多くのものが残されてしまったわけですね。これは、政府と、その分権改革とのやり取りの中で決まってきたことでありまして、典型的にはよく言われる保育園の面積基準などは従うべき基準で残ってしまったがために、特に大都市で保育園、保育士不足ということになり、結局入園できないという待機児童の問題を生んできたわけであります。  その後、また、自民党政権になりまして、地方分権改革の有識者会議が設置をされて、一つ一つ見直しをしていくということになり、私のほうでも委員として参画をさせていただきましたけれども、例えば訪問看護ステーションであるとか、それから、放課後児童クラブであるだとか、あるいは、農地規制だとか、それから、ハローワークであるだとか、いろんなところでまた改革は一歩一歩進められるということになったところでありますが、いまだ十分ではないところであります。  私自身も、地方分権改革の有識者会議でもそうした発言を繰り返し、さらに、知事会のほうでも各知事の議論に基づきまして、もっと大きな分権の議論をすべきではないかという提起をさせていただいてきました。そういう中で、一つには、消費税の改革はなされたと思います。これによりまして、一般財源の面で、地方のほうに一定の前進はなされたのではないかと思われます。現に鳥取県としても税収については拡大ということになりました。しかし、残念ながら、そこにコロナがやってきてしまったというのが現状なわけですね。こういう財源面で若干のことはございましたけれども、もっと憲法問題も含めて、やはりこの分権については議論がなされるべきではないだろうか。これは知事会としても今後も主張していかなければならないところだろうと思います。  そういうような意味で、大きな課題として最近取り上げられているのが、計画づくりであります。結局計画を分権改革で平成11年に機関委任事務ということが改められまして、それで、自治的にやってもらう、あるいは団体委任でやってもらうというようなことになってくる。そうすると、法律をつくりまして、計画をつくれという手法がはやるのですね。計画をしっかりつくったところについては、補助金を出しますよというようなことにすると。補助金をもらわないと、これはできないような仕組みであって、昔であれば、国が負担金を払って、それで国庫補助制度等でやり、そういうようなことがなされていたものをそちらのほうに大分付け替えてくるわけですね。つくらざるを得ないというものになってくる。さらに、国のほうは、国会に言われることもあるのでしょうけれども、計画をつくっている団体、つくっていない団体の発表をしろと。これによりまして、結局計画をつくっていないということで新聞の見出しに出るものですから、つくらざるを得なくなる。計画をつくろうと思うと、1年も2年もかかるし、有識者をまとめてやっていかなくてはいけない、大変な手間になりますし、県議会でも、御覧のとおり、たくさんの計画が4回の会期を通じて出てくるということになってしまっています。これは実は急増しているのです。  こういうような仕事のやり方をもっと変えるべきではないだろうか。例えば環境問題でいえば、本県などは、条例に基づきまして環境イニシアチブプランという基本計画をつくっています。ただ、法律のほうでは、例えば生物多様性のものをつくれとか、廃棄物のものをつくれだとか、それから、今回、脱炭素社会ということがありますから、地球温暖化対策とか、それが議員立法も含めて、いろんな計画を求められるわけです。ただ、実は全部、環境イニシアチブプランの中に入っているわけですね。この辺はある意味、地方の現場のペースに任せていただいて、アウトプットのところで、この政策をやってもらいたいというところに端的に補助金を出すとかをしたらいいだけのことなので、そういうふうに改められないのかという、今点検作業を分権改革の中でも政府のほうでやってもらっています。今回は大分政府も取り上げていただいていまして、そちらのほうに動いてきているということでございますが、今年度いっぱいでどれだけ成果が上がるか、注目をしてまいりたいと思います。  交付税につきましてもそうでございますが、これも、リーマンショック後、非常に財政逼迫するということがございましたけれども、実質的な地方交付税については増えた時期というのも確かにございました。特に民主党政権のとき、伊藤議員に民主党の幹事長として、当時、窓口一本化というようなことが政府の方針としてありまして、毎夜のように、いろんな地方財政の要望だとか、整理をしていただきながら、国の中央のほうとつないでいただいたわけでありまして、そういう中で、一定の財政上の措置ということも得られていました。  議員のほうから御指摘がございましたように、リーマンショック後の平成22年と比べて100億円ほど少ないということでありますが、私は今の1,568億円の今年度のこの総額自体は、ある程度確保できたのではないかと思っております。と申しますのも、実はリーマンショックの頃、当時の政権の方針で、いろんな改革をされていました。一括交付金ということがございまして、この一括交付金をやる片方で、公共投資等の予算を減らすということを併せてやったわけです。ですから、そこで、実は財源的には、特に投資関係について、総額的には大分減った状況がございまして、そういうところなどと組み合わせて、この交付税の額が確保されていますので、その辺をやはり見なければならないと思います。ただ、当時の民主党政権でも、当時のリーマンショック後の経済状況ということもあって、特別の枠をつくっていただいたり、いろんな工夫もしていただきました。ただ、正直、やりくりという面では難しいところもあったと記憶しています。現在も非常にやりくりの難しいところではあるのですけれども、片方で、新型コロナ関係で、地方創生臨時交付金だとか、包括支援交付金というようなものが出されていまして、こういうもので、ある程度円滑にコロナ対策を行うことができているということは御報告できようかと思います。  今、交付税について一定程度確保できているというのは、地方創生を実現するための財政基盤を確立しようと、11の道県の知事で同盟を組みまして、要請活動をしてまいりました。これに基づきまして、今、地域再生の枠として4,200億円、国のほうで確保していただきました。それに地域デジタル化で2,000億円の交付税の枠を確保していただいていまして、これの配分がやはり大きいと思います。これで、私どものほうでも一定程度確保でき、特に今年度は予算との関係でいきますと30億円ほど上振れした、そうした交付税の確保になりましたので、今年度中の財源については、一定のめどは立ったというふうに考えております。  ただ、今後もやはり大きな意味で、国と地方の財政の在り方、分権の観点で議論していかなければならないと思います。例えば今後年金がどうなるのかとか、いろいろと将来にわたって大きな国財政の問題が出てきます。それから、連動して、当然ながら、75歳以上の後期高齢者の割合が高まってくる、団塊の世代が移ってくるということになってきますと、医療費負担や社会保障等の経費負担もありましょうし、また、少子化対策等での子供たちの一定の枠を取っていかなければならない。貧困の問題、生活苦の問題ということもあります。真の地方分権は財政基盤を確保した上でないと実行できないものでありますので、そういう意味でいいますと、やはり財政のフレームというものも併せて、この辺についての議論は、今後も展開していきたいというふうに考えております。  次に、過疎対策につきましてお尋ねがございました。これまでの過疎法と大きく変わってきたのはどういうところにあるのだろうかと、こういうことでございます。  過疎地域の持続的発展に関する特別措置法というものがこのたび国会のほうで成立をしました。これは、過去の過疎法と同じように、議員立法で成立をしたものでございます。これまでの過疎法というのは、地域間格差を是正していくということ、すなわち後進性の打破のようなところに重点が置かれていたと思います。今回は、その考え方を持続的発展、SDGs的なコンセプトに付け替えをしているということがございます。あわせまして、新たな視点として、やはり人材の育成であるとか、それから、デジタル社会であるとか、そうしたことなども取り入れております。あと、我々、実務として重要なのは基準年が変更になりました。昭和35年で基準年を取っていました。そこからの人口異動というものを見ていたのですが、その後、人口の出入りがあって、安定したのが昭和50年であると。こういうような認識の下に、昭和50年を新しい基準年にされました。これで、全国について、地域指定で大きな変化ができたところであります。こういうようなことで、本県としても持続的発展についての過疎地域持続的発展方針というものを策定させていただき、これに基づいて今市町村が過疎計画をつくっているところでございます。  本県のそうした方針の中でも、先ほど申し上げましたような、人材確保であるとか、それから、これからの新しいウィズコロナポストコロナを考えますと、関係人口だとか、それからワーケーションだとか、そういうような新たな視点なども取り組ませていただいております。それから、地域としては、都市部でも鳥取市では新たに河原が加わりまして、それから、倉吉市でも関金が加わりました。また、町村でも琴浦町の赤碕、北栄町の大栄、また、八頭町の船岡が新たな追加指定になりました。これは、昭和50年が基準年になりまして、その辺の追加がありまして、本県の場合は指定落ちはありません。したがいまして、過疎対策としては、非常に前進した内容になったのではないかと、議員立法に携わられました関係者各位にお礼を申し上げる次第でございます。  いずれにいたしましても、今これに基づきまして、市町村のほうで過疎計画をつくっていただいておりまして、既に琴浦町などは本県との協議もなさっておられまして、それぞれに今、具体像をつくりつつあるところであります。私どもとしても、新たな過疎法の理念に基づきまして、フォローアップをさせていただきたいと思っております。  次に、強度行動障害につきましてお尋ねが何点かございました。  卒業後の行き場のない子供たちについての現状認識と対応はいかがであるか。さらには、強度行動障害について、在宅支援の充実や施設の受入れの充実、双方が必要ではないかというお尋ねでございます。  強度行動障害というのは、いろんな要因、特徴があるというふうに言われているわけであります。例えば非常に過敏であるとか、それから、ある意味パターン化して固執性があるとか、それから、衝動的な行動に走るというようなことがあるとか、それから、注意の欠陥ということがある等々が言われます。その理由ないし分析として、最近までの研究や実務の中である程度の共通認識が生まれてきています。これはやはり小さな子供の頃からその萌芽があるということですね。そして、それが思春期において、言わば顕在化して、強度化してくると。その多くは自閉症スペクトラム等、一定の知的障害等が関与しているところがあるというようなことであります。  そこで、例えば本県でやっているように、1歳半の子供の健診だとか、3歳児だとか、そうしたところである程度端緒が見えるということがございます。こういうものが非常に重要であって、本県がそういうことを重要視していることは、ある意味正しい方向性だったのかなと思います。また、医学的アプローチというものも重要だというふうに実務上言われていたり、それから、特に個々の障害者によって特性がそれぞれ異なるので、その個々の特性に従った、即したメニューを考えていかなければいけないと。その個々人にとりまして、伝え方、コミュニケーションの仕方がやはり違う。それから、その個々人が好む環境というものを大事にしてあげる。こういうことがやはり重要だというふうに識者の間で分析をされているところであります。そういう中では、リラックスできる環境づくりであるとか、それから、それぞれの方の言わば自尊心といいますか、個としてのプライド、こだわりがあるものがあって、それは全然悪いことではないのですね。中にはそこから芸術が生まれたり、いろんな創造性を発揮したりということにもつながってきますし、そういう意味で、個性として大切にする、そういう仕掛けというものが必要ではないかということであります。  そういう意味で、議員がおっしゃるように、施設のことと、それから、ソフト的な処遇のことと両面にわたって今後も発展させていく必要があるだろうと。こういうような状況の中で、現状、本県はどうなっているかということですが、議員から皆成学園のお話がございました。いわゆる加齢児といいますが、所定年齢を過ぎてもそこに入所している子供たちというものは、最近もやはり一定程度見受けられるところであります。これは、議員は実情をよく御存じなので、お分かりの上でおっしゃっていると思うのですが、それぞれの子供に即した次の行き先というものを探すのは結構大変でありますし、そこに言わば移っていくに当たりましても、個別のケーススタディのようなことをして処遇を決めていかなければいけないのですね。こういうようなことを一つ一つ丁寧にやるものですから、そう簡単な作業ではありません。  そういう中、最近どうかというと、令和2年度は、皆成学園7名卒園ということでありますけれども、その7名とも施設であるとか、在宅であるだとか、そうしたところで全て落ち着きました。だから、全員、入られて、何らかの形で次に移られまして、それで、加齢児というのは生まれていないと。ただ、令和元年度におきましては、加齢児が4名発生しているということでございます。事ほどさようで、ちょっと年によってやはり個性がありますので、スムーズに移行したところもあれば、そうでない時期もあります。  皆成学園では、かつて滋賀の近江学園との交流ということをずっとやっていたのですね。それで、糸賀一雄先生の生誕100年を機会にしまして、こういう交流事業をもう一度盛んにして、それで、そのノウハウの再注入ということを図っております。そういう中で、そうした強度行動障害の支援や処遇の検討会を令和元年度にもやるなどして、改善を今進めているところであります。例えばそういう中でさせていただいておりますのは、高等部の在籍中に、この子に対してはどういうような形が必要なのか、その障害区分認定というのを、これは実は市町村がやるのですね。こことのコミュニケーションということを取っていく。それから、高等部3年のときにどういうような福祉サービスを受けるか、それの申請をしてもらって、決定をしていくという手続に入ります。これも市町村がやるところです。だから、皆成学園と、市町村だとか関係者の間でこういうことを共同作業で丁寧にやっていく、これが一つ重要なポイントになってきます。  施設ということで今後の方向性でいえば、やはり先ほど申しましたように、それぞれの人がリラックスできる環境だとか、それから、個性を大切にするということがありまして、必ずしも集団生活をさせればいいということではないと、最近の福祉の流れになってきています。そういう意味で、その折衷的なグループホームというのが重要ではないか。これについては、私どものほうで、社会福祉施設の整備事業の補助制度を国共同でやっているものがありますが、それに加えて、県のほうで単独事業として、こういう強度行動障害のほうの採択基準を上げたり、それから、対象の費用というものを変えたりということを進めておりますし、また、こういう強度行動障害の方を受け入れる施設に対する割増し経費ですね、これの支援制度というものもスタートをさせていただいております。こういうようなことに加えまして、今後の新しい方向性として、例えば夜間の処遇について、もう一つ、対策を取ったほうがよいのではないかとか、それから、例えばグループホーム等に入られるにしても、体験利用というのがあります。いきなり新しい環境に行くものですから、それに対してある程度ちゃんと備えをしながら、体験利用をして、それでよければ、その後も継続ということになる。その最初のタイミングというのは非常に重要なので、こういう体験利用に対する支援制度なども考える必要があるのではないかというふうに考えております。  特にこういう強度行動障害に対する処遇については、特別のやはり支援員の実務、技量というものもありますので、こういう研修制度というものを私どものほうでも最近は重ねてきておりまして、こういうところで育った方を中心にして、例えば在宅でのケアの指導をする、こうしたことにも取り組み始めているモデル事業もスタートさせています。非常にこれはやはり評判もいいですし、その後の接し方も変わってきて、スムーズに在宅移行ができるようなことになってきています。この辺をいろいろと組み合わせながら、議員がおっしゃるように、施設系と在宅系と、それぞれに対策を進めてまいりたいと思います。 ◯議長(内田博長君)暫時休憩いたします。  再開は11時35分といたします。        午前11時27分休憩    ────────────────        午前11時35分再開 ◯議長(内田博長君)会議を再開いたします。  30番伊藤保議員 ◯30番(伊藤保君)るる答弁いただきました。  ワクチン接種なのですけれども、8割を目指すということでありますし、ブースター接種については11月以降ということが出ました。  既にテレビなどでブースター接種についての情報が流れているわけですから、高齢者の皆さんが、3回目はいつから注射を打てるのですかということの問合せが医療関係機関にかなりあるらしくて、ブースター接種については11月以降になりますよということをやはりどこかでしっかりと県民の皆さんにアナウンスすることが必要ではないかなというふうに思っていますし、もう一度それに向けて接種の体制を整えていただきたいなと思っています。特に医療機関の皆さんは一生懸命やっていただいているのですけれども、歯科医の皆さんも本当に集団接種会場等に休日に出かけていって接種していただいております。本当に歯科医の皆さん方にも私は感謝申し上げたいなというふうに思っております。
