3回目の
ワクチン接種の話も出ているようですが、しっかりワクチンの有効性と今後の対応について県民の皆さんに説明するとともに、将来への不安を解消する必要があると思いますが、知事の所見をお伺いいたします。
全国知事会の会長の就任についてお伺いをいたします。
多くの知事の皆さんに推挙される中で、9月3日、
全国知事会の会長に就任されました。全国で一番小さい県の知事が会長に就任されることは、県民にとっても大きな励みになると思います。
これまでの副会長や
新型コロナ緊急対策本部の
本部長代行などの手腕が買われての推挙であると思いますが、全国で一番小さな県の知事が地方と都市の温度差がある
各種行政施策の中で、平井知事としては
全国知事会をどうまとめられていかれるのかお伺いいたします。
次に、地方分権の推進について質問をいたします。
平成5年6月、衆参両院において、地方分権の推進に関する決議が全会一致で可決され、我が国における
地方分権改革の歩みが始まってから既に四半世紀以上が経過をいたしました。地方分権の推進は、今や枕言葉のように、当然の理念として語られておりますが、当時としてみれば、明治以来続いていた中央集権型の
行政システムを地方分権型の新しい
行政システムに変革しようとする非常に画期的な政治決断であり、平成7年5月の
地方分権推進法の成立、そして、
地方分権推進委員会の5次にわたる勧告を経て、平成11年7月に
地方分権一括法が成立した際には、明治維新、戦後改革に次ぐ、第3の大改革がいよいよ実行段階に入ったと、当時は
自治体関係者をはじめ多くの皆さんが大きな期待を寄せられたと思います。
その平成11年7月に、当時の自治省から鳥取県の総務部長に就任された平井知事にとっても、非常に印象深い出来事だったのではないでしょうか。そういう私も、平成11年6月、
地方分権一括法が国会で審議されている中、県議会議員として初めて行った一般質問で、地方分権の推進について議論し、課題を上げつつも、これからは自分たちが思い描くまちづくりができると大きな期待を抱き、希望を感じていたことを今でも覚えております。
実際、このときの改革により、
機関委任事務制度の廃止や国の関与に関する基本ルールの確立などが実現し、我が国の
地方分権改革は大きな進展を遂げました。また、その後のいわゆる第2次
地方分権改革以降、これまでに第11次の
地方分権一括法が成立し、個々の法令の見直しにより、多くの事務、権限について、規制緩和や権限移譲が行われてきました。地方分権の着実な前進のため、尽力をされてこられた関係者の皆さんに改めて敬意を表したいと思っております。しかしながら、当初思い描き、理想としたような自己決定、自己責任による本来の住民自治にはまだ至っていないのが実情ではないでしょうか。
内閣府の調査によると、
地方自治体に計画の策定を義務づける規定は、平成23年の第1次一括法及び第2次一括法の成立等によって、平成22年時点の229から、平成24年には172まで減少したものの、その後は微増傾向が続き、昨年12月時点では202規定まで増加したと言われております。また、一見、
地方自治体の裁量に委ねられているように見える計画の作成ができるとされている規定や、努力義務とされている規定の中にも、国の
財政支援等の要件とされ、実質的な義務づけとなっているものが187規定あり、こちらも年々増加しているという状況であります。
実際に
全国知事会が今年5月にまとめられた実態調査でも、策定に当たって多大な人手や予算を要するなど、支障や課題があるとして自治体から見直しを求める声が上がっております。そのほかにも、通達による国の関与がなくなった代わりに、法令による全国一律の従うべき基準が増え、地域の実情に応じた対応に困難な事例が生じるなど、国と地方は対等という理念とは裏腹に、依然として国が様々な分野で地方の自主性を制限している実態があると言えるのではないでしょうか。
社長だと思っていたら、天の声がいろいろ聞こえてきて、中間管理職になったようだった。これは、昨年の4月、東京都の小池知事が特措法に基づいて休業要請を行おうとした際に語った言葉ですが、国と地方の関係についての本質的な問題は、コロナ禍をめぐる対応についてでも浮き彫りになってきており、私は今改めて地方分権の在り方について問い直すべきときが来ているのではないかと思っております。
平井知事は、これまで
地方分権改革有識者会議の議員や
全国知事会の
地方分権推進特別委員会の委員長として、
地方分権改革に精力的に取り組んでこられましたが、これまでの
地方分権改革の歩みと現状について、どのように評価されているのでしょうか。
また、今後は
全国知事会の会長としてぜひとも強いリーダーシップを発揮していただき、新たな改革のステージを切り開いていただきたいと思いますが、目指すべき
地方分権改革の方向性について、どのように考えておられるのか、知事の所見をお伺いしたいと思います。
次に、
地方交付税の確保についてお伺いいたします。
令和3年度の
普通交付税の
県分交付額が、8月20日の
常任委員会で報告されました。
臨時財政対策債を含めた実質的な交付税は1,568億円となり、前年度に対して105億円の増加となっております。これは、
リーマンショック後の平成22年度当初算定時における対前年度比120億円増以来の大幅な伸びであり、コロナ禍による県税等の減収を補うものとして、一定程度評価できる配分であると私は思っております。
しかしながら、国難であった当時の
リーマンショック後を思い起こして調べてみると、平成22年度は、当初算定時に1,660億円が交付されており、今回の1,568億円の交付額では当時よりも100億円も少ない計算になります。確かにこの間、消費税率の改正等があり、地方全体の税収が当時より伸びたとはいえ、鳥取県のような税基盤の弱い自治体では、社会保障費の伸びや
地域経済対策に要する経費は税収より交付税に依存するところが大きく、交付税の配分は地方財政の運営に大きく左右する、まさに死活問題であると思っております。
まずは、今年度の
普通交付税の配分について、評価を知事にお伺いしたいと思います。
続いて、過疎地域の
持続的発展の支援に関する
特別措置法についてお伺いいたします。
過疎地域自立促進特別措置法、旧過疎法が令和3年3月31日に失効し、新たに過疎地域の
持続的発展の支援に関する
特別措置法、新過疎法が4月1日から施行されました。この新過疎法により、旧河原町をはじめ、旧関金町、旧船岡町、旧赤碕町、旧大栄町が新たに過疎地域に指定されることになりました。旧過疎法と新過疎法と何が違うかといえば、措置法のタイトルのとおり、過疎地域の自立促進は諦め、過疎地域の
持続的発展に変更されたことと、支援措置の対象業種に
情報サービス業等が追加されたことが基本的な改正であり、交付税での補填措置、
地方債措置、
国庫補助率のかさ上げ等については、従来どおり継続されるというものであります。
この措置法も、先ほど議論していましたが、計画が義務づけられ、国と協議し、同意が必要な施策の一つで、県としても鳥取県
過疎地域持続的発展方針を策定され、国の同意を得られたところでありますが、このたび、県でまとめられた方針において、これまでの過疎法と大きく変わった点や特色は何かを知事にお伺いしたいと思います。
続いて、
強度行動障害者への対応についてお伺いいたします。
強度行動障害とは、自分の体をたたいたり、食べられないものを口に入れる、危険につながる飛び出しなど、本人の健康を損ねる行動、他人をたたいたり、物を壊す、大声が何時間も続くなど、周囲の人の暮らしに影響を及ぼす行動が著しく高い頻度で起こるため、特別に配慮された支援が必要とされている状態のことで、突発的に予想できない行動を取ったり、暴力を振るったり、自傷行為を繰り返したりすることが多いため、その支援には非常に多くのエネルギーが必要とされております。
平成25年4月1日に施行された
障害者総合支援法では、共生社会の実現、障害者の社会参加の手段として、地域への移行を目指して、
施設入所支援施設から
共同生活援助、要するにグループホームへの移行が進められており、近年、
共同生活援助の創設が続いていますが、
強度行動障害がある人に対応できる施設は非常に限られております。皆成学園では、多くの
強度行動障害のある子供さんを受け入れられていますが、原則18歳以下、例外としても二十歳までの利用に限定されており、18歳を超えた子供たちを県内に受け入れる施設がないため、県外の施設を利用するという場合があると聞いております。実際、中部のある町の方も、二十歳となり、皆成学園を出ざるを得なくなり、県内に受け入れる施設がないため、県外の施設を利用されてきましたが、その施設も長期間の利用ができないため、この9月で他の施設を探さなければならないという状況になっております。以前は、卒業後、