     そうした中で、このたびの第五波の中で、やはり一番問題になりましたのは、若い人の接種ということでありました。しかしながら、インターネット上で、まだそうですけれども、不妊になるとか、流産するとか、感染する、科学的な根拠がないとして専門家が否定している情報がまだまだ広がっております。また、知事も御覧になられたかと思いますけれども、新聞折り込みにもワクチン接種に反対するチラシが入っておりました。これは東京のほうのお医者さんですかね。もちろん個人の考えやワクチン接種をしたくてもできない人をはじめ、様々な事情によりましてワクチン接種を受けていない人に対して、接種を強要したり、差別的な扱いをすることが絶対にあってはなりません。あくまでもワクチン接種は本人の意思に基づいて行うものですけれども、その判断が誤った情報によって行われるということは、私はあってはならないというふうに思っております。  県でもインターネットを監視して、誤った情報を打ち消す取組が行われております。若年層への接種が本格化しておりますけれども、行政としても県内にある大学と連携して、いわゆるデマ対策を含め、不安を抱いている大学生はじめ、若い人に感染後の後遺症などを丁寧に説明するとともに、ワクチンの有効性を正しくアナウンスすることが重要だと思いますけれども、知事の所見をお伺いしたいと思います。  また、もう1点、7月にワクチンの接種の対象年齢が12歳以上に引き下げられました。また、今度は、何かもう5歳以上とかなんとか、もう既に次の話が出ておりますけれども、いわゆる子供たちは各家庭で保護者とよく相談して接種するかどうか判断するわけですけれども、そうした中でインターネットをはじめ、社会にあふれる情報の中で、誤った情報に振り回されるのではないかということを心配しています。  そうした中で、私はこのコロナ禍の中で、やはり学校現場でも、インターネットの扱いについて教育しておられますけれども、このコロナ禍にあって、いわゆる情報をうのみにしない、やはりきちんと正しい情報を見抜く、そういう力を学校現場では子供たちにつけさせる、そういうことをやっていただきたいなということであります。そして、真意ではない情報を広めない、他人に広めない、やはりこういうことも私は大切だと思っております。  したがって、こうした情報に接する際には、基本的な態度、心得がどこまで私は学校で定着しているのか、定かでありませんけれども、これまで学校において、インターネットの適切な接し方について、啓発はじめ、情報収集、分析能力の向上、情報モラルの意識向上等の取組が行われていると思いますけれども、現状と今後の取組について、教育長にお伺いしたいと思います。 ◯議長(内田博長君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)伊藤議員から重ねて、ワクチンにつきましてお尋ねがございました。  歯科医師、あるいは薬剤師等、医師や看護師以外にも大変な方に御協力いただいていることに感謝を申し上げたいと思います。  このデマの問題でございますけれども、先般、読売新聞にも出ていましたが、兵庫県の医師がある程度主導しながら、海外、アメリカ等で出されている、そういう情報を出されると。それにまたフォロワーがいっぱいいて、たくさん広がっているというような構図ではないかと。こういうような分析記事がございました。それから、NHKなどでも報道していますが、エコーチェンバーという現象、ネットを見ますと、自分に都合のいい情報だけが目に見えるようになっている。そういうことで、ますます自信を深めて、少数者ほどたくさんリツイートなど、発信をするということがあります。こういうことがワクチンについても起こっているので、それを割とSNSを見る若者にとりましては不安の材料になってしまうということかと思います。  今、本県では、全ての大学で職域接種をしていただいていまして、環境大学では73%の方が接種を終えています。それから、鳥短や看護大学も7割ぐらい、看護大学の場合は、さらに医療従事者での接種もあると思いますから、もっと大きい数字になっているかと思います。このような形で、ある程度順調に進んでいて、大学も関与しながら、自分のところのソーシャルネットワークなども使って周知を図り、こうやってワクチンのほうに結びつけてきているところです。これはさらに多くの若者たちにも広げていかなければならないものですから、先ほどもコマーシャルのお話を申し上げましたが、今日から、漫画の入ったチラシ、リーフレットを作りまして、そこに副反応のことだとか、ワクチンの効果だとか、そういうことも記載をいたしまして、これを若い方々に届くように、学校なども含めて、配布をするというふうにさせていただいております。また、SNSを通じた情報発信であるとか、若い方々による体験談、こういうものも入れる、そういうソーシャルメディアを通じた情報発信もしていく方向にいたしております。  恐らくこの9月、10月ぐらいが非常にそうしたワクチン接種、若い方々に積極的に応じていただくためには重要な期間だと思いますので、啓発活動を徹底してまいりたいと思います。そのようにして、議員のほうでおっしゃいました8割方、来月末で接種対象人口の皆さんが接種を終えていただけるように、県としても全力を挙げてまいりたいと思います。 ◯議長(内田博長君)足羽教育長 ◯教育委員会教育長(足羽英樹君)伊藤議員の代表質問にお答え申し上げます。  私のほうには、情報に接する際の基本的な態度ですとか、情報モラルについて、現状、そして、今後の取組ということでお尋ねがございました。  議員御指摘のとおり、信頼性の高い情報をしっかり見抜く力というのが本当に必要なことだろうというふうに思っております。現状としまして、小中学校では、情報モラル等を学ぶ教科、科目はございませんが、全校で全体計画をきちっと、この情報に関する計画をつくる中、国語や社会、または総合的な学習の中で情報への接し方ですとか、あるいは情報を活用する際のルール、マナー、これらを教材の中から引き出して学ぶというふうな工夫をしております。また、それが高校段階になりますと、今度は教科、情報というのを全生徒が学ぶこととなっております。発達段階に応じて、専門的な情報の、先ほどおっしゃったような是非、正しい情報をしっかり見抜くにはというふうな専門的な学習を進めたり、さらには、入学と同時にスマートフォンを手にする高校生が非常に多くございます。入学の際の説明会で、保護者と一緒に専門家を招いての講演等で啓発を図ったりしているところでございます。  今後の課題としましては、つい先日も、この1人1台端末が配付された、それを契機とした大変残念な事案が全国でも発生しております。本当に心からお悔やみを申し上げたいと思いますが、そういう意味では、学校のアンテナを上げた指導ももちろんですが、家庭や地域を巻き込んだ取組で、今後、この情報モラルをより徹底していくことが必要だろうというふうに思っておるところでございます。  現在も、インターネット、情報のモラルエデュケーターを学校に派遣したり、あるいは連携推進協議会と連携をした学習ノートを作って、家庭への発信というふうなことも進めているところではございますが、大事なことは、このコロナ関係だけではなく、何が課題なのかを子供たち自身が考え、調べ、そして、自分で判断する力を様々な場面でつくっていくことがこの情報モラルに関しても、あるいはコロナ対応に関しても大きな力を発揮するものというふうに思っております。全ての学習活動、教育活動の中でのそうした自ら考える力をつける教育を推進してまいりたいと思っております。 ◯議長(内田博長君)30番伊藤議員 ◯30番(伊藤保君)ありがとうございました。  先ほども言いましたけれども、ワクチンを打ちたいけれども打てない人、それからどうしても打ちたくない人、こういう人の人権というのはしっかりと守っていただきたいと思いますし、それを理解しながら、県民の皆さんにも、しっかりとオール鳥取でこの感染対策に向き合っていただきたいなと思っています。県庁だけではできませんので、多くの関係者の皆さんの御理解をいただきながら取組を進めていただきたいなというふうに思っております。  続きまして、全国知事会の関連について、質問したいと思います。  これまで、知事は休みなく県内を東奔西走されまして、県政に携わってこられましたけれども、今度は知事会を代表され、政府との折衝機会が非常に多くなり、これまで以上、苛酷な日程に知事の健康も心配されるところでありますけれども、一方で、県政推進との両立について懸念される声も聞かれるわけであります。これについてどう対応されていくのか、お伺いしたいと思います。  これは聞くのをやめようかなと思ったのですけれども、この前の代表質問で副知事の決意は聞いたのですけれども、さらなる知事の多忙が想定される中で、亀井副知事、本当に補佐役として、かなり多くの業務が回ってくるというふうに思っております。最近見てみますと、風格も大分出てきたようでありますし、心に秘めた思いをもう少し語っていただいたらというふうに思っております。 ◯議長(内田博長君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)亀井副知事のほうから併せて御発言申し上げたいと思いますが、まず、ワクチンにつきましては、議員がおっしゃるとおり、ワクチンを打てない人がいる。特にアレルギー等もありまして、そういう場合には、アストラゼネカというものもこのたびスタートをさせていただきましたし、特に人権に配慮した進め方になるように、この点はよく注意をしてまいりたいと思います。  また、お年寄りの皆さんがブースター接種の心配をされるということでありますが、相場観としては11月以降、そうしたことになってくるのでないかと思いますが、何せこれは国の仕組みでありますので、まずは安全性など、仕組みが整った上で、我々としては、速やかに市町村と協力をしながら、周知徹底を図ってまいりたいと考えております。多くの方々の御協力をいただきながら、ワクチン接種を進めていければと思います。  全国知事会用務につきましては、当然ながら、ある程度は業務負担が出てくるところでございますけれども、片方で、スクラップ・アンド・ビルドにしていくところもあります。例えば社会保障常任委員会とか、それから、新型コロナ本部長代行につきましては、福島県の内堀知事のほうに引き継いでいただきましたし、さらに、地方分権の特別委員長や分権改革の議員につきましては、広島県の湯崎知事のほうに引き継いでいただくことにいたしました。こういうようにいたしますと、かなりの部分がそっくり県庁の業務から、むしろ他県のほうに移っていくことになります。  ただ、私どものほうでも、重要なところはてこ入れもしていきますので、県内の体制も、課長級と、あと、それ以外とそれぞれ1人ずつ増やした形で増強をしながら、庁内に知事会の連携本部をこのたび創設をさせていただきました。こうしたところで、言わば支えていただきながら、円滑に知事会の業務をこなして、二足のわらじを履いてまいりたいというふうに考えております。 ◯議長(内田博長君)亀井副知事 ◯副知事(亀井一賀君)全国知事会の関係の前に、ワクチンと人権の関係をちょっと一言だけ述べさせていただきたいと思いますけれども、総務部長をしておりました関係で、人権につきましては、しっかりと認識をした上で、やはり今問題になっております、伊藤議員もおっしゃいましたワクチンを打ちたくても打てない、あるいは打たない、そういったことはきっちりと尊重していかなければいけない。これから経済を回していこうということが一層強くなりますと、さらにそういったところの打っている打っていない、そういったところが顕在化してくる。そういったことも出てこようかと思いますので、副知事といたしましても、しっかりとその辺は意識をして、県内で差別的な事象でありますとか、そういったことが起きないように、しっかりと広報、PR、あるいは意識啓発を心がけてまいりたい。そういったことをやっていくようにきっちりと指導していきたいというふうに思います。  次に、伊藤議員のほうからは、秘めたる思いという言い方でおっしゃったわけでありますけれども、前回、藤井議員の代表質問のときにもお答えしましたように、知事が全国知事会の業務というのが新たに付加はされるのですけれども、先ほど知事もおっしゃいましたように、こういったところにつきましては、県庁の中でも連携、調整の本部、そういったものをつくりまして、しっかりとそれを支えていくということであります。  御質問で、御心配いただいております県政課題についてのアプローチ、そういったところについてのフォローということでありますけれども、そこにつきましても、先般も代表質問でお答えしましたように、亀井個人としてしっかりと支えていく、知事と役割を分担して支えていくというところはそうなのでありますけれども、意識をしたいのは、個人の力というよりは、県庁の力、県庁のチーム力でしっかりと支えていきたいというところであります。  その点で、1点だけお話ししておきたいのが、2年前ぐらいに伊藤議員の一般質問で、県庁の人材育成につきまして御質問をされました。その際には、トップダウンと、それからボトムアップとうまくそれを結びつけて、特にボトムアップの際に、しっかりと打ち返すだけではなくて、自ら球をしっかりと出すような職員というのをつくっていかないといけないと。それから、あわせまして、30代、40代のところが少し以前に比べるとそういった力というのが落ちてきているように見えるといった御質問がありまして、それに対しまして、やはり人材育成をしっかりしていかなければいけない、そういった答弁をさせていただいたときであります。ちょうど行財政改革局長のときでありましたので、その2年前のときから、そういったところを心がけながら、やはり県庁の仕事の仕方、それから、人の育成を注意してきたというのがこの2年でありました。副知事になりまして、知事を支えるに当たりましては、やはり県庁全体でそういった人を育てながら、個人の力というのもあるのですけれども、組織として、チームとしてしっかりと底上げをしながら県政を支えていく。そういったことがそれぞれの個人の力のパワーアップにもなりますし、県庁全体の力の底上げにもなりますので、そういったことをうまくかませながら、平井知事を支えていく。そういった形に持っていきたいというふうに考えております。御指導いただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 ◯議長(内田博長君)30番伊藤議員 ◯30番(伊藤保君)それぞれ答弁をいただきました。特に亀井副知事は、やはり行財政改革局長をしておられただけあって、職員の育成についても熱い思いがあるようでありますので、期待したいと思いますし、知事も本当に大変だと思います。誰かがやらなければならない仕事でありますし、知事の感性を大いに発揮して頑張っていただきたいと思っております。留守中は、先ほど元気よく答えられた亀井副知事が控えていますから、安心して頑張っていただきたいなと思っております。  続いて、地方分権改革の推進について、2点ほどお尋ねしたいと思います。  国と地方の協議の場が平成23年4月に法制化されてから10年たちました。特定の分野別に調査、検討を行うことができる分科会が設置されたのは平成23年度に4回開催された社会保障・税一体改革分科会のみとなっておりますので、今後はぜひ分科会を積極的に活用していただきたいなというふうに思っております。例えば地方分権改革の実効性を高めるため、これまでの成果、課題を総括し、今後の地方分権改革の方向性を協議する分科会を設置されてはどうかと思いますけれども、知事の所見をお伺いしたいと思います。  もう1点は、平成26年度以降、提案募集方式による見直しが行われておりますが、そもそも地方自治体との調整が十分に行われないまま、地域の実情に合わない基準や地方に過度な負担を求める計画が次々と誕生していることが私は問題だというふうに思っております。一度決定された基準や事務を見直すには、多大な時間と労力を要しますので、事後的な対応でなく、国の政策形成段階に地方が参加する仕組みを私は充実していく必要があるというふうに思いますけれども、知事の所見をお伺いしたいと思います。 ◯議長(内田博長君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)伊藤議員から重ねてお尋ねがございました。  国、地方の協議の場につきましては、民主党政権ができた後、平成21年に、国、地方協議の場の設置の勧告がなされ、平成23年に法制化がなされました。これにつきましては、当時、橋下大阪府知事なども結構騒いでいたのかなとちょっと記憶していますけれども、我々知事会側では、やはり国と地方とのいろんな政策協議ということをやらなければいけないのではないか。例えば地財のこともそうでありますし、地域づくりのことも当然でありますし、そうしたことで要求をしていたのですが、国のほうでも認められまして、それまで六団体は一定程度の協議の権能が与えられていましたけれども、こういう定例的な形での国、地方協議が明確化されたということになったのは、当時画期的だったと思います。  ただ、分科会につきましては、今、社会保障と税の関係で開かれた時期があるぐらいで、基本的には開かれていないです。それから、議員のほうでお話がありました計画なども、その政策づくりの段階で入って、国と地方の間で調整が図られてしかるべきであります。ですから、我々、知事会のほうで提案を申し上げておりますのは、例えば国会のほうで、委員会などの場を活用して、やはりそうした地方団体の意見と調整するような、そういう機関が必要ではないかという提案をさせていただいたり、それから、国、地方の協議の場でも分科会をもっと多用して、こういうものが活用できないか、こういうような提言もさせていただいているところでございます。  現在、新型コロナにつきましては、大臣級での折衝の場を持たせていただいておりまして、私も度々、今日は田村厚労大臣とやりますが、西村大臣や河野大臣と折衝をさせていただけるようになりました。以前と違って、こういうような場が設けられるようになってきたのは、事実上、国、地方協議の場の分科会のような形が生まれてきているのかなというふうに思っております。  コロナのみならず、例えば教育問題でもこういう場がつくられたり、それから、環境大臣も参画をしながら、環境についての議論がなされるような場に地方のほうから参画をさせていただく。今だんだんとそのように動いてきているところであります。できれば、こうしたことをもっと意識的に制度化し、中核の意思決定のやり方として、国としても取り組んでいただけるように、知事会としても求めてまいりたいと思います。 ◯議長(内田博長君)30番伊藤議員 ◯30番(伊藤保君)大分時間が経過しました。どんどん進みたいと思います。  地方交付税の確保についてですけれども、リーマンショックから、地方の再生を目的に、当時、歳出特別枠がつくられまして、本当に地方財源に大きな役割を私は果たしたと思っております。このコロナ禍にあって、コロナ対策やコロナ対策後の地域再生対策には、やはり地方が自由に使えるコロナ特別歳出枠を地方交付税の中に私は設けていただくことが必要でないかというふうに思います。  知事には、全国知事会の会長としてもぜひとも国に働きかけをお願いしたいと思いますけれども、知事の所見をお伺いしたいと思います。 ◯議長(内田博長君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)議員のほうからお話がございましたように、かつてリーマンショック後、民主党政権の頃、地方歳出特別枠というものを設けていただきました。こういうことで、一定の交付税の措置ができたと思います。ただ、当時の状況としては、一括交付金の問題が片方でありまして、4兆円ぐらい公共投資を削って、それで、1兆円ぐらい一括交付金ができる。そこでかなりの財源不足が生じたものが交付税のほうにしわ寄せが行っていまして、なかなか我々現場としては痛しかゆしの状況もあったところであります。ただ、その歳出特別枠も今なくなってしまっておりまして、これに代わるものが必要だということで、私ども、11道県で要求をした結果、地域再生の4,200億円の枠ができたと。これが今交付税を少し戻した格好になっているというところです。  コロナにつきましては、現在、地方創生の臨時交付金で260億円、それから、包括支援交付金で200億円、それぞれ国からの交付決定を私ども鳥取県のほうでは受けているところです。これがやはり使い道としては、コロナに充てたり、あるいは事業者支援に充てたりということで、活用できているところでありまして、私ども地方側としては、この形をぜひ当面は大事にしてもらうのかなと思います。ただ、いずれ、このコロナが常態化してきて、尾身先生も2~3年かかると言っていますから、そうしたときに交付金が仮になくなるということになるのであれば、やはり交付税などでの積み増し、枠の設定ということが必要になるのではないか。こういうように地方財政対策としても、知事会や地方六団体で今後の運動を展開していく必要があると認識をいたしております。 ◯議長(内田博長君)30番伊藤議員 ◯30番(伊藤保君)交付金がこれはいつまで続くか分かりませんけれども、やはり終わった後、本当にこのコロナの中から地域が再生する、そういう意味の中で、地域、地方の事情はいろいろ違うと思うのですよね。やはりそういう意味で、自由に使える、そういう交付金というものを特別枠でつくっていただいたほうが、私は本当にいいと思いますし、やはりそういうことをぜひ知事会としても共有していただきたいということだけをお願いしておきたいと思います。  次に、過疎地域の持続的発展の支援に関する特別措置法について、2点ほどお伺いします。  鳥取県過疎地域持続的発展方針を策定するのに伴い、県はパブリックコメントを募集されましたが、寄せられた意見には、まさに地域の思いが込められたものばかりでありました。以前は、小さい自治体でも役場があり、農協があり、郵便局があり、商工会があり、地域の若者の就労の受皿となり、地域を支えてきた部分がありましたが、無駄の削減、合理化の推進の中で、廃止や統廃合が進み、若い人の就労の場が少なくなることにより、地域の過疎化が急激に進行したと思っております。また、過疎化に拍車をかけた要因の一つとして、各自治体の住宅政策、競争のように住宅団地が次々とつくられる中、より生活が便利な都市部に若い人が生活の拠点を求めることにより、中山間地域から若者が流出し、過疎化が速いスピードで進んだと私は思っております。  今こそ過疎地域を持続可能なものにするためには、まずは、就労の場の確保であろうと思っております。過疎地域に進出する企業には当然いろいろなリスクがある中、進出していただくわけですから、一定の期間は法人税や法人住民税、法人事業税をゼロに近い優遇措置をしながらでも、過疎地域に就労の場を確保することができないものかと思いますけれども、知事の所見をお伺いしたいと思います。  また、地域の農地を守り、自然環境を守り、専業農家だけに頼ることなく、兼業農家を育成、支援することによって、持続的な地域の生活環境保全が可能であり、改めて兼業農家の育成、支援策を具体的に検討すべきでないかと思いますけれども、知事の所見をお伺いいたします。  もう1点、新たに新過疎法の指定を受けたところは、先ほど言いましたように、増えました。過疎法の指定を受けてよかった、よかった、国庫補助金のかさ上げはあるし、過疎債が使えるでは、過疎法の本来の目的ではないはずです。将来は、この過疎法の指定から外れる地域づくり、政策が求められているものと思っております。  新過疎法の指定を受けられた市町と県で、過疎法本来の意義と目的をやはり改めて共有すべきと思いますけれども、知事の所見をお伺いしたいと思います。 ◯議長(内田博長君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)伊藤議員から重ねて過疎対策につきましてお尋ねがございました。  新たな過疎法の目指すところ、この理念は、やはり市町村とも十分共有をしていかなければならないと思います。単にこれまでの後進性の打破のような地域間格差ということだけではなくて、持続的な発展のためにどういうふうに産業や地域おこしをやっていくのか。そういう中に新たな産業創造だとか、これは農林水産業も含めて、活力を持っていく。さらには、人を育成していく。こうしたことに取り組むことをぜひ共有をさせていただきたいと思います。  その上で、さらに2つほど、産業の関係と農業の関係につきましてお尋ねがございました。  産業振興として、新しい企業の立地、あるいは設備の敷設、こういうものが企業活動として雇用を抱える重要な契機になります。そこで、本県としても、産業成長応援事業の中で、こういう対策を取れるようにしてまいったところであります。最近も明治製作所さんだとか、テクノメタルさんなどを含めまして、県中部でもこれを活用して施設の増設等を、コロナにもかかわらず、進めていただいているところもございます。  税のお話がありましたが、恐らく法人税につきましては所得課税でありますので、都会と違いますので、結構赤字法人が多かったり、所得額がそんなに多くない。ですから、法人税をまけるよりも、こういう補助金のほうで補助率の上乗せなり、措置をしたほうが多分いいのではないかと思っています。そういう中でも、税金につきましては、6月県議会にも提案をさせていただきましたが、過疎地域や中山間地域における施設関係の不動産取得税とか、そういう対策も強化をさせていただいたり、国が若干撤退ぎみのところがありますが、本県のほうはそこらはさらに維持をしたり、発展をしようということにしております。  議員のほうの御指摘もございましたので、随時、税制上の特例も含めて、中山間地、過疎地域における産業振興の支援策、その強化、拡充を図ってまいりたいと思います。  農業につきましては、兼業農家を中心として、どういうように育成を図り、農地の保全を図っていくのかは重要なテーマであります。かつて人・農地プランということを始められまして、農村の在り方を変え、人材育成、担い手をつくっていこうというふうにシフトをしてきました。大きな流れは今も継承されていると思います。  そういう中で、最近でも、例えば立子地区におきまして、農事組合法人が設定をされまして、お米だとか、そういう作物を共同作業でやるようになってきていると。これは結局、兼業農家でも、みんなでまとまって、中核農家の下にしていく仕組みというものの一つの例でございますけれども、ここ数年でこういうものが県内各地でかなり育ってきているところであります。ぜひこういうようなことを通じまして、兼業農家も含めた地域の振興策、農業の応援につなげていければと思います。  実は今注目していますのは、政府が少し考え方を変えてきていることです。それは、さっきの人・農地プランのようなことがございましたが、その辺をこのたびの閣議決定等で、農業・農村等の基本計画を改めてきております。そこでは、半農半Xと言われるようなことも含めて支援策を考えようとしているということです。まだ予算も概括的なものでありまして、詳細は分からないのですが、半農半Xというのは要は兼業農家ですから、そういう兼業農家も重要視しながらやっていこうというふうに、少し政策をシフトしようと今しているところでございまして、この動きにぜひ注目をしていきたいと思いますし、こういう政府の新しい新年度に向けた予算編成を横目でにらみながら、県としての支援策も考えてまいりたいと思います。 ◯議長(内田博長君)30番伊藤議員 ◯30番(伊藤保君)新しい過疎法の中で、これまでと違った大胆な政策をそれぞれの自治体に私は期待をしていきたいというふうに思っております。  最後ですけれども、強度行動障害者への対応について、2点ほど質問をしたいと思います。  先ほど申し上げましたように、強度行動障害は、初めからあるのではなく、様々な要因によってつくられる二次障害であると言われております。障害の特性により、情報や刺激が偏ったり、分かりにくい独特な形で入ってくることによって、分からないの積み重ねになったり、伝えたいことを言葉ではない独特の表現や行動を通して伝えようとすることによる、伝わらないの積み重ねによって、強度行動障害が起こるそうであります。  起こってしまってから対処するのでは、本人もつらく、支援者もその対応に苦慮することになります。小さい頃から本人の特性を周囲が理解し、本人が安心して暮らすことができる環境や持っている能力を伸ばしていくことができる支援が大切だと言われておりますが、現状の課題、今後の対応について、知事の所見をお伺いしたいと思います。 もう1点は、今社会全体で取り組んでいるSDGsの理念である誰一人残さない社会の観点からすると、国のさらなる法整備、支援策も必要でありますが、県としても早急に施設整備を含め、できる支援策の在り方を検討していただきたいと思いますけれども、知事の所見をお伺いしたいと思います。 ◯議長(内田博長君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)議員のほうから、強度行動障害につきまして重ねてお尋ねがございました。  先ほどもちょっとメカニズムについてお話を申し上げましたが、やはり幼少期からずっとつながった上でのそうした一定の障害のパターンであろうかと考えられています。そういう意味で、リラックスできる環境づくり、それから、個々を大切にした処遇などが重要であります。  そういう意味で、それをできる人材育成ですね。例えば放課後デイサービス、こういうところで受け入れるに当たりまして、強度行動障害のお子様に対しては、やはり特殊な技量というものが必要でありまして、ここのところは県のほうでも、そういう人材育成の基礎研修や、あるいは実践研修ということを進めてまいりまして、一定の数の方々、百数十名とか、80名とか、そういうのが養成されてきており、中核に入られるようになってきております。さらには、議員のほうでおっしゃいましたけれども、一人も取り残さないということでいえば、さらなる施設系の改善だとか、それから、また、在宅も含めた処遇改善等に結びつける施策展開が求められると思います。  せっかく御質問もありましたので、また実態のほうをよく調査をさせていただきまして、新年度に向けて、こうした強度行動障害対策、その発展が図れるように、現場の声を聞いて、先ほどもちょっと申し上げましたが、例えば夜間の問題とか、いろいろとまだてこ入れの必要なところもあると思っていますので、そういう施策を改善することによりまして、そうした施設の増設などもしやすいように、人材面も含めまして、手当てをしてまいりたいと思います。  ちなみに、国のほうでは、最近、鳥取県の要望も入れたことだと思いますが、報酬の改善を強度行動障害につきまして一部行っていただきました。ただ、まだ十分であるとは思いません。今後も現場の声も伺いながら、政府のほうにもそうした報酬の改善や、あるいは施設整備に向けた支援の充実を求めてまいりたいと思います。 ◯議長(内田博長君)30番伊藤議員 ◯30番(伊藤保君)御答弁いただきました。  県の福祉の担当者の皆さん方も大変だと思いますけれども、やはり障害を抱えた家族の皆さん、そういう家族の皆さんと同じ目線に職員の皆さんも置き換えて、私は悩みを共有しながら、その対応策を探していただきたいなというふうに思っております。県のある機関の方にもお話を伺いましたけれども、県に相談したけれども、市町の仕事ということで突き返された、冷たかったということであります。やはりできない理由ではなくして、できる模索を私は検討していただきたい。民間の施設や厚生事業団などがありますけれども、やはり人材も持っておられます。ぜひとも、こうした民間の皆さんのノウハウ等も使いながら、施設整備ができるものなら、そこを整備してでも、どんな支援ができるのか、考えていただきたい。  中部のある町村も5年前から県に話をされてきた問題であります。それがずっと無回答のまま、今の状況であります。県民の皆さんからすると、県も市もありません。私は難しいことはよく分かりませんけれども、やはり福祉は寄り添う心、これが大切だと思います。SDGsのある、県民誰一人も取り残さない、そんな社会をつくるためにも、ぜひとも知事には御理解と、引き続いての御支援をお願い申し上げたいと思います。  午前中は以上で終わります。 ◯議長(内田博長君)暫時休憩いたします。  午後の本会議は、1時20分より再開いたします。        午後0時18分休憩    ────────────────        午後1時20分再開 ◯副議長(広谷直樹君)再開いたします。  引き続き代表質問を行っていただきます。  30番伊藤議員
    ◯30番(伊藤保君)(登壇)午前に引き続き、午後の質問に入りたいと思います。  本来は、掘り下げた議論を予定しておりましたけれども、前回の代表質問と同様に、突然、県民の皆さんの生活に直結した大変重要なコロナ関連と災害復旧関連の先議案件が本日の日程に組み込まれ、常任委員会、本会議がこの後開催されるため、時間に制約がある中での議論になりますので、簡潔な答弁でありながら、充実した議論になりますようお願いを申し上げたいと思います。  午後は、農業振興の課題を中心としながら、その他の県政課題について議論をさせていただきたいと思います。  初めに、この前も代表質問でありましたけれども、なかなか納得できないため、改めて質問をいたします。1千億円達成プランについてお伺いします。  2018年3月、10年後の鳥取県農業生産額1,000億円達成というプランが発表されました。そして、当面の目標として、7年後の2025年には900億円として示されましたが、新型コロナ感染症の影響を考慮して、昨年の10月に900億円、1,000億円の目標年次がそれぞれ2年先送りされました。  計画が発表された2018年直近の農業生産額は、2016年764億円。2014年を底に農業生産額はV字回復を始めた時期に当たり、大きな夢と目標を持つことは大切だと思いますが、目標が設定された経過と目標の根拠について、知事にお伺いいたします。  また、この目標を達成する可能性はどの程度あるのか、お伺いいたします。  第12回全国和牛能力共進会鹿児島大会についてお伺いいたします。  新型コロナウイルス感染症拡大の動向で開催が心配される中でありますが、現在の予定では来年の10月に鹿児島県で開催される予定であり、大会まであと1年余りとなりました。このたびの和牛全共は、まさに畜産大国の鹿児島で開催されるわけですが、鳥取県にとっても鳥取和牛の未来がかかった大会であると思っております。  鹿児島全共では、出品牛が整理統合されたこともあり、これまでの花の7区と言われた総合評価群が6区に変更され、特別区を含めて9区で出品条件に合わせて和牛の日本一を競います。県内でも既に候補牛等の選定も終わり、これからの1年は最後の追い込みに入ってくるものと思いますが、鹿児島全共ではどの出品区に力を置かれ、どのような目標で大会に臨まれようとされているのか、知事にお伺いいたします。  和牛のブランド化についてお伺いいたします。  さきの宮城全共において、花の7区の肉牛群において1位となり、名実ともに肉質日本一の座を獲得し、鳥取県の畜産業界に大きな日が当たりました。全共の大会結果を踏まえ、今日まで肉質日本一という大きな看板を掲げ、鳥取和牛を売り込みしてまいりましたが、県が考えてきた鳥取和牛とは何か、鳥取和牛をブランド化できたのか、知事の所見をお伺いいたします。  次に、堆肥センター、堆肥処理施設の整備についてお伺いします。  酪農や和牛飼育が盛んな中部地区にあって、一番の悩みは堆肥処理施設である堆肥センターの老朽化と狭隘化です。鳥取和牛の雌の子牛が高価格で取引が続く中、繁殖農家の元気はよく、県の増頭支援対策などもあり、新規参入される方が年々増え、全体的に飼育頭数も増加の一途にあります。また、近年、酪農家も経営が大型化し、飼育頭数も大きく増えております。  堆肥センターはJAが運営している施設でありますが、建設から40年以上たち、老朽化が激しく、さきの台風で屋根の一部が飛び、堆肥を運搬してきたダンプの音でさびた屋根の部材の一部が落ちるなど、危険極まりない状況で、現地を視察した私も怖くて施設の中に入れませんでした。また、受け入れできるふんも飽和状態にあります。知事にもぜひとも堆肥センターの施設を視察していただきたいと思います。  県も畜産振興を重点施策の一つとして各種取組が進められておりますが、堆肥の受入れ体制を整備しない限り、増頭対策は大変厳しい環境にあります。県内の畜産振興の観点と、環境対策の観点からも、ふん尿の処理が大きなネックとなっており、これまでも鳥取県の畜産業の発展を考える会、畜産議連としても老朽化した堆肥処理施設の整備における支援を要望してきておりますが、その後の対応について、知事の所見をお伺いいたします。  次に、被覆肥料と環境対策についてお伺いいたします。  プラスチックごみによる海洋汚染は、近年、世界的な問題となっております。特に5ミリ以下のマイクロプラスチックは、回収が困難と言われ、海に流れ出た場合には海洋生物が誤って食べてしまうなど、生態系への影響が懸念されております。  被覆肥料とは、直径2ミリから4ミリほどの肥料ですが、表面をプラスチック類で加工された肥料で、肥料成分が一度に溶け出すのではなく、長期にわたり適切にコントロールされた状況で成分が溶け出し、効果が持続する肥料で、1970年代に商品化され、今では様々な作物でごく普通に使われております。これまであらゆる農産物では、元肥、追肥等と数回に分けて施肥されておりましたが、被覆肥料の登場により、農家の経営の効率化、省力化に貢献をしてまいりました。ところが、海洋汚染が社会問題になる中、この魔法の肥料が今注目をされております。  被覆肥料は、肥料のコーティングにプラスチック類を用いて加工されているため、肥料の溶け殻が地中にとどまらず、その一部が河川や海洋に流出するということで、海洋汚染につながるということであります。  農業県である鳥取県として、この被覆肥料の問題認識と環境への取組について、知事にお伺いいたします。  次に、ため池の防災対策についてお伺いいたします。  近年、ため池上流で荒廃が進む山林や異常気象に伴う豪雨などで、想定外の雨量の流れ込み等に伴う越水や堤の崩壊等により、下流で甚大な被害が想定されることから、ため池の防災マニュアルの作成等、防災対策を平成17年の議会を皮切りに、私は何度か県議会で議論してまいりました。県では、こうした議論を踏まえ、他県よりいち早くため池の防災対策に取り組んでいただき、再三にわたる詳細な調査の結果、県内には古くは江戸時代に造られたものや明治、大正に造られたため池が985か所あることが分かり、現在、防災重点農業用ため池として315か所が指定され、年次的に整備が進められております。  そうした中、7月7日からの豪雨により、本県でも北栄町でため池が決壊し、下流の農業施設等に大きな被害が発生しましたが、そのほかにも、ため池の被害がどの程度あったのか。また、このたびのため池決壊を受け、今後の防災対策についての所見を知事に伺いたいと思います。  平成30年7月に発生した西日本豪雨では、全国的にため池決壊による甚大な被害が相次いだことにより、令和2年10月に防災重点農業用ため池に係る防災工事等の推進に関する特別措置法が施行され、10年間、国の財政支援がされることになりました。この特措法を追い風に、ため池の廃止対策を含め、地域の皆さんに安心されるため池の防災対策を改めて進めていくべきと思いますが、知事の所見をお伺いいたします。  農業振興の最後に、農作業中の事故防止についてお伺いいたします。  私はこれまで何度となく議会で農作業中の事故の実態数を取り上げ、防災対策の取組を提言、その後、関係機関が連携しながら、総力を挙げて事故防止対策に取り組んでいただいておりますが、昨今、また痛ましい農作業中の事故が増えているように思います。  平成28年度以降の実態と、その対応についてお伺いいたします。  痛ましい農作業中の死亡事故は、一般交通事故の約7倍、建設業の約3倍にも上ると言われております。