施設入所支援施設を利用することができていましたが、
施設入所支援施設の待機者が増加する現状の中で、卒業後に行き場のない子供が増えていることが課題となっております。
この現状認識と対応について、平井知事にお伺いいたしたいと思います。
また、平成29年度に行われた県の調査では、
強度行動障害がある人は、県内で531人で、共同生活や
施設入所支援を利用している
強度行動障害がある人は195人、在宅で過ごしている方は336人おられるそうであります。しかし、在宅での支援は、保護者や本人ともに疲弊してしまい、虐待事例となるおそれがあり、また、適切な支援に結びつきにくいということもお聞きいたしております。
在宅の支援の充実と施設の受入れの充実の双方が必要と考えますが、平井知事の所見をお伺いします。
以上で、午前中の登壇での質問を終わります。
◯議長(内田博長君)30番
伊藤保議員が行いました代表質問に対する答弁を求めます。
平井知事
◯知事(平井伸治君)(登壇)伊藤議員の代表質問にお答え申し上げます。
まず、議員のほうから、豪雨災害につきましてお話がございました。このたびの豪雨災害、七夕に始まりまして、長雨が梅雨前線で続き、さらには戻り梅雨というべき、そういう秋雨前線の被害もあり、台風の被害もあり、相次ぐ災害でございまして、被災された方に心より私からもお見舞いを申し上げたいと思います。
また、議員のほうでもお話がありましたが、そういう中、
オリンピックでは
三上紗也可選手はじめ7名、さらに
パラリンピックでは安野選手、中には金メダルを取ったり、入賞したりということもございまして、赫々たる成果があったと思います。また、先日は、林原聖真選手がインターハイの
自転車競技におきまして、見事にロードで優勝をされました。この林原選手であるとか、それから三上選手などは、
オリンピックを目指しまして、子供の頃からのジュニアの育成をしたり、また、海外遠征の
ターゲット事業であるとか、そうしたことで育成をしてきた選手でございまして、議場での議論が実ったものと言ってもいい成果であったかと思います。関係の皆様にお祝いを申し上げたいと思いますし、コロナで非常に厳しい状況にある県民の皆様にも大きな勇気を与えてくださったことに感謝を申し上げたいと思います。
また、そういう中で、芝のお話がございました。この芝は、このたびの
国立競技場、開閉会式、陸上競技の会場となったところ、あの芝は鳥取県の芝でございましたし、そのほかの会場でも、一昨年ですかね、ラグビーも含めまして、こうした芝が全国展開をするようになってきました。実は、このたび、民放の番組の取材がありまして、鳥取の芝王国についての取材がありました。私のほうでも宣伝を申し上げましたが、若干ちょっと皮肉な番組でありましたので、どちらかというとはすに構えた、そういう放送になるかとは思いますけれども、いずれにいたしましても、そういうように芝で鳥取県が頑張っていると、そういうことが全国的に認知されることはすばらしいことであったかと思います。
こういうようなことなど、議員のほうから私たちは今、4年間の任期の折り返しを過ぎたところでありますが、前半の状況の総括、それから、後半に向けてどうかというお話がございました。
私のほうから、選挙の際、申し上げましたのは、安心、あるいはしごと、ひと、暮らし、ふるさとの新しい時代をつくっていこうと。それで、幾つかの項目を掲げたものでございます。55の項目を掲げたうち、93%は順調に推移しているところであります。例えば
就任早々議決をいただきまして、産業の成長を応援する、そういう補助制度などをつくりました。例えばこういう中からは、今の
新型コロナの下ではありますけれども、鳥取市内の淳というミシュランの星を取った、そういう和食の料理屋さん、こちらでは抹茶プリンをテークアウトといいますか、通信販売、そうしたことで出される、そういう事業に取り組まれることになりました。コロナを乗り越えてやっていく産業創造ということになったと思います。こういうことなどに大型の、あるいはきめ細かい補助制度を投入することができるようになったことは、今ある意味助かった前半戦であったのではないかというふうに考えております。また、先ほどのアスリートの育成、活躍も、公約との関係では成果を上げたところであろうかと思いますし、こういうようなことで、9割方はできているわけでありますが、ただ、