農作業にはトラクターや運搬車等、作業用機械は不可欠で、その操作機械の種別も作物によって様々であります。県では、新規就農者の受入れや育成に多くの支援や時間をかけておりますが、働き盛りの農業者を失うことは、それぞれの家庭にとっても、地域にとっても、農業振興の観点からも大きな損失であります。  俺だけは大丈夫の認識を、俺も気をつけないと、他人事ではないに改める、事故防止ゼロ運動を再度強化すべきと思いますが、知事の所見をお伺いいたします。  続いて、県立美術館のアクセス道路についてお伺いいたします。  令和7年春の開館を目指し、倉吉未来中心に隣接する倉吉市営ラグビー場、大御堂廃寺跡に建設が決まった県立美術館。既にPFI事業者の選定も終わり、着々と準備が進められております。あわせて、地元でも官民56団体が参加し、県立美術館と共に歩む中部地区の集い協議会が平成29年12月に設立され、幅広い分野で応援をしていただいております。また、美術館に行きやすい道路網の整備として、山陰道の東側のルートとして、国道179号へのインターチェンジ、羽合バイパス工事の整備が進められております。一方で、山陰道の西側ルートとして北条湯原道路から国道313号を経由し、市内を通る美術館に行くルートがアクセスルートとして検討されております。また、南ルートも市内で西側ルートと合流する案になっております。  本当にこのルートで市内が混雑なく美術館に行けるのかと心配をいたしますが、知事の所見をお伺いいたします。  次に、交通反則金の支払い方法の拡大についてお伺いいたします。  大半のドライバーの皆さんは、長い運転歴の中で何らかの交通違反に問われ、交通反則金を納められた経験があることと思います。私も今はゴールドでありますが、過去に交通反則金を納めた苦い経験もあります。中でも、交通反則金は、日本銀行の窓口でしか納付することができない仕組みから、一般的には銀行の窓口でしか納付することができません。しかも、土日、祝日や夜間の納付ができないことから、ドライバーの皆さんや金融機関にとっても必要以上に負担を要する現状であります。ところが、近年、国庫納付金の電子化が進められており、新型コロナウイルス感染症の蔓延防止の観点からも、各種手続で非対面化が求められる中、道路交通法施行令の改正が6月28日に実施され、都道府県警察の警察本部長が公示等の手続をして定めた口座に反則金を納付することができるようになり、同日から秋田県と島根県でいち早く施行開始されました。つまり、銀行に出かけなくても反則金を近くのATM、またはインターネットバンキングから振込ができるというもので、とても合理性があります。  鳥取県でもコロナ感染症が拡大する中、早期に導入を検討されるべきと思いますが、県警本部長の所見をお伺いいたします。  続いて、歩行者の安全な横断の確保についてお伺いいたします。  毎年県内でも道路を横断中に交通事故に巻き込まれるという悲惨な事故が発生しておりますが、このほど、警察庁は、信号機のない場所での横断について、手を挙げるなどして運転者に横断の意思を明確に伝えるという歩行者としての心得を交通マナーとして明確にされました。歩行者の安全確保が最優先課題として、近年、横断歩道での歩行者の安全確保の観点から、歩行者妨害の取締りが強化されているものの、道路横断中の事故が減らないことから、これまでの車が近づいているときは通り過ぎるまで待つから、手を挙げるなどして運転者に横断の意思を明確に伝えるという歩行者の意識ルールに変更されたものでありますが、県警本部長に所見をお伺いいたします。  次に、授業時数の学校裁量制についてお伺いいたします。  これまで文部科学省は、小中学校においては、学習指導要領が定める教科ごとの標準授業時数の確保を強く求めてきましたが、6月28日開催された中央教育審議会の部会において、学年ごとに定められた各教科等の授業時数について、最大1割を減らし、別の教科に上乗せできるという弾力的な学校の裁量が来年度から認められることになりました。  小中学校の授業時数は、学年と教科ごとに国が設定し、小学校の総授業時数は年850から1,015こま、中学校では年1,015こまとなっており、1こまは、小学校で45分、中学校で50分とされているため、裁量の拡大といっても、学習指導要領で定められた学習内容は削減しないことや、年間の総授業時数は確保することが義務づけられています。ただし、年間35こま以下の道徳や美術などの教科は、削減の対象外とされております。削減された授業時数は、他の教科に上乗せすることができるほか、現代的な諸課題に対応する教育として、主権者教育や郷土、地域教育などに充てることができるとされております。  県教育委員会として、この学校裁量制の拡大の受け止めと今後の取組について、足羽教育長にお伺いいたします。  最後に、倉吉農業高等学校の酪農研修についてお伺いいたします。  県立倉吉農業高等学校は、今年で開校136年の歴史を誇り、多くの農業の担い手や地域を支える人材を輩出してまいりました。中でも酪農に強い興味と関心があり、将来、就農または酪農関係の仕事を希望する生徒を対象とし、酪農の本場、北海道の酪農家で生活をしながら実習し、酪農の知識、技術を学び、心身を鍛えることを目的に、夏休み中に21日間にわたる酪農実習が隔年で行われております。残念ながら、今年はコロナ感染症の拡大の中で中止されております。この酪農研修を60年以上にわたり700人以上の生徒を受け入れしていただいているのは、北海道阿寒郡鶴居村で、酪農家を育てることに理解があり、村を挙げて取り組んでいただき、村役場が窓口となり、村内の酪農家で受入れをしていただいております。  そうした中、平成30年には、鶴居村議会の全員の皆さんが倉吉農業高校を訪問されるなど、今も深い交流が続いております。鶴居村を挙げて酪農を志す高校生の受入れをしていただいていることについて、教育長の所見をお伺いいたします。 ◯副議長(広谷直樹君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)伊藤議員の代表質問にお答えを申し上げます。  私のほうには、農業関係について何点かお尋ねがございました。  まず、農業生産1千億円プランにつきまして、その目標が設定された経過や根拠、また、この目標を達成する可能性いかんというお話がございました。  これにつきましては、もちろん農業の計画でございまして、一定の積み上げもございますが、一つあらかじめ申し上げなければならないのは、これからちょっとお話し申し上げるような経過がございまして、どちらかというと夢のある目標をつくろうという、そういう経緯がございました。それによって影響されているところがありまして、通常の計画にプラスアルファの部分が乗っかっていることは、ぜひ御理解をいただきたいと思います。  議員も多分御存じのような流れだとは思うのですが、平成30年1月に、食のみやこ・やらいや農林水産業プロジェクトチームというものを開催します。これは、実態は農業者の皆様の集まりでございまして、そこに私ども、現場の農林部も入りまして、そこで農業生産に向けてのプランを立てようということになりました。もともと予定をしておりましたのは、900億円というものをベースにして考えていこうというものでありました。議員がおっしゃいますように、平成26年では653億円でありましたところが、これが底になりまして、そこからV字回復をしてきた、そういう言わば沸き立ったような状況がございました。農業団体のほうも、ぜひ上を目指していこうと。と申しますのは、もともと平成7年頃ですと、我が県は1,000億円を超える農業生産高でございました。やはりその時代をもう一度回復することで、若い方々にも夢を持ってもらえるのではないだろうか。  900億円というプランに向けては、大体畜産関係で100億円ぐらい乗せる。それから、果樹、園芸系で30億円ぐらい乗せることで、ほぼ900億円に向かっていくことができます。これは、畜産クラスター事業であるとか、それから、果樹におきましてもジョイント整枝や様々なことをやり、また、スイカの部分が大きいのですけれども、スイカについては、ハウスを活用するなどしまして、端境期をつくらない、単価を維持していこうということでありました。果たせるかな、一定のところはこの計画を追っかけてきているところでありまして、スイカについては、2年連続で単価を更新しまして、240円を超える単価になり、30億円台も3年連続ということになっています。それから、また、牛につきましては、特に和子牛の世界では、かつてない隆盛を誇っているわけでありますが、ここに残念ながらコロナが振りかかってきたわけですね。牛の値段は比較的、本県は全国と比べて頑張っているのですけれども、全国が落ちていますので、そういう意味で、期待されていたような生産高につながっているかどうかというと、ちょっと難しくなってきたところがあると。それに加えまして、外食産業を今絞り込んでいますから、その分で米の値段、特に新年度に向けましても、やはり今買取り価格、概算払いが減ってくると。これはうちの県だけではなく、全国的にJAグループはそうであります。こういうことが現に起きてきていますので、目算が狂ったところは確かにございます。  そういうようなことから、このたび、3年間、目標年次を組み替えることにいたしまして、それで900億円については、令和7年度を目標にする。また、1,000億円については、12年度を目標にするということであります。900億円から1,000億円の考え方は、正直詰めたものは、その平成30年当時からないところではありますけれども、そういうトレンドで追っかけていけば、1,000億円というかつての平成7年頃の状況というものは、もう一度つくり上げられるのではないかというような思いが農業者の間に強かったということであります。現実に、その会議の中で、例えば栗原、JA鳥取中央の組合長さんがおっしゃっておられたのは、若い方々が夢を抱くような、そういう目標でなければならないということをおっしゃっておられて、当時、JA中央会の会長だった谷口さんもやはりこれでみんながまとまって何としてもやろうという、そういう意識づけになるのではないかと。こういうような背景がありまして、1,000億円のプランということになったところであります。  これにつきましては、取りあえず、3年次、目標年度を変えて、現実性のあるものにしたところだと思っておりますが、さらに、この目標をどうするかということについては、今後また食のみやこ・やらいや農林水産業プロジェクトチームのJAグループはじめ、農業者の皆さんとよく協議をしてまいりたいと思います。冷静な数字も片方でありますが、もう片方で、県を挙げて農業生産、こういうふうに夢を持ってやっていこうという部分もございますので、その辺をどういうふうに調整して考えていくのか、これから関係者に投げてまいりたいと思います。  次に、和牛の生産につきまして何点かお尋ねがございました。  鹿児島全共では、どの出品区に力を入れ、どういう目標で臨むのか。さらには、鳥取和牛とはどういうものか、ブランド化はできたのかというお話でございます。  御案内のように、本県は今、和牛は大きな転換を迎えて、和牛王国の復活に向けまして力強く動き始めている、大分軌道に乗り始めたというところではないかと思います。そのきっかけをつくりましたのは、宮城全共でございまして、花の7区において、肉牛の部で首席を取り、それから、種牛の部では5位でございますが、総合で2位になったということ、特に肉質のところが1位でありますので、これが非常にその後の和牛生産に光明をもたらしたところがあります。  それ以外にも、例えば9区におきまして、東伯畜産さんと谷口さんが出されたと思いますけれども、こちらのほうでも東伯畜産さんのほうにおきましては、特別賞、優良枝肉賞を取られておられます。やはりその肉の質が大分いいということだというふうに思います。百合白清の2を活用してやったわけでありますが、こういうことが複合的に全国の市場関係者や農業関係者に私どもの鳥取和牛の力というものを見せつけたのではないかと思います。  その鳥取和牛でありますが、元はいろいろと呼ばれていたものがあって、因伯牛と言ってみたり、ございましたけれども、そういうものを一つトータルに鳥取和牛としてまとめて、ブランド化していこうというのは、平成に入りまして、一つの運動としてできてきたところであります。この宮城全共の関係でどうなったかでありますが、恐らくブランド化と議員がおっしゃるのには2通りあると思います。一つは、和子牛生産におけるブランド化、もう一つは、肉牛、肥育農家が絡むブランド化、その両方が多分あるのだろうと思います。  和子牛生産のほうのブランド化につきましては、間違いなく今、全国のトップクラスと認知されるようになったと思います。ただ、マーケットに近いところの肉牛のほうでは、評価は高まってきていると思いますけれども、まだ十分でないところがあると。例えばニューオータニでフェアをやるとか、有名なフランス料理屋でそうした鳥取和牛を出す、こういうことは定着をしてきつつありますし、海外にもある程度の量が出ています。例えば東伯牛というブランドのものを鳥取和牛のうちの東伯牛として、ある程度生産力があるということで海外へ持っていったり、そうしたことでつながってきたり、それから、鳥取いなば万葉牛は、はなふささんなどが取り扱うものでありますが、これもやはり高級店を中心として定常的に送られるようになってきています。残念ながら本県の場合はロットの問題、それから定時性といいますか、いつもある程度の量が市場に出せるというところがまだできかねていると。これはやはり和牛生産の生産力の問題が多分あるのだと思います。ブランド化に向けましては、例えば料理雑誌であるとか、有名なレストランなどへの売り込みだとか、そういうところで浸透はし始めているとは思うのですけれども、では、町なかで鳥取和牛というのがどこでも聞かれるようなそういう状態かというと、残念ながらそこには至っていないと。ですから、ブランド化も和子牛の世界のブランド化はできたと思いますが、肉牛の世界のブランド化はまだ発展途上であるということだと思います。  そういう意味で、鹿児島全共に向けて次なる作戦を考えていくということだと思います。特に旧の第7区から振り替えられました第6区、この総合評価群につきまして一つのポイントがあると思いますし、その次の第7区と言われるものが脂肪の質を争う、そういう肉牛の部になるわけであります。これらにつきまして私どもとしてはぜひ首席を狙っていこうと、可能な限り上の順位を狙っていこうというところが一番の目標でありますし、そのほかのところでも優良な成績を収めていく今準備をしているということであります。特に第6区、第7区というのが市場関係者に与える影響というのは大きい。前回、宮城全共でいいましたら、第7区の肉牛の部のインパクトが非常に大きかったですし、それから第9区でも優良枝肉賞というものが出ている。こういうことで鳥取和牛は大したものだというのが市場関係者で広がったと思われます。したがいまして、今そこに向けての準備を急いでいるところであります。  鹿児島全共の第6区のほうは、もととなるのは元花江を使おうということであります。しかし、元花江には若干のウイークポイントがあって、それはあまり大きくならないというところです。片方で白鵬85の3や百合白清のようなある程度大型になってくるというものはありましたけれども、そこで掛け合わせを考えるわけですね。元花江に種畜の部、種牛の部のほうでいえば、70頭余り今選抜をしてきまして、その中からまた考えていこうというところまでやってきました。また、肉牛のほうにつきましても、ある程度体格が大きくなる白鵬85の3とか百合白清2だとか、それと肉の質に関わるようなところの母体を掛け合わせまして、こういうようなことを入れながら元花江を使っていくと、元花江を掛け合わせていくと。こういうことでウイークポイントを補うようなそういうやり方をしていこうと今動いているところでありまして、そうした生産農家さんのほうと今大体調整は整ってきているということです。それから、第7区のほうにつきましては、白鵬85の3がまだ使えるということで、それにゲノム育種価などの技術を入れまして、雌牛を掛け合わせていくということであります。  こういうもので今後選抜をさらに進めていって出品牛や出品牛群というのを決めていくことになります。その際に、脂肪の質に関わるようなデータを科学的に取っていくとか、そうしたことなどをこれから鳥取県独自の技術も生かして進めていくことを考えていますし、また、特に種牛の部などでは、姿勢の問題とかいろいろ言われますので、例えば調教とか、それから様々なそうした飼養技術、こういうものを鹿児島から言わばチューターを呼んできまして、人材育成を図ってきたところでございます。ぜひ鹿児島全共で、また鳥取和牛ここにありというふうに言われるようなそうした動きにしていければと思います。  次に、堆肥センターにつきましてお尋ねがございました。  視察をしろということでありますが、これはまたいずれ機会を見て視察をしてまいりたいと思いますが、実は中部とそれから東西部とは若干やり方が違います。JAいなばさんだとかJA西部さんのところは割と畜産農家のほうで関わって自分で堆肥処理のほうに向かっていくというのが一般的であります。ただ、中部につきましては、倉吉で1つ、それから北栄で1つ、それから旧JAとうはくの関係がありまして、琴浦町では7つ、こうした堆肥センターというものが設けられています。特にそのうちで大成の堆肥センター、それから東伯中央の堆肥センター、これらは40年ぐらいになってきておりまして老朽化も進み、今どうしようかという話合いが行われています。  議員も御案内のように、いろんな議論がございまして、なかなか一進一退というところでありましたが、この9月9日になりまして、JAとそれから耕種農家さんの系列、それから畜産の関係者、例えばあの辺でいえば米久東伯さんみたいなところがあったり、西日本ジェイエイ畜産さんだとかいろんな方々がいらっしゃいます。そういう大どころも含めた方々、それに市町村だとか県の行政というところ、この辺が一堂に会して話合いを持ったところであります。それで今後の方向性としては、これについてやはり何らかの対策を取っていこうというところで今足並みがそろいつつございまして、今後、では、どういうような経営母体でやっていくのかとか、それから堆肥の処理についての費用の問題だとか、それから例えば琴浦であったらばブロッコリー生産などに向けていこうという動きがあるのですが、そういうところの耕種農家との関係性づくり、この辺につきまして今後よく詰めていこうということに今なりつつあるところでございます。  いずれにいたしましても、ちょっとまだ議論の途中でございまして、今後、県としてもよくフォローをさせていただき、必要な支援というものを考えてまいりたいと思います。当然ながら国のほうの制度活用も考えられますので、そちらのほうへのアプローチも仲立をしてまいりたいと思います。  次に、被覆肥料につきましてお尋ねがございました。  これにつきましては、元肥、それから追肥、さらには穂肥という、そうした何回かに分けて施肥をしていくものを一発で肥料をあげられると。有効なリンの供給量からしますと年間そうやっていろいろやるものの8~9割ぐらい1回で終わるようなことができるのが被覆肥料のいいところでありまして、こういうカプセルのような中から、それが漏れ出すようにして肥料成分というものが土中へと供給されていくということになるわけであります。しかし、残念ながらプラスチックを使っていますので、プラスチックがこれは生化学的に分解されないものでありますから、結局それが水に乗っかって流れてしまうということになりますと、これは環境汚染の原因になってくるということにもなるわけであります。これにつきましては、令和元年にG20の会議が大阪で開催をされました。それで海洋プラスチックごみについてのアクションプランというものを進めていこうということになり、この被覆肥料につきましても対象になってくるということになりました。  したがいまして、今後、こういうものに対してどういうふうに考えていくのか。一つには少なくともちょっと流れないようにするために水をあまり入れ過ぎないようなそういう田んぼの管理というものをやっていったり、それから側条施肥と言われますが、株に近いところにそこで施肥をしていって肥料の量を減らしたりというようなことをやったり、いろいろと農業生産の上の技術の工夫ということが一つはあるだろうと考えております。現にそのような指導もしているところです。あと、あわせて、肥料のほうもだんだんと技術革新が進んでくるだろうと。今そうした意味で、実験的なことをしているところでございまして、そういう新しい肥料のやり方、技術開発によってこういう環境に影響を与えないようなそういう肥料についても我々としても検討させていただきたいと思っております。  これにつきましても、JAグループと問題意識を持ってやっていまして、例えばビニールハウスの廃材のことだとか、そうしたことも含めて農業用廃プラスチック等適正処理推進協議会というものをつくりまして、今具体的な啓発活動だとか対応の検討をさせていただいているところであります。  次に、ため池につきましてお話がございました。本県のため池被害はどの程度であったのかということと、それから特別措置法もできましたけれども、防災対策をしっかり進めていくべきではないかということでございます。  これにつきましては、大きな被害がありましたのは北栄町の双子ため池でございまして、上と下と2つの池があります。上のほうは堤体が破壊されまして、それがまた下のほうに土砂流入で入っていく。下のほうは土砂流入での被害があって、ここに入った勢いで水がばんと流れたということで、下流域に対して被害を生じてしまったと。これが圧倒的に大きな被害であります。このほかにも例えば琴浦町の柳、松谷のところでありますけれども、あそこでもやはり土砂が流入したというような被害がございましたし、湯梨浜のほうでもそうした被害がございました。このような土砂流入の被害の形態があるのと、それ以外に堤体の一部破損だとかそういうことが南部町を中心に見られている。全体で7か所あったというふうに総括をしております。それぞれに今、復旧方法、原形復旧が基本ということにどうしてもなりますが、そうした方向で今進めているところでございます。  ため池の問題につきましては、平成26年に伊藤議員のほうから議場でも問題提起があり、その後、平成30年に代表質問で改めて議論を提起していただきました。そうした経緯もありまして、令和に入ったあたりだと思いますが、防災重点ため池というものをもう一度点検し直しましてあぶり出しをし、今順次その対策を取ってきたというところでございました。そこに議員が御指摘ございましたが、特別措置法が平成30年の7月豪雨に基づいて実施をされることになったものですから、これをさらに援用させていただきまして、対策の強化、加速化を図ってまいりたいと思います。現在防災工事等推進計画を今年の3月に策定をし、81か所をあぶり出してきているところでございますし、またソフト面も含めたサポートセンターを設置してそうしたため池の安全管理の支援に当たらせていただいております。これにつきましては、一つ一つ地道にやっていかなければいけないことでありますが、やはり安全・安心のためでございますし、今回のように双子ため池で大きな被害が出たという事実もございますので、しっかりと県としても対策を取ってまいりたいと思います。  次に、農業用機械での事故についてお話がございました。  これにつきましても、平成25年に伊藤議員のほうから議論を提起されまして、安全対策、今日はまたそれを改めて強化をしようということでありますが、安全対策について、その後、例えばリーダー研修会であるだとかいろいろと実施をさせてきていただいているところであります。  こういう事故は大体5件から15件、平均すると10件程度毎年ございまして、特に今年度は残念ながら死亡事故が6件起きているということであります。またついこの間は、隣の島根県でコンバインが転落するという事故があってお亡くなりになったというニュースが、ちょうど10日ぐらい前に流れていました。全国各地で実はこういうような事故があるところであります。前回この議場で議論をさせていただいたときに、例えば安全のためのフレームを整備すべきではないかというようなお話もあったと記憶いたしておりますが、ああいうものにつきましては今、標準装備的になってきまして、大体8割ぐらいですかね、4割ぐらいが安全フレーム、また安全キャビンが4割ぐらい、そうやって入るようになってきているところでございます。それから残念ながらシートベルトをしていないというのがやはり死亡事故の原因になっているところでありまして、こうしたことなど議員がおっしゃるように、まず事故ゼロ運動ということをしっかりとやっていかなければいけないということだと思います。  これにつきましては、農作業安全・農機具盗難防止協議会というのをJAグループと協力して設置をしておりまして、市町村ごとに農作業の安全推進員というのを置いていただくようになってきたところでございますが、ぜひ今回また今年は死亡事故6件ということもございますので、さらにこうした啓発活動を強化をしてまいりたいと思います。  最後に、県立美術館へのアクセス道路につきましてお尋ねがございました。  これにつきましては、東部のほうから入ってくるものとか西側のほうから入ってくるものなどによって美術館へのアクセスのやり方、ルートは変わってまいります。アクセス道路につきましては、地元の倉吉市が中心となられまして、県立美術館と共に歩む中部地区の集いというのができて、その中にこういう交通関係の部会も設置をされておられまして、平成31年からこの検討を進めていただいているところでございます。  これにつきましては、東側のほうとか羽合のほうから入ってくるときは国道179号があります。ここからその後、言わば右折をするような形で美術館のほうに入ってくるというようなことでありますが、これにつきましては、最初にターンを切っていくところについては県のほうで交差点改良をやる必要があるだろうと。これは上灘中央公園の入り口の交差点であります。さらにその後、今度は市道のほう、市のほうの管轄ということでありますが、そちらのほうでも北東側の進入の交差点改良ということを今進めていただいているところでありまして、市のほうは今年度から事業着手をしていただき、それから179号から入ってくる最初のポイントのところですね、こちらにつきましては、県のほうで新年度から事業化を進めていこうと考えております。  あともう一つ今度は西側のほう、倉吉の市街地のほうから入ってくるところについても、これもちょうど言わば三差路のような形になった部分があります。もともとは山陰道から313号、北条湯原道路のほうに入ってきて、そこから来るという大きなルートがありますけれども、それとあと市街地から入ってくるものと合わせて住吉町の交差点のところがちょうどこの三差路的になっていまして、ちょっとややこしいところであります。あそこについては交差点の考え方を変える必要があるのかなと。こういうふうに倉吉福本線と木地山倉吉線とがぶつかるこの三差路の部分があると。基本的には今まで倉吉福本線のルートに沿って信号なり交差点がセットされていたのですが、恐らく交通量が若干変わって、未来中心や美術館のほうに行くほうがメイン交通になるのではないか。そうすると今まで右折をしていたような人がむしろ直進をするような形にして、それで従来直進のつもりだった人を左折のような形にして、それであの交差点の滞留を減らすということがあるのではないだろうか。こういうような観点で今検討した結果、昨年度から事業着手をしているところであります。いずれにしましても、令和7年度の開館目指してスムーズな道路交通が確保できるように関係方面ともよく協議をして進めてまいりたいと思います。 ◯副議長(広谷直樹君)足羽教育長 ◯教育委員会教育長(足羽英樹君)伊藤議員から私のほうには2点にわたりましてお尋ねをいただきました。  まず1点目は、授業時間数の学校裁量制ということでございました。  これは今年度から国のほうが授業時間数特例校制度という形で設け、要項を発出したところでございます。おっしゃったように、現代的な課題に対応していく主権者教育ですとか環境教育、あるいは人権、そういった資質を育成するために、学校独自に授業時間数を差配できるそういう制度でございます。  例えば国語とか音楽、美術、こういう時間を増やして郷土の芸能といったことについて学習を深めるといったようなことが可能であり、そういう意味では地域における学校の独自性や主体性をしっかり発揮していくことのできるそんな効果を持つ制度ではないかというふうに思います。  一方で、今全校でコミュニティ・スクール制度を推進していますが、どんな子供たちを地域で育てていくのかというのを学校が核となって広げていくことが必要であり、そうした意味で説明がきちんとできるということが大切な点ではないかと思います。そうした学校のニーズや地域の情勢は各市町村、あるいは中山間地等で違います。市町村教育委員会でどのように考えられるのか、必要な情報を県教育委員会としてはしっかり提供して協力を進めてまいりたいと思います。  2点目でございます。2点目は倉吉農業高校で昭和31年度からずっと続いております北海道阿寒郡の鶴居村での酪農実習についてのお尋ねでございました。  これは先ほどの和牛全共の話もありましたが、本県で酪農後継者育成というふうなことを狙いとして、長きにわたって後継者育成学校である倉吉農業高校で脈々と継続してこられた貴重な体験であると思っております。もちろんその一方で、鶴居村の方々は70年近くにわたって700人もの生徒を受け入れ、親子2代、3代で受け入れていらっしゃる、そんな御家庭もいらっしゃいます。そういう意味では、鶴居村の方々の心あってこうした成果につながるものではないかと思います。参加した生徒たち30数名が本県の酪農家として、後継者として活躍をしていただいておりますし、中には卒業後、酪農に参加した生徒が北海道旅行をする際には、必ず鶴居村を訪ねるといったような生徒さんもいらっしゃいます。そういう意味で、単に3年間の1回研修に行ったというだけではなく、脈々と遠く北海道とこの鳥取とをつなぐ、そんな酪農の地図ができつつある、そんな貴重な機会だろうというふうには思っております。  冒頭申しましたが、農業後継者育成という観点からも、倉吉農業高校さんが継続してこられたこの事業については、今後もしっかり支援をしてまいりたいと思っております。 ◯副議長(広谷直樹君)服部警察本部長 ◯警察本部長(服部準君)伊藤議員から私のほうにはまず交通反則金の支払い方法の拡大についてお尋ねがありました。  交通反則金については、現在、違反者が金融機関において現金で納付することとされております。このたび警察庁において、交通反則金納付方法の多様化について検討がなされました結果、道路交通法施行令が改正され、現金納付に加えATMやインターネットバンキングからの振込による納付もできるようにすることが可能とされたものであります。現在、全国の中で島根県と秋田県の2県警察において試行されているところでございます。今後、警察庁においてこの試行状況を検証し、実務的課題を解決の上、導入する都道府県警察の拡大を検討していくことになるものと承知しております。県警察といたしましても、警察庁や他の都道府県警察と連携をよく図りながら、こうした検証、検討を注視してまいりたいと考えております。  次に、手挙げ横断についてお尋ねがございました。  議員御指摘のとおり、本年4月に交通の方法に関する教則が一部改正されまして、歩行者の心得として手挙げ横断というものが盛り込まれたところであります。県警察では、園児や小学生等を対象とした交通安全教室におきまして、基本的な交通ルールの遵守に加え、横断の仕方などについて指導しているところでございますけれども、このたびの教則の一部改正については、年齢等にかかわらず、歩行者の心得として規定されたところでございますので、交通安全講習や広報啓発活動などを通じまして、幅広く周知を図っていくことが必要であると考えております。  他方、そもそも道路交通法におきまして、横断歩道等における歩行者等の優先といたしまして、車両が横断歩道等に接近する場合の義務と横断歩行者等がいる場合の一時停止を規定しているところでございます。県警察では、横断歩道は歩行者優先ということについて、各事業所の安全運転管理者等を対象とした講習や職域における交通安全講習などを通じまして啓発を図っているところでございます。また、パトカー等による街頭活動のほか、横断歩行者妨害の交通違反に対する交通指導取締りも強化しているところでございます。  いずれにいたしましても、道路を横断中の歩行者と自動車が衝突をするような交通事故の発生、こういったものは重大な結果につながりかねないものでございますから、県警察といたしましては、引き続き交通事故の抑止に資する総合的な対策を講じてまいりたいと考えております。 ◯副議長(広谷直樹君)30番伊藤議員
    ◯30番(伊藤保君)それぞれ答弁いただきました。1千億円達成プランについて追及をしたいと思います。  確かに夢を大きく持つ、それはいいことでしょう。それが農協の皆さんが一つの目標としてつくられたということでしょうけれども、私としてはどうしても理解できない。現在、県が最重点項目の一つとして取り組んでいる新規参入者農家、年間50人から60人程度であります。昨年発表された農林業センサスの農業経営体のうち個人経営体、要するに農業者ですけれども、農業従事者は平成27年の前回の調査に比べ6,182人、つまり年間1,000人以上の農業従事者が減っている現状があります。一部品目では私も見まして何とかクリアできるものもあるなと見ております。しかし、品目ごとの増産できる数値、社会増減等を勘案すれば、設定された目標はやはり机上の空論であって、実現し得る目標ではないと私はそういうふうに思っております。知事も精査するということでありますけれども、私としてはなぜその時点で農林水産部として目標の精査ができなかったのかというふうに今思っております。知事にそれについての所見もお伺いをしたいと思います。  次に、全国和牛能力共進会は鹿児島大会の結果が出れば本当に鳥取県はさらに和牛振興は進むと思っております。ただ、非常に鹿児島県は遠いのですよね。多分10日間に及ぶ畜産農家の皆さんも遠征だと思います。本当に牛も農家の皆さんもまさに疲労こんぱいの大会になるのではないかと思っておりますので、やはりそこは県も含めた関係者が総力戦で大会に臨まなければならないというふうに思っております。当日になって出品牛が体調を崩したとかいうことのないよう、ぜひとももう1年でありますので、しっかりと宮城全共のような支援体制をつくっていただきたいということをお願いしたいと思いますけれども、知事の決意をお願いしたいと思います。 ◯副議長(広谷直樹君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)伊藤議員から重ねてのお尋ねがございました。  1,000億円プランにつきましては、農林水産部長のほうからもお答えを申し上げたいと思いますが、議員がおっしゃったように、確かに担い手農業者、基幹的農業従事者は統計上減っていますけれども、片方で先ほど立子のお話がございましたが、例えば農業集落法人、営農集落法人だとかそうした形の経営体については、大体この間、2.2倍ぐらいに広がっております。それでその際、実はこうやってそういう集落で法人化していったときに、そのときの基幹的農業従事者はカウントからは落ちていくのですね。何が言いたいかといいますと、従来とやはり経営形態が変わってきていて、これは議場での御議論に基づいて我々も指導していろいろ支援措置を取ってきたのですが、確かにそうやって集落でみんなでまとまってやろうというように動いてきまして、それで生産力も上がってきたり、何とか田んぼを作らないところを増やさないようにしようというようなことにもなってきております。  ですから農業生産力の生産額ベースでいきますと、例えばスイカでいえば、平成27年度から今年度に至るところでは大体25億円だった売上げが31億円まで増えてきているわけですね。ですから単純に基幹的農業従事者だけでも生産力というのは決まる要素にはならなくて、ほかの生産形態だとか、それから収益性のある作物をどうやって誘導していくかとか、それから和牛のほうとか乳牛のほうでいえば、例えば6万頭の生乳生産が実現したように、クラスター事業など、そうはいっても一つの法人経営体で飼養する頭数というものをやはりできる限り増やしてやってみようというところに持っていくことで、あまりもうからない農業からもうかる農業へと転換しようとしてきたところであります。  その辺が確かに膨らむ要素としては入り込んでいて、夢が過ぎるということかもしれませんけれども、ただ、夢が夢であって、それがさらに実現していけば、それはいいことでもありますし、共通にJAグループも含めて向かっていこうということになれば、それはそれで後世、あのときに農業の改革がうまくいったということになるかもしれません。よく現場サイドとすり合わせをして精査をさせていただきたいと思います。  また、和牛につきましては、議員がおっしゃるように、前回の宮城全共の前の長崎全共ですかね、いろいろと私も非常に悲痛な面持ちの伊藤議員と当時話し合ったことを記憶をいたしておりますが、どうしても長距離の移動になりますと牛のストレスもかかりますし、もちろん中には母体もございますので、予期せぬことが起こってしまったりするわけであります。したがいまして、フォローアップ体制はぜひ取っていかなければならないと思いますし、それに向けて、例えば一遍移動することを試しに鹿児島との間でやってみるとか、それから現場でそうしたトラブルに耐え得るような獣医師の確保を今回さらに増強していくとか、工夫をしてまいりたいと思います。せっかく皆さんが長年の苦労の上に挑戦する大舞台でありますので、それがふさわしい形で挑戦の土俵が整うように、私ども県としても全面的に協力をしてまいりたいと思います。 ◯副議長(広谷直樹君)西尾農林水産部長 ◯農林水産部長(西尾博之君)鳥取県農業生産1千億円達成プランの目標設定の妥当性につきまして補足の答弁をさせていただきます。  議場でもありましたように、このたび平成30年に立ち上げましたこのプラン、中間の進捗の把握等を今現在行っているところでございます。さきの代表質問でも知事のほうからありましたように、例えば単価の推移でありますとか生産量の推移、あるいは栽培面積の推移等々、おおむね生産を示す指標は順調に推移しているというふうに見ているところでございます。