外国人観光客であるとか、それから、クルーズ船であるとか、そういう海外との往来に関わるものは、軒並み振出しに戻った格好になっているところであります。
こういう中で、今後に向けては、前半戦で公約的には順調に推移していることをさらに伸ばして、新しい視点を入れていく必要があるだろうと。例えばスイカについていえば、3年連続で30億円を超えることになりましたし、また、議員のほうでもいろいろとお力を入れていただいています畜産の和牛については、和子牛の競りで1位を今年に入っても続けているということなど、赫々たる成果が出ています。これは、例えば品種改良であるとか、それから、ハウスのスイカの栽培を導入したことなど、これまで政策として練り上げたことが寄与しているところでもあろうかと思います。さらに
デジタルトランスフォーメーション、それから、グリーン化など、新しいテーマを入れて、
新型コロナ後、
ウィズコロナ、
ポストコロナに向けてさらに加速させていく必要があるのではないかと思います。
これは
地域づくりの中でも言えることでありまして、琴浦町では、今、地域交通が非常に厳しい環境の中にも置かれているわけでありまして、地域でいろんな工夫をされているわけであります。そういう中、AIを導入いたしました
配車システム、こういうものを
デジタルトランスフォーメーションの中でオンデマンドシステムとして入れる試みをされている。安田地区で、個人の皆さんが運転をされるわけでありますけれども、ICTを活用してそういうものをさらに力強く運営できるようにサポートしていこうと、こういうことなども出てきています。産業面のみならず、地域におけるそういう活力ということにもなろうかと思います。また、自然の中で新しい産業を創造したり、地域の魅力をつくっていく意味では、一向平のキャンプ場であるとか、船上山なども注目をされるところであります。この
新型コロナの中でも、
ネイチャーサウナというのは今ヒット商品になってきておりまして、今後を考えれば大きな要素になるかなと思います。
こういうような新しい展開を
ウィズコロナ、
ポストコロナとしても私どもとしても投入をしていくことで、後半戦、まさに
キャッチアップ、それから振出しからのスタートもありますが、全勢力を挙げてやっていければというふうに考えているところであります。特に健康とか医療については注目も高まりましたし、現在、鳥取県、こういう中では、全国では注目されるようになってきました。これをアドバンテージとして、今後に生かしていくことも大きなポイントになろうかというふうに考えております。
次に、
新型コロナウイルス感染症につきまして何点かお尋ねがございました。
現在のこの
感染症拡大の波は重なっていくのではないか、
ウィズコロナの状況の中で、経済とどういうふうに折り合いをつけて再生を図っていくのか、さらには、
ワクチン接種、どの程度の接種率を目標として考えていくのか、さらには、ワクチンの有効性や今後の対応、県民の皆様の不安解消なども図りながら進めていく必要があるのではないか、こういうお尋ねがございました。
現在、第五波につきましては、原因はよく分からないところがありますが、少なくとも感染は抑えられつつあるということだと思います。これについては、人出の問題であるとか、あるいは
ワクチン接種が進んだからとか、人々の意識が変わったからだとかということがいろいろ言われていますが、何度か議場でも申し上げましたように、こういう学者的な、あるいはマスコミ的な分析、あるいは政府のほうの分析というのは、必ずしも当たっていないのではないかと思います。議員もいみじくもおっしゃいましたように、いずれ、この
ワクチン接種が進んだとしても、次の感染の波がやってくるかもしれない。これを繰り返すのではないか。私もそうだと思います。
ウイルスには、ウイルスの都合と戦略があって、今のデルタ株のウイルス、この時代が終わった後に、今度は次のウイルスの波を起こしてくる、そういう戦略なのではないかと思います。これは別に意図していることではなくて、変異が繰り返されていますので、その変異の中で感染の仕方が変わってくる。ただ、衰えてくれば、今度は次の変異が、実は
新型コロナは変異が起こりやすいわけです。しかも、厄介なのは、その変異というものをしながらも、自己コントロールするのですね。ですから、一定の枠の中を超えていかない。だから、感染力の強さだとか、それから、悪性に至る、重症化をもたらす要素だとか、そういうものの基本は変えずに、攻め方を変えてくるような、そういうウイルスの変異を繰り返しているところでございます。ですから、今、第五波は全国的にも収まりつつある中ではございますけれども、決して油断できるわけではございません。