ただ、議員からも指摘のありました例えば新規就農者の年間の数でありますとか、担い手の皆さんへの農地の集積率といった生産構造を示す指標につきましては、思うように進捗していない部分があるのも事実でございます。その辺、1,000億円、900億円という大きな指標はもちろんなのですけれども、施策の方向性、それぞれに細かな目標設定をしておりますので、進捗等をJAグループの皆さんと共有した上で今後の方針を定めてまいりたいというふうに思います。 ◯副議長(広谷直樹君)30番伊藤議員 ◯30番(伊藤保君)900億円プランとか1,000億円プラン、達成できないとは私は言い切れません。というのは、畜産などで企業型の大きな肥育団地、または繁殖団地、繁殖経営ができれば畜産などはクリアする可能性はあります。確かに採卵系統化、採卵の企業とかそういうものが進出すればすぐ10億円単位、20億円単位の金額が上がりますので、生産額は上がると思っています。ただ、今スイカを25億円から31億円、6億円上げた。この努力は大変な努力なのです。この31億円から上げられるかといったら極めて厳しい。梨でもそうであります。本当に梨でも下がることは容易に想定されますけれども、1億円上げるというのは本当に大変な話なのです。私はその辺を極めて心配しているということであります。夢は夢としていいのですよ。正夢でもいいですよ。しかし、その辺はしっかりとやはり検討しながら計画を、夢のある計画を、本当に夢としての計画をつくっていただきたいなということをお願いしておきたいと思います。  次に、鳥取和牛のブランドについて質問いたします。  確かに知事が言われるように、繁殖牛のほうはブランド化してまいりました、和子牛は。白鵬のおかげです。しかし、鳥取和牛の肉は本当に肉質日本一と言われておりますが、鳥取和牛がブランド化になったかというと、肌感覚として私はなかなか思えない。確かにオレイン55の売出しとか牛肉の激戦区である東京での販売とかいろいろ努力されているのは認めますが、なかなか認知度を伴うブランドにならない現状ではないかと思いますけれども、その原因について知事の所見をお伺いしたいと思います。 ◯副議長(広谷直樹君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)重ねてのお尋ねがございました。  農業生産の計画につきましては、今議員がおっしゃった視点もしっかりと踏まえながら、関係者とよく協議をして精査をしてまいりたいと思います。  和牛につきましては、議員の御心配ももっともなところがございまして、やはりどうしても市場の認知度としては特に一般の消費者にはあまり広がっていないところがあろうかと思います。ただ、そういう中でも例えばテロワール・カワバタという東京千代田区のお店の川端シェフなども言っていますが、やはり味がしっかりしているし、それから脂の質がいいというようなことでございまして、同じようなことは私もお会いしましたけれども、シェ・イノという、これも日本橋の名店でありますが、そこの古賀シェフのほうも、やはり脂身の質のことだとか、それから味わい深いこと、それから柔らかさとか舌触りなども含めていいと。この辺はやはり農家が頑張っているということはシェフの皆さん、高級料理を作るような料理人の一流の方々は分かるようでございます。  ですから、これからもこうした産地のほうもコロナが明けたら見に来てもらって、ブランド力の強化に資すればというふうに考えておりますし、私自身も古賀シェフとは「danchu」という雑誌の紙上対談、料理人の「専門料理」という雑誌だったかもしれませが、そういうところでの議論などもさせていただいたことがあります。またニューオータニとかエスキスという、そういう有名レストラン、こうしたところでも定番的に扱っていただけるようになってきておりまして、これが在日の外国人のほうのメディアにのって、行ってみなければならない日本の中の行き先トップテンとして鳥取が第1位に選ばれたということもございました。その重要な要素はやはり和牛でございました。  そういう意味で、一定程度はできてきているところでありますが、ただ、これに持っていくためには、先ほど畜産団地のお話もありましたが、生産力を上げていくことであるとか、それから東京に出していく量のロットですね、これはやはりある程度確保できるようになれば大きなメディアものってくる市場の中で存在感は出てくるのだと思います。そういう意味で、このたびの鹿児島全共で一定の成績を上げるということは、ステップアップの大きな要素になってくるのではないかと考えております。これからも関係者ともよく協議をさせていただきながら、ブランドの設定の在り方とか売り込みの仕方など、工夫に工夫を重ねて鳥取和牛の肉牛としてのブランド化の確立を進めてまいりたいと思います。 ◯副議長(広谷直樹君)30番伊藤議員 ◯30番(伊藤保君)東京での販売というのは、私も本当に期待しておりました。それで議場の中で知事から聞く話は、どこどこのホテルで、どこどこのお店で、非常に鳥取和牛が高級な和牛として使われているというふうなことばかり聞くのですよね。ところが東京での枝肉価格の資料を頂きました。市場価格に比べて、平均価格に比べて鳥取県和牛はキロ300円高い。100グラムで30円ですよ。中には市場価格を下回る月もあります。輸送等を考えれば本当に採算が取れるのか私自身は疑問に思います。  鳥取和牛が一つのブランドとして認知され、全国の有名なブランド牛の仲間入りするためには、やはり鳥取和牛としての定義、今定義がありますか、ないでしょう。定義を明確にすることが私は大事ではないかと思います。例えば私ども鳥取県は新規参入者ですからね、競争の激しい中に鳥取和牛を売り込むということは、肉質の等級だけでなくして大胆に牛脂肪交雑基準、BMSとか、これがナンバー5だとか、6でもいいですけれども、6なら大変ですけれども、認定するとかいうことで、鳥取和牛の信頼度をやはり上げていく。そのことによって、品質の良い肉が流れることによってバイヤーの皆さんにとっても本当に安心と信頼の中で買っていただけると思うのですよ。そうした信頼と安心感がやはりブランド化していくものというふうに思っております。オレイン55にしても、オレイン55と言って全国で売出しをされましたよね。しかし量がなくて長続きしなかった。最近はもうトーンダウンの感じがいたします。  ブランドの原則は、定時、定量、定質、これをやはりどうやって取り組むのか。基本的な組立てをしながら本当においしい鳥取和牛をバイヤーの皆さんに買っていただく、このことをやはり早急に検討すべきだと思いますけれども、知事の所見をお伺いしたいと思います。 ◯副議長(広谷直樹君)平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)和牛のブランドにつきまして重ねてお尋ねがございました。  和牛のブランド、鳥取和牛というブランド管理は、鳥取の牛肉販売協議会のほうでされています。これはJAだとかが中心となっている組織でありまして、平成2年にそうしたブランド化をしようと。いろんな呼び方がありましたが、鳥取和牛の統一ブランドとして始めたところです。当時は2等級以上というかなりグレードの低いところも含めてみんな何でもかんでも鳥取和牛ということでありましたが、これを今では3等級以上というところに改めてブランド管理をされているというところです。  しかし、今例えば佐賀牛だとか神戸牛など、もっと精緻なブランドの定義というものを置いて、さらに高級志向のお客様にとりまして安心感を持ってもらおうというふうに動いてきました。例えて言えば、五輝星みたいなブランド戦略ですね。それをやることは多分可能になりつつあると思います。と申しますのも、白鵬85の3や百合白清2のおかげで上物率と言われます4等級以上が本県の牛は9割を超えてきているという状況でありまして、4等級に上げてもいいわけですね。そうなると佐賀牛だとか神戸牛などと全然引けを取らないものだと認知されやすくなるのかもしれません。これはブランド管理をしているそういうJAグループさんなどとよく協議をしてみたいと思いますし、和牛振興の我々条例に基づくブランド化も含めたそういう検討組織をつくらせていただきました。こういうところでも議論をしていきたいと思います。  ただ、今当面は1年後に迫りました鹿児島全共、ここでの仕上がりと全国的な評価を見た上で、それで例えばブランドを、では、組み替えていこうかというのを鹿児島全共の総括と併せてやっていくということが一番円滑に、例えば販売戦略もありますので、進むのかなというふうに考えております。  いずれにいたしましても、一定程度、定時性を持ってある程度の量をお届けできるような生産体制のことだとか、それからこうしたブランドとしての一つの看板の価値ですね、それを例えば脂肪交雑だとか、あるいは飼養方法なども松阪牛などは入れていますけれども、そういうものも含めてもう一度議論をする時期は全共後にあってもいいのではないかなというふうに考えております。 ◯副議長(広谷直樹君)30番伊藤議員 ◯30番(伊藤保君)競争の激しい和牛業界、鳥取県の鳥取和牛などは参入が非常に遅いわけですから、数字で安心していただける、そういう売り方というのですかね、やはりそういうことがこれから求められてくるのではないかなというふうに思いますので、鹿児島全共はすばらしい結果でよい数字を出して売れるようになればいいのですけれども、本当に検討していただきたいなと思っております。  時間もありませんので次々いきたいと思います。堆肥センターですけれども、質問はやめます。私も現地に行って老朽化には驚きました。今年の大雪でよく潰れなかったというふうに思いました。何らかの事故が起きたら、もし施設が使えないようになったら、堆肥センターが本当に使えないという状況になったら畜産農家の皆さんは堆肥の持っていき場がない、本当にそういう状況です。早く今後の在り方についてやはり検討していただきたい。畜産振興と切っても切れないのはやはり環境対策でありますので、牛ふんの耕作地への活用だけではなくして、バイオマスとか再エネ活用等の在り方も含めて早期に検討していただくことをお願いしておきたいと思います。これは要望にとどめておきます。  被覆肥料と環境対策について言います。この被覆肥料の溶け殻は紫外線などで分解され完全な分解までに数年はかかると言われております。ある試験研究機関の発表によると、一般的に流出する量は1%前後と言われておりますが、県下で年間に使用される量からすると私は半端ではない量になると思っております。業界でも、先ほどありましたけれども、代替の開発が進められていると聞きますが、大切なのは溶け殻を河川に流出させないということであります。私も被覆肥料、一発肥料と言っておりますが、とても便利な肥料のため、長年稲作に使い続けております。海洋問題がクローズアップされてからは代かきもなるべく浅水で行い、落水には気を遣うようにしております。県としても星空舞やきぬむすめなど推奨米の拡大に力を入れておりますが、海洋汚染の防止の観点からも栽培指針に被覆肥料への対応も明記しながら、農家の皆さんの関心と理解を得られるようにすることが私は大切だと思いますけれども、知事の所見をお伺いしたいと思います。 ◯副議長(広谷直樹君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)議員のほうから被覆肥料のお尋ねがございました。  そういう意味で浅水の代かきであるとか、それから側条施肥は、側条施肥すれば2割ぐらい減肥できますし、浅水で代かきをすれば、議員もおっしゃいましたが落水を防止していくということにもなりますので、こうした管理方法をよくまたPRしていきたいと思います。  また、あわせまして、プラスチックで被覆していますが、これを硫黄で被覆する、そういう肥料の研究開発実証が進められていますし、これは注目すべきことだと思います。また、あわせまして、尿素を中心としたウレアホルム肥料によりましてじわじわと溶け出す、そうした肥料もやっておりまして、こういうことなど次の世代の肥料のやり方についても本県としても積極的に取り入れていきたいと思いますし、いろいろと実証段階でありますので、その活用について進めていければと思います。  例えば湖山池の良田の辺りでは、やはり湖山池の富栄養化が進みますので、そういう浅水の代かきだとか側条施肥だとかをやったりして、それで長者米というものを作ってブランド化してきておられたりします。やはりそうした意味でも、施肥の仕方についても関係者と一緒になりましてPRを図ってまいりたいと思います。 ◯副議長(広谷直樹君)30番伊藤議員 ◯30番(伊藤保君)私も今年からコシヒカリから星空舞に栽培を切り替えました。星空舞の栽培指導書、本当に細かくよく作られております。しかし、その中には全く被覆肥料の環境対策については書いてありません。本当はぜひともやはりそういうところでも少しでも書いて環境対策も考えましょうねという指導書にされたほうがいいのではないかなということだけ申し上げておきたいと思います。  ため池ですけれども、本当に県にも御努力をしていただいております。ただ、ため池というのはやはり険しい山中にあります。それで、豪雨のときにため池を見に行くというのは非常に危険が伴う、二次災害を招くこともあります。ため池の状況というのは大体、洪水吐けの状況を見れば大体想定されます。豪雨の中、危険が伴う現地に行かなくても遠隔でため池の情報が得られる遠隔操作カメラといいますかね、こういうものが補助事業でもあると思いますので、ぜひともこういう補助事業を活用しながら危険のない対応を検討していただきたいということでお願いしたいと思います。もう時間が大分来ましたので、次に進みます。  農作業中の事故防止について申し上げます。  何か私が一人これまで議会でいきり立っておりますけれども、私一人では事故は減るわけではありません。具体的に事故を減らすためには全容をしっかり把握できる体制の構築と分析、そして啓発、さらには農作業機械への安全対策です。  皆さん、これが分かりますか、何のマークか。分からないでしょう。これはいわゆるトラクターとか低速車、後ろにこの車は低速で走りますよというマークであります。道路交通法の規制の改正等で大きなトラクターなどは義務づけられております。こうしてやはり安全対策も十分するということが大切ではないかと思っています。特に大型トラックはロータリーなどに分かりやすいようにランプ類の設置も義務化されております。しかし、経費がかかるのですね。これは何もないのですけれども、これだけで3,000何ぼです。ですから取付け器具がついたものであったら5,000円からします。ですから本当に経費も伴うのですけれども、そうはいっても命に代えられませんので、ぜひともこういうものの取付け促進を県としても進めていただきたいと。そして命を守る取組をしていただきたいと思っています。  北海道ではJAの関係団体が法が改正されたときに5万枚を農家に配付されたそうであります。鳥取県でも相談しましたけれども、かなり難しいようであります。しかし、農家の皆さんはこれを買うといっても、特別で注文しないと、なかなか農協の工場には置いていないのですよね。ですから、なかなか農家の皆さんもまだまだ知らないし、つけることを知らない。理解もされていない。しかも普通のドライバーの皆さんも理解されていないのが現状でありますので、ぜひともこうした事故対策を県としても進めていただきたいなということをお願いしておきます。  それで、先ほど具体的な県の亡くなられた方、重症者、軽症者の数はなかったのですけれども、私は県警からも県警が把握されている農耕車の交通事故、作業に絡む事故について資料も頂きました。そして農林水産部の資料も併せて見ますと、農作業中の機械事故、トラクター、耕運機、運搬車、草刈り機等がありますけれども、平成28年から令和2年の5年間で13人の方が亡くなられ、43人の方が重軽傷であります。今年は既に6人ということです。毎年こうして多くの皆さんが命をなくされている。本当に驚く数字であります。  平成25年の11月定例会で農作業中の事故を議論したときに、農林水産部当局では、農作業安全推進員の情報だけで十分な把握はされておらず、知事は警察とも相談したり市町村やJAとも相談して今後の体制づくりを考えたいと答弁されていますけれども、どのようにされているのか。本当にきちんと情報を収集されているのか。中にはあまり表に出したがらない農家の皆さんもおられるのですよ。亡くなられたのはこの5年間で13人ですけれども、重軽傷の中の皆さんには農業ができないという大きなけがをされている方もたくさんおられます。確かに知事はビラを作成されたりJAだよりで啓発の記事が掲載されておりますけれども、本当にこれだけの対応でいいのか。私は県としてもっともっと情報を収集して事故の中身の分析をして、ならばどう対応するのか、事故の事例集を作りながらでもやる必要があると思うのですよね。私に言わせれば危機感がない。6人も今年亡くなっているのですよ。鳥取県警では非常事態宣言ですよ。なぜ鳥取県は出さないのですか。900億円、1,000億円、夢を語っていますよ。しかし、農家の皆さんは亡くなっているのですよ。何とかしなければならないでしょう。する気があるのかと思う。新しいことを企画し挑戦するのもいいでしょう。しかし、今生きている人、今頑張っている人、もっと真剣に対策を本気で検討し、私は県が行動を起こすべきだと思いますよ。農協の責任にしたらいけないと思いますよ。この原稿を作りながら私は本当に腹が立ってきました。もっと農家の皆さんの命を大切にしてほしい。知事の所見をお伺いします。 ◯副議長(広谷直樹君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)伊藤議員から重ねての農作業中の事故につきましてお尋ねがございました。  御指摘もございましたので、県警だとか、それからJAグループ、また農作業の安全推進員の皆さん等々を交えまして原因の分析をしながら、新年度に向けましてさらなる対策強化に向けて踏み出してまいりたいと思います。  まずは状況としては、やはり転落して落ちたという事故が多いようなのですね。その辺やはりまだ農家の皆さんにも危ないものだという認識が共有されていないのかもしれません。それからあと機械の使い方だとか簡単なことでシーベルトをつけていたかどうかで命に関わることになったりする。そういうようなことなども分かってきているところもございます。  いずれにいたしましても、事故原因の分析であるとか、それから関係者が協力してもらってやらなければいけませんし、特に操作に当たられる農家の皆さんに気軽に使われるのはいいのですけれども、危険性も伴うものだということについて注意深く扱っていただくこともまた重要だと思います。この辺は県庁だけ、行政だけの問題というよりは、農業者の皆様も主体的に考えてもらわなければいけないこともありますので、そのような例えば集落営農の皆さんと一緒に協議をしながら認識を深める等々の場づくりも必要かなというふうに思って聞いておりました。新年度に向けまして対策の強化を図ってまいりたいと思います。 ◯副議長(広谷直樹君)30番伊藤議員 ◯30番(伊藤保君)ぜひとも知事にはお願いしたいと思います。頑張っている現役の農家の皆さんの命をなくすということは本当に悲しいことでありますし、鳥取県の農業にとっても大きなマイナスでありますのでお願いをしたいと思います。  次に進みますけれども、歩行者の安全な横断歩道の確保ですけれども、先ほどありましたけれども、やはり目的は悲惨な交通事故を減らすということでありますので、歩行者もドライバーもちょっとした気遣いで事故は減らせるというふうに思いますので、ぜひとも県警本部長には引き続いて交通安全運動に力を入れていただきたいと思います。  次に、教育長にお伺いしますけれども、授業時数の学校裁量制については先ほど追及でしようとも思っておりましたけれども、答弁がありましたが、ぜひとも市町村教育委員会に任せながら取組を進めていただきたい。やはりそれぞれ地域の事情や特性がありますので。市町村の教育委員会と十分相談しながら、また思いを生かしていただいて取組を進めていただいたらと思っております。  最後に、倉吉農業高校の酪農研修でありますけれども、本当に長年、酪農研修として受入れをしていただいている鶴居村の皆さん、新型コロナ感染症で今子供たちも行くわけにはなりませんけれども、ぜひともコロナ感染症が収束した折には、やはり教育長が訪問して、向こうの議員の皆さんも全員が来ておられます。本当に何とか支えようという思いで鶴居村の議会を挙げて取り組んでいただいておりますので、これまでの受入れについての感謝の意を伝えるとともに、引き続いての受入れについて御理解いただくよう、やはり教育長が訪問しお願いされるべきだと思いますけれども、教育長に所見をお伺いしたいと思います。 ◯副議長(広谷直樹君)答弁を求めます。  足羽教育長 ◯教育委員会教育長(足羽英樹君)授業時間数のことについては、先ほど申しましたとおり、地域の特性、それをしっかり組み込んだ取組になるように、市町村教育委員会と連携を図りながら、またしっかり必要な情報提供に努めてまいりたいと思います。  倉吉農業高校の酪農実習のことについてもありました。倉吉農業高校の校長室には鶴居村から送られた大きなヒグマの剥製が置かれております。このことからも、鶴居村の皆さんと倉吉農業高校の長年のよき関係が忍ばれるものでございます。ぜひそうした後継者育成に御尽力いただいている鶴居村の皆さんに本当にこのコロナ禍が過ぎた後には、私もぜひこの感謝の意と今後もお願い等々含めて訪問ができたらというふうに思っております。どうもありがとうございます。 ◯副議長(広谷直樹君)30番伊藤議員 ◯30番(伊藤保君)本日はありがとうございました。以上で代表質問を終わりたいと思いますけれども、本日は思いを形にという思いで議論をさせていただきました。中でも県政の課題であるSDGs義務づけの課題を間接的ではありますけれども、議論させていただきました。  知事も知事会があり、ますます忙しくなられるというふうに思いますけれども、たまには息抜きをしながら歩みを進めていただいたらと思います。あまり走り過ぎますと、また骨折ということもありますので、ぜひとも気をつけていただきたいなと思っております。  ところで今日は8年ぶりの満月の中秋の名月であります。星取県、鳥取県でありますけれども、星ではなくて今日は中秋の名月、8年ぶりの満月ということでありますので、皆さんが月を見て穏やかな一日を送っていただきたいと思います。  以上で質問を終わりたいと思いますけれども、最後に知事に総括をお伺いして終わりたいと思います。 ◯副議長(広谷直樹君)平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)議員からはすばらしい環境の下でSDGsを進める鳥取の姿、こういうものも最後に提示をしていただきました。私は昨日、天上を見上げましてすばらしい月夜にびっくりしました。あんなに美しいお月さんを見たのも久しぶりでありまして、昨日は待宵でございます。宵待月と言いますけれども、前日の月ですね。「待宵に月見る處定めけり」と正岡子規が詠んでいるわけでありますが、その前日に翌日の中秋の名月、どこで月を見ようかというのを定めるという、そういう風情のある句でございます。私どももいろいろとこうやって議論をしながら本番、県民生活、あるいは地域振興、それがしっかりといい形で万全に整うように私たちはその宵待月を見て、それで翌日のことを未来のことを思う、そういうことかなと思って昨日は月を見上げておりました。今日も天気がいいはずでありますので、きっと伊藤議員の願いがかなうと思います。また皆さんでよい鳥取県政に進めていけるように力を尽くしてまいりたいと思いますし、私も微力を尽くしながら、骨を折らない程度に骨を折ってまいりたいと思います。 ◯副議長(広谷直樹君)これをもって、県政に対する代表質問を終了いたします。  暫時休憩いたします。  3時5分より再開いたします。        午後3時00分休憩    ────────────────        午後3時05分再開 ◯議長(内田博長君)再開いたします。  次に、議案第1号「令和3年度鳥取県一般会計補正予算(第6号)」及び第3号「令和3年度鳥取県県営林事業特別会計補正予算(第1号)」を一括して議題といたします。  それでは、質疑の通告がありますので、発言を許します。  6番市谷知子議員 ◯6番(市谷知子君)日本共産党の市谷知子です。  議案第1号、一般会計補正予算の事業について質疑します。  まず、新型コロナメディカルチェックセンター運営事業です。メディカルチェックセンターは既に設置され稼働していますが、設置に至った経緯、設置目的をお尋ねします。  そして、メディカルチェックセンターで医療チェックした結果、自宅療養になってしまった方がたくさんあります。鳥取県はこれまで原則コロナは入院だったのに話が違うではありませんか。自宅療養では急変したときに対応できなかったり、家庭内感染の危険性もあります。そこで、メディカルチェックセンターでの医療チェックの結果、自宅療養となる判断基準は何か、また結果として1日で一番多かった自宅療養者数をお尋ねします。  次に、鳥取方式在宅療養体制整備事業です。この事業はメディカルチェックセンターでの医療チェックの結果、自宅療養となった方の健康観察をする事業ですが、全国でも軽症だった自宅療養者が急変し、死亡する事例が後を絶ちません。そこで、今、自宅療養者への看護師、そして医師の関わりはどうなっていて今回この事業を通じてどのように改善しようとしているのかお尋ねします。  次に、コロナ禍事業継続緊急応援事業です。6月から9月の中の一月が昨年、一昨年の同時期より30%以上売上減少した事業者に対し、減収額に応じて最大個人事業者10万円、中小法人20万円を支援する事業です。そこでこの事業の対象となる業種について、外出自粛の影響を受けた業種となっていますが、例えば建築業でコロナの影響で契約や資材搬入が進まなくて収入減少になった場合も含まれるのかどうか、また、外出自粛の影響があったことを手続でどのように表現すればよいのかお尋ねします。  また、これまでは店舗を持たない事業者は県の支援がなかなか受けられませんでしたが、今回は店舗を持たない水産業者、農家など農林水産業者も対象になるのかお尋ねします。 ◯議長(内田博長君)答弁を求めます。  植木統轄監 ◯統轄監(植木芳美君)メディカルチェックセンター運営事業についてお答えいたします。  設置に至った経緯と目的、自宅療養となる判断基準、一番多かった日の自宅療養者についてのお尋ねがございました。  第五波ではデルタ株、アルファ株など変異株の感染拡大が起こりまして、感染者が急増いたしました。西部圏域におきましては、7月の中旬1週間に78人、また次、翌週64人と続きまして、保健所の業務、また医療の逼迫が始まりました。この時点での西部の確保病床に占める割合は63%を占めておりました。原則早期入院の調整が困難な状況となりまして、臨時応急的な対応としまして外来で早期に病状を評価し、入院が必要な方なのかどうなのか、そういった判断をしてもらうための外来を設置したということでございます。西部においては鳥取大学医学部附属病院の協力を得まして7月22日に、また全県的な体制とするために中部では7月29日から、また東部でも7月30日から設置運用を開始したものでございます。  このような感染急拡大時の医療提供体制につきましても、鳥取方式のプラスアルファとしまして中等症以上の方は必ず入院していただく体制を堅持しております。高齢者の方、また妊婦、基礎疾患のある方など、重症化リスクのある方も従来どおり原則早期入院、早期治療という体制でございます。また、若年の基礎疾患のない方、また軽症者につきましても、陽性の判明の翌日にはメディカルチェックセンターを受診していただきまして、中等症以上の方を確実に入院治療につなぐことを目的としてこのような体制を確保したというところでございます。  メディカルチェックセンターでは、医師の診察、血液検査、胸部のCTやレントゲンなど画像の検査を受けていただきまして、病状を評価していただきます。その結果を保健所のほうに報告をしていただきまして、医師が入院が必要だと診断された方は入院調整、また、その時点では入院が必要ないとされた場合には、御家族の感染状況でありますとか居住環境、また御本人、御家族の意向も踏まえまして保健所長が総合的に勘案し、宿泊療養、在宅療養と療養先を選定しております。在宅療養者の数が最も多かったのは8月13日金曜日、126名の方でございました。この日は療養者数が過去最多の320人となった日でございます。 ◯議長(内田博長君)中西福祉保健部長
    ◯福祉保健部長(中西眞治君)自宅療養者の看護師、医師の関わりはどうなっているか、また今回の事業を通じてどのように改善しようとしているのかというお問合せでございました。  まず、在宅療養における医師、看護師の関わりの関係でございますけれども、現状、本県におきましては、在宅療養者にはパルスオキシメーターを全戸配布いたしまして、県委託による訪問看護師または圏域の保健所の保健師が全療養者を対象にきめ細かく24時間健康サポートを行っており、病状の急変に至る兆候を見逃すことなく、中等症に至る前にメディカルチェックセンターや救急外来への受診並びに入院調整につなげることができているというふうに考えております。  健康サポートの具体的な内容でございますけれども、電話による1日2回から3回の健康観察やメンタルサポート、また24時間のオンコール対応ということでございます。具体的な健康観察の内容でございますけれども、体温、血中酸素濃度の確認、呼吸器症状、全身倦怠感、水分や食事の摂取量等の聞き取りなど、療養者の病状に応じてきめ細かく実施をしておりまして、こういったことによりまして水分や食事の摂取量が少ない等の症状がございましたら、血中酸素濃度の数値にかかわらず、早めにメディカルチェックセンター等への受診や入院調整を実施しているところでございます。このように本県では、安心して療養いただける医療体制を確保しておりまして、首都圏を中心に報じられているような死亡事例は1件もございません。  他方、7月中旬以降、在宅療養の需要が急速に高まったことから、在宅療養者により一層安心して療養いただけるよう、医師会や薬剤師会の協力を得まして、まずは協力医師や協力薬局による電話診療、薬剤処方の仕組みを整備したところでございます。今回の事業におきましては、今後も在宅療養が生じた場合に必要に応じて医師や訪問看護師による対面診療、対話ケアが可能となるようにするものでございまして、医師会や看護協会等との調整を踏まえ、療養体制のさらなる強化を図っていくものでございます。 ◯議長(内田博長君)池田商工労働部長 ◯商工労働部長(池田一彦君)コロナ禍事業継続緊急応援事業につきまして3点のお尋ねについてお答えいたします。  まず、コロナ禍売上減収額の対象業種の考え方でございますが、こちらは県内外の外出自粛に伴う行動抑制の影響を強く受けた飲食、宿泊・観光、交通、小売・対面サービスなどの事業者及びこれらの事業者と直接かつ継続的に取引がある事業者を対象としているところでございますが、お尋ねの建築事業者でございましても、ケース・バイ・ケースで行動抑制等の直接的な因果関係が認められれば支援対象となる場合もあると考えております。  これらの事業者の申請手続上での表現ということでございますが、申請書には外出自粛等の影響による減収要因を記載する欄を設けております。例えば建築事業者でございましたら、宣言地域など県外の主要取引先への出張施工が滞ったといったような具体的な状況、売上減少の理由を記載いただきまして、状況に応じてヒアリングするなどによって確認してまいりたいというふうに考えております。  また、取引事業者につきましては、取引先情報一覧表は提出していただきますし、いずれの事業者からも申請内容に偽りがなく、偽りがあった場合には返還することを記載いたしましたいわゆる宣誓・同意書といったものの提出を求めることとしております。  最後に、店舗を保有しない農林水産事業者等の生産者等につきましては、例えば飲食店や直売所に直接生産物を出荷している農業者や漁業者など、直接かつ継続的に取引がある事業者であったり、観光農園や遊漁船など直接顧客から料金を徴収しておられるような事業者につきましては対象とすることとしております。 ◯議長(内田博長君)6番市谷知子議員 ◯6番(市谷知子君)新型コロナメディカルチェックセンターですけれども、鳥取はコロナは原則入院だったわけですけれども、感染者が急増し医療逼迫しないように入院の必要があるかどうか判断するためにチェックセンターでチェックをすると。実際には軽症者が自宅になっている。ただ、先ほど言いましたように、軽症の方でも急変して悪くなる方、亡くなられている方もあるわけですから、本当にこれでよかったのだろうかというふうに思います。そしてその結果、1日で一番多かった自宅療養者数は8月13日126人にも上っています。  そこで、皆さん、資料を見てください。これは厚労省の調査を基に作成いたしました。鳥取県は7月頭、ゼロだった自宅療養者数が週を追うごとに3人、20人、38人、そしてこの厚労省の調査では最高時114人となり、一方で、すぐに使える病床の使用率は49.7%、宿泊施設の使用率は13.3%がピークでベッドや宿泊施設が半分以上空いているのに入院できていないということはゆゆしき事態だというふうに思います。今後のこのメディカルチェックセンターでの診断後の対応は、原則自宅ではなくて、入院や宿泊療養となるように対応されるのかお尋ねします。  また、メディカルチェックセンターは自宅療養者の症状が悪化した場合に、先ほども言われましたが診察するとも言われましたけれども、急変し自分で連絡できない患者さんはどうしたらいいのでしょうか。また、病状が悪化する中、自力でメディカルチェックセンターに行くのは無理です。また移動で感染を広げる危険性もあり、必ず送迎が必要です。送迎体制は検討したのかお尋ねします。  次に、鳥取方式在宅療養体制整備事業です。現在、自宅療養者への対応は、健康チェックはされると言われましたが、看護師も医師も電話対応で対面診察はしておらず、今後、対面診察に変えるとのことですが、今、宿泊療養でも医師が日常業務の合間をぬって、昼休憩や自分の病院の診察後にやっとオンラインで診察している状況で、宿泊療養者でも全員1日1回の対面診療ができていないのに在宅の方全員を訪問し毎日対面診察できるのでしょうか。そこで、自宅療養では、救える命も救えないということで、既に福井県をはじめ25の都道府県では、臨時医療施設を開設し、検討しています。新型インフル特措法第31条の2では、病院が不足するときには臨時医療施設を開設して医療提供することを知事に義務づけています。県はこの在宅療養体制整備事業の検討の際に、臨時医療施設の開設は検討したのか、検討結果はどうだったのかお尋ねします。  次に、コロナ禍事業継続緊急応援事業です。対象は店舗がない建築業、水産業者、農家なども幅広く対象になることもあり、外出自粛の影響を受けたことは業者が申請書に自分でその旨を書けばよいし同意書を書くとのことでした。  では、次に支援額についてです。水産業者の場合、月当たり120万円の減収になるとも聞きます。これまで県と相談しながら魚やカニなど県の水産物を関西に売り込んできただけに、緊急事態宣言、外出自粛の影響を大きく受ける結果となっています。関西に打って出ることを県が促進しながら、いざ災害級のコロナが起きたら自己責任、10万円、20万円の支援では漁が継続できないと怒りの声も聞きます。水産業者や農業者にも使えるこの事業は国から来たコロナ臨時交付金の事業者支援金15億円のうち7億円しか使われていません。もっと活用し減収規模に応じた支援額の引上げは検討したのか、検討結果はどうだったのか、またこの事業、市町村が行う事業の半分を県が支援しますが、支援単価の引上げは可能かお尋ねします。  また、申請期限はいつでしょうか。また、申請書類の簡素化や早期周知のためどう対応されるのかお尋ねします。 ◯議長(内田博長君)答弁を求めます。  植木統轄監 ◯統轄監(植木芳美君)メディカルチェックセンターの運用についての重ねての御質問にお答えします。  本県における第五波の感染者数も徐々に収まってきておりまして、現在、メディカルチェックセンターを介さずに従来の鳥取方式であります早期入院、早期治療を基本として対応することとしておりまして、メディカルチェックセンターの稼働は減ってきております。  鳥取方式におきましても、入院治療で経過を見ていただいた後に、重症化のおそれのない方につきましては、宿泊療養に移行していただくことはございます。また、在宅療養の方はできる限り減らしていきたいというふうに考えておりますけれども、東京のほうの感染状況でありますとか、居住環境なども踏まえた上で、今後も在宅療養となる事例は想定されるところでございます。  そういったときに在宅療養での体調が悪化した場合の患者の送迎体制についての検討状況はどうなのかという御質問がございましたけれども、先ほど中西部長のほうからもございましたように、健康サポートをきめ細かくしておるところでございます。悪化の予兆がありましたら、速やかに保健所と連絡を取り合いまして、入院調整、またメディカルチェックセンター等への受診調整を行うこととしておりまして、緊急の場合は救急外来への受診も調整しているところでございます。  また、体調が悪化された場合の受診、搬送方法に関しましてですけれども、御親族の方で移送、送迎が可能かといったこともございますが、保健所の移送車による移送を実施しておりますし、また状況に応じましては消防局との連携によりまして、救急車両での搬送体制も確立しているところでございます。 ◯議長(内田博長君)中西福祉保健部長 ◯福祉保健部長(中西眞治君)対面診療の関係、また臨時医療施設の検討状況につきまして答弁させていただきます。  現在、医師会や看護協会と調整中の医師、訪問看護師による対面診療、対話ケアでございますけれども、これは健康観察として行うものではございませんで、発熱等一定の症状があり、医師の診察、処置、薬剤の処方や医師の指示に基づく看護師のケアが必要な療養者に対するものでございまして、現時点では療養者全員を訪問して毎日実施する想定ではございません。今後も入院が必要な方は確実に入院できる体制を取っていくこととしておりますけれども、感染状況や個別事情によって在宅医療が必要な場合に、さらに安全・安心な医療提供ができるよう、対面診療も導入していきたいというふうに考えているものでございます。  臨時医療施設の開設を検討したかどうかということでございますけれども、本県では7月以降の感染拡大時にも鳥取方式プラスアルファで安全・安心な医療体制を提供しておりまして、一部都会で見られたような症状の重い方が在宅を余儀なくされているという状況は生じておりません。本事業を考える段階で、中等症以上の入院が必要な方を受け入れるための受皿としての臨時医療施設の検討は行っておりません。しかしながら、今回の第五波での経験を踏まえまして、次の波に備える意味で、例えば宿泊療養施設の一部を医療的ケアを充実する部分にして臨時医療施設として運用することなどにつきましての検討に現在着手をしたところでございます。 ◯議長(内田博長君)池田商工労働部長 ◯商工労働部長(池田一彦君)コロナ禍事業継続緊急応援事業につきまして重ねてのお尋ねでございました。  まず、応援事業の支給額の検討ということでございますけれども、この応援事業の財源でございますコロナ臨時交付金の追加交付額であります約15億円につきまして、この応援事業の7億円だけでなく、感染収束を見据えた#WeLove山陰キャンペーンの再開など宿泊観光事業者や認証事業店を応援する需要喚起対策の財源として今議会に提案させていただいているところでございます。この新たな応援金につきましては、売上要件を30%以上減とするなど、国の月次支援金などのいわゆる給付的事業よりも要件緩和を図りつつ支給単価を決定したところでございますし、あわせて、今議会に市町村が地域の実情に応じて独自に取り組む給付的事業への支援も提案させていただいておりますので、この国の月次支援金も含めていずれも併給可能でございます。組み合わせて活用いただくことで支援内容も充実すると考えておりますので、さらなる支援単価の引上げは検討しておりません。  市町村事業の支援単価の引上げということでございましたが、単なる県事業の実施事業の支援単価の上乗せであったり、売上要件の緩和といった横出し支援について対象とすることは考えておりませんが、市町村が独自に給付金や減収補填助成などの給付的支援事業を講じていただければ支援対象といたしますので、組み合わせて活用いただければ実質的な支援は上乗せになるというふうに考えております。  最後に、応援金の申請期限等々ですが、応援金の申請期限につきましては、本年の12月中旬頃を考えているところでございます。  また、申請書類の簡素化ということでございますが、第五弾で実施しておりますコロナ禍打破特別応援金を受給された方につきましては、提出書類の一部を省略するなど申請負担の軽減を図ってまいりたいというふうに考えております。  最後に、早期の周知ということでございます。本予算をお認めいただきましたら、早速コールセンターを開設いたしまして、相談体制を整備するとともに、オンラインによる事業者向け説明会であるとか広報媒体によるPRやDM発送、さらには県内金融機関各支店や商工団体等、関係団体を通じた御案内など、関係機関とも連携しながら迅速かつ幅広に取り組んでまいりたいというふうに考えております。 ◯議長(内田博長君)6番市谷議員 ◯6番(市谷知子君)在宅療養体制整備事業について、検討したときにはしていなかったということですが、今日的には宿泊施設を活用しての臨時医療施設は検討しているということで、これはこれで前に進んでよかったなというふうに思いました。  最後に、豪雨対策。まず、しっかり守る農林基盤交付金・耕地災害復旧事業、いずれも7月豪雨で被災した農地の災害復旧事業です。このたびの7月豪雨は農業被害が一番大きく、激甚災害にも指定されるほどになりました。そして農家からは、早く復旧し、次の作付準備にかかりたいけれども、査定に時間がかかるとか、査定や復旧工事に係る業者が限定されていて、復旧が遅くなるとの声が出ています。  そこで、自力復旧する場合や査定前に応急復旧する場合、つまり災害査定をする前にも自分たちで早期に復旧する場合にも、これらの支援事業が使えるのでしょうか。そして使えるなら、そのことが市町村や農家に周知されているのでしょうか。周知不十分なら今後どのように周知されるのかお尋ねします。  また、市町村では技術者が足りなくて査定が進まないとも聞きます。どのように県がこの査定を補っていくのかお尋ねします。  次に、土木防災管理費です。7月豪雨で被災した公共土木施設の復旧経費ですが、ほかの自治体から応援してもらった排水ポンプ車の経費もこの事業で支払うとされています。そこで、現在、排水ポンプ車は県下に何台あり、どこに配備され、足りているという認識ですか。そして、今回、ほかの自治体から排水ポンプ車の応援を受けなければならなかった事態を踏まえ、自前の排水ポンプ車の増設や排水機能の強化について検討をしたのか、検討結果はどうだったのかお尋ねいたします。  最後に、急傾斜地崩壊対策事業における個人負担軽減補助事業及び利子補給事業と単県小規模急傾斜地崩壊対策事業と単県斜面崩壊復旧事業です。これらはいずれも急傾斜地の崩壊対策事業で住民の自己負担分を除いた額を市町村と県が半分ずつ負担する制度となっていますが、問題は県も支援するのに住民負担の割合が市町村によって違っていたり、住民負担が重かったりするということです。例えば今回、急傾斜地対策事業における個人負担軽減補助事業や単県小規模急傾斜地崩壊対策事業は、米子市が住民負担をゼロとしているので、米子市では事業が使いやすくなり、今回事業が活用されていますが、ほかの市町村では25%の住民負担が重くて使えないという意見も聞きました。また、単県斜面崩壊復旧事業では、市町村によって住民負担割合がゼロから70%と幅があります。住民負担が重くてはせっかくの事業が使われません。そして今回、熱海市であったように、斜面崩壊で命が失われる事態も起きています。できるだけ事業を使って対策を進めることが必要です。  そこで、これらの事業の住民負担割合は市町村が決めることになっていますが、今回、住民の負担割合を下げるよう市町村に働きかけることや、また県の負担割合を引き上げて住民や市町村の負担を軽減することを検討したのか、検討結果はどうだったのかお尋ねし、私の質疑を終わります。 ◯議長(内田博長君)答弁を求めます。  西尾農林水産部長 ◯農林水産部長(西尾博之君)7月豪雨に関する災害復旧に関するお尋ねについてお答えさせていただきます。  災害査定前に自力復旧する場合、比較的小規模な被災箇所ということになろうかと思いますけれども、例えばしっかり守る農林基盤交付金では、整備に係る原材料支給、施工機械への借り上げ料等支援することは可能でございます。また、災害復旧が主目的ではございませんけれども、多面的機能支払交付金等に取り組まれます地域では、協同活動で復旧する場合、交付金の対象としているところでございます。しっかり守る農林基盤交付金につきましては、このたびの7月豪雨においても3市10町で活用いただき、自力復旧を含む応急復旧に着手していただいているところでございますので、しっかり制度の中身は認識いただいているものというふうに理解しております。  災害査定の準備で最も時間がかかりますのは査定設計書の作成でございます。測量設計、積算の中で、特に手間のかかる測量設計につきましては、各市町村とも測量設計のコンサルタントに委託しているのが実態でございますけれども、災害規模が大きくなりますと技術者の取り合いということにもなるということで、多くの市町村でそういう測量設計の機関、協会さんだと思いますが、応援協定等を結んで迅速な復旧ができるように整備を整えられているところでございます。それでも技術者が足りないという場合も過去に幾つかございました。その場合、当然市町村からの要望に応じまして農業土木技師の派遣という対応もしてまいりました。このたびの7月豪雨に当たりましても、各市町からの要望に応じまして、都度県職員を派遣しております。事業の事務手続でありますとか復旧工法、あるいは積算の仕方等、技術的な助言をさせていただいているところでございます。引き続き早期の災害査定、災害復旧に向け市町村を支援してまいりたいというふうに思います。 ◯議長(内田博長君)森田県土整備部長 ◯県土整備部長(森田豊充君)排水ポンプ車の増設、また排水機場の機能強化及び急傾斜事業における個人負担低減、補助事業及び利子補給事業における住民負担の軽減の2点についてお尋ねがございました。  まず、排水ポンプ車の増設、排水機場の機能強化についてでございます。  このたびの7月豪雨では、鳥取市内で集中豪雨が発生いたしまして、清水川で越水の発生もしております。排水ポンプ車につきましては、7月7日に県保有の1台を出動させるとともに、国土交通省に応援要請2台いたしまして、2台を出動。さらには8月8日に徳島県より1台支援があったという状況でございます。この中で今議会の補正予算で国土交通省への経費支払いのみについて要求させていただいておりまして、徳島県の支援につきましては、御厚意ということで取り扱わせていただいております。  なお、現在、県下の排水ポンプ車は国土交通省と県を合わせまして10台ございます。配置場所は東部に国が3台、県が2台の5台、それから中部に国が3台、西部に国1台、県1台の2台、合計10台が配置されている状況でございます。  また、排水ポンプ車の増設や排水機能の強化に関してでございますが、河川管理上の県の役割になりますが、県管理の支川におきまして、樋門で止めた支川の水を本川に排水すること、これが県の役割でございます。このことを踏まえまして、現在、県が排水機能を強化すべきと考えている清水川も含めまして、4河川で排水機能対策を実施しているところでございます。さらなる対策強化の必要性につきましては、近年の降雨に対して河道整備や現在整備中の排水対策事業を実施した後の排水被害の状況分析、また、既存の排水機場や排水ポンプ車について、管理状況や操作状況の観点から、有効に活用できているか、またその改善点があるやなしやというところを考慮しつつ、現在の河道整備及び排水機対策事業の実施状況を見ながら検討していくこととしております。  なお、ポンプ車は気象、浸水状況等を踏まえ、機動的に対応が可能なものでございますから、現在、排水対策事業を実施していない県管理の支川の排水や市町村がやっております内水対策での活用も含めて効果的なオペレーションを実現できるよう、国土交通省、市町村と共に対策を講じていくこととしております。  次に、急傾斜事業の住民負担の軽減についてでございます。  鳥取県では、崖地における対策といたしまして、先ほど例示がありました4つの事業、4つの対策は保全対象家屋によって変わってくるものでありますが、4つの対策事業を実施しているところでございます。これらの急傾斜事業では、急傾斜地法第23条において、費用の一部を受益者に対して負担させることができるというふうにされておりまして、県は市町村に対して5%から20%の負担を求めているところでございます。また、その負担に対しまして、一部の市町村では条例等を定め、個別の受益者、住民に対してその一部の負担を求めているということでございます。負担割合は市町村によって異なっております。この受益者負担につきましては、事業実施上の支障となる場合もございますが、受益者負担額は市町村がおのおのの実情に即して決定されるものであることから、県が受益者負担の軽減を市町村に働きかけるべきものではないというふうに考えておるところでございます。  一方で、県では、住民が負担金を理由に急傾斜地事業の要望を断念することは十分に想定されることから、平成25年に急傾斜地崩壊対策事業における個人負担軽減補助事業を創設いたしまして、受益者負担の軽減を図っているところでございまして、現時点で県負担をさらに上げることは考えておりません。今後も受益者負担の軽減制度を改めて市町村に周知し、制度を活用していただくことで急傾斜事業等の整備促進を図り、危険箇所解消に向けた取組を推進してまいりたいというふうに考えております。 ◯議長(内田博長君)これをもって議案に対する質疑を終結いたします。  お諮りいたします。本日は議事の都合上、会議時間を延長したいと思います。これに御異議はございませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕  御異議なしと認めます。よって、本日は、会議時間を延長することに決定いたしました。  それでは、議案第1号及び第3号は、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。  暫時休憩いたします。        午後3時39分休憩    ────────────────        午後4時05分再開 ◯議長(内田博長君)再開いたします。  議案第1号及び第3号を一括して議題といたします。  まず、各常任委員長に順次審査結果の報告を求めます。  福祉生活病院常任委員長尾崎薫議員 ◯福祉生活病院常任委員長(尾崎薫君)(登壇)本会議から福祉生活病院常任委員会に付託されました議案につきまして、慎重に審査をいたしましたので、その結果を御報告申し上げます。  本委員会所管の議案第1号「令和3年度鳥取県一般会計補正予算(第6号)」は、妥当なものと認め、原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。  これをもちまして、本委員会の審査結果の報告を終わります。 ◯議長(内田博長君)農林水産商工常任委員長松田正議員 ◯農林水産商工常任委員長(松田正君)(登壇)本会議より農林水産商工常任委員会に付託されました諸議案につきまして、慎重に審査をいたしましたので、その結果を御報告申し上げます。  本委員会所管の議案第1号「令和3年度鳥取県一般会計補正予算(第6号)」及び議案第3号「令和3年度鳥取県県営林事業特別会計補正予算(第1号)」は、いずれも妥当なものと認め、原案のとおり可決すべきものと決しました。  これをもちまして、本委員会の審査結果の報告を終わります。 ◯議長(内田博長君)地域づくり県土警察常任委員長川部洋議員 ◯地域づくり県土警察常任委員長(川部洋君)(登壇)本会議から地域づくり県土警察常任委員会に付託されました議案につきまして、慎重に審査をいたしましたので、その結果を御報告申し上げます。  本委員会所管の議案第1号「令和3年度鳥取県一般会計補正予算(第6号)」は、妥当なものと認め、原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。  これをもちまして、本委員会の審査結果の報告を終わります。 ◯議長(内田博長君)総務教育常任委員長藤井一博議員 ◯総務教育常任委員長(藤井一博君)(登壇)本会議から総務教育常任委員会に付託されました議案につきまして、慎重に審査いたしましたので、その結果を御報告申し上げます。  本委員会所管の議案第1号「令和3年度鳥取県一般会計補正予算(第6号)」は、妥当なものと認め、原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。  これをもちまして、本委員会の審査結果の報告を終わります。 ◯議長(内田博長君)以上で、各常任委員長の審査報告は終わりました。  ただいまの委員長報告に対する質疑の通告はありませんので、これより、討論に移ります。  討論は、ただいま各常任委員長から審査報告のありました議案第1号及び第3号について一括して行っていただきます。  それでは、討論の通告がありますので、発言を許します。  6番市谷知子議員 ◯6番(市谷知子君)(登壇)日本共産党の市谷知子です。  先議予算、議案第1号、令和3年度鳥取県一般会計補正予算(第6号)の賛成討論を行います。  この先議予算約99億円は、今回の9月議会の補正予算約152億円のうち3分の2を占め、新型コロナの感染急拡大に対する医療提供体制の充実やコロナで収入減少となった事業者に対する支援事業、また7月豪雨などの災害復旧事業と、いずれも急がれる事業ばかりであり、早期成立を望むものです。  新型コロナでは、今新規感染者が減ってはきましたが、7月、8月は感染爆発しました。このコロナ第五波に対応し、命を守るため、医療機関、そして保健所や県の関係職員の皆さんが昼夜分かたず御尽力いただいたことに、心から敬意を申し上げます。そして、知事が今回の県内での感染急拡大は県外での、東京や神奈川など、全国的な感染の広がりが影響していると記者会見で述べられました。分科会の尾身会長も言っておられましたが、まさに緊急事態宣言のさなかに東京五輪の開催を強行し、人の移動を促したことが最大の原因であることは否定できません。菅政権の責任は重大です。ところが政府は、感染拡大の原因をつくりながら、大量に生まれた新規感染者に対し、原則自宅療養の方針を打ち出し、自宅療養者が急増し、自宅で急変し、誰にもみとられることなく亡くなる方が次々と出ました。そして鳥取県でも新規感染者が急増し、コロナは原則入院、この方針が変わってしまい、メディカルチェックセンターでチェックを受けた結果、軽症者は自宅療養となり、自宅療養者は多い日で1日最大126人にまでなってしまいました。このことは本当に残念でなりません。  ただ、質疑の答弁や、また知事も記者会見でも述べておられましたが、今後は原則、入院や宿泊療養に戻していくということや臨時の医療施設の開設も検討し、医療体制が強化されるとのことで、心からその実施を望むものです。  そして、今回の補正予算では、現在、やむなく自宅療養となっている方々に対し、医師や看護師による対面診察は毎日にはならないそうではありますけれども、対面診療を保障していくということで、そのこと自体は現に自宅療養されている方がある中で、対応が急がれ早期実施を求めるものです。  また、コロナの影響で減収となった事業者に対する応援金が新たに打ち出されました。さらなる支援額の引上げが必要とは思いますが、米子市や鳥取市での繁華街のみに限定してしまった営業時間短縮協力金に対する業者の批判の声にも応え、今回、地域や業種を限定しない幅広い業者の皆さんが利用できる応援金を打ち出したこと、また県独自の応援金は今回6回目です。繰り返し県が事業者支援制度を打ち出しているということは、大きく評価できます。持続化給付金、一度きりとなっている菅政権にも鳥取県を見習ってほしいと思います。  また、この先議予算は7月豪雨、台風9号、8月大雨に対する災害復旧事業が78億円と一番多くなっています。激甚災害に指定されるほど大きな災害でした。そして鳥取県は国の災害復旧事業では対象外となる被害にも県独自に支援をしています。さらなる住民負担の軽減も求められるところではありますが、今回活用される制度を早期に発動し、これからの台風シーズンを迎えるに当たり、早期に住民の皆さんの安心・安全を求める願いに応えていく必要があります。
     以上の理由から、議案第1号、令和3年度鳥取県一般会計補正予算(第6号)に賛成であることを述べ、私の討論を終わります。 ◯議長(内田博長君)これをもって、討論を終結いたします。  これより、議案について、起立により採決いたします。  議案第1号及び第3号は、委員長の報告のとおり原案を可決することに賛成の議員の起立を求めます。  〔賛成者起立〕  起立全員であります。  よって、以上2議案は、原案のとおり可決されました。  本日の議事日程は全て終了いたしました。  これをもって散会いたします。        午後4時15分散会    ────────────────...