しかしながら、本県は、この週末、全国からちょっと驚きで見られていますけれども、昨日は、感染者、陽性の確認はゼロでございます。おとといはお一人、さきおとといはゼロ、全国に先駆けてゼロというものを重ねてきている、そういう状況になってきました。それによりまして、新規の陽性者、1週間で10万人当たりでいいますと4.0人でございます。15人がステージ3、25人がステージ4の目安でありますので、大きくここ3日間で下回ることになってきました。さらに、そのほかの指標でも、感染症の方の病床の占有率、確保病床に対する占有率は12.2%、また、入院の率、これも57.8%と、ステージ3の指標から大きく離れつつございますし、療養者数も11人台まで下がってきまして、20人のステージ3の基準の半分ぐらいまで落ちてきています。感染の波は明らかに本県の場合は越えてきているところでありまして、今朝方、専門家チームの5名の先生方は、いずれもステージ2ではないかという判定でございました。中には、指標的にはステージ1になっているのではないか、全国の状況を見るとステージ1と本県は少なくとも言ってもいいのではないかという御意見もありましたが、東・中・西でまだアンバランスがありまして、西部において指標の違いもございますので、そういうことなどを考慮しますと、結論的には皆さん、現在はステージ2という判断かなということになりました。
今後の状況はどうなるかというと、例えばミュー株というのが今確認をされてきているわけですね。これは、E484KとN501Y、この両方の変異を持っているウイルスであるというふうに言われております。これが国内に例えば入ってきているということがあったり、また、カッパ株とかガンマ株、こうしたものも確認をされています。しばらくたちますと、どういうようなウイルスの分布状況になってくるのかというのは正直よく分からないところがありますが、少なくとも今は波が一旦落ち着いてきて、この間に経済社会活動を一定程度戻せるタイミングに入ったのではないかというふうに考えております。
そういう意味で、本日、先議をお願いさせていただいておりますが、私どもとしては、ぜひ県民の経済社会生活を一日でも早く取り戻すために、皆様の御賛同をいただければ、我々としてはすぐにでもスタートをさせていただける状況が整ってきたと言えようかと思います。また、既定の予算を活用しまして、例えば#WeLove山陰キャンペーンにつきましては、明日から旧に復して再開をするということとさせていただきたいと思いますし、また、飲食店の25%クーポン券、あるいは宿泊における20%の前売りプレミアム付クーポン券、こういうものの発行につきましては、予算との兼ね合いを見ながら、順次スタートをさせていただける環境が整ったと思います。いずれまた感染がせり上がってくる段階に入ってきますと、また中断ということはあり得ようかと思いますが、県民の皆様を中心に経済を回すということについては、取りかかれる状況になったと考えております。こうしたことなどを交差的に繰り返しながら、経済や社会と、それから、感染拡大防止との折り合いをつけていく、これが当面の基本戦略になるのではないかと思います。
今言われていますように、ワクチン検査パッケージという手法につきましては、恐らく来月以降、実証実験事業を各地で始めることになるのではないかと思います。現に、先般、
全国知事会を開催しましたが、大阪府の吉村知事など、この実証実験に参加をしたいと意思表明をされていたところがございまして、先般、西村大臣とも知事会として交渉をする場がございましたが、全国で数県からそうした参加欲求というのが出てきているということでございました。
それで、
ワクチン接種が進んでくる頃になりますと、そうした意味で、今の行動制限の緩和というものを全国でどの程度進めていくのか、さらには、感染がある程度広がったとしても、ワクチン検査パッケージなどをてこに、そうしたものを一定程度、留保して、確保していくことができるのか、この辺の議論を始めることになろうかと思います。これにつきましては、西村大臣と協議をさせていただきました先週末に、大臣のほうから、知事会側の提案であります地方と国との協議をこの点について始めてくれということに応じる意思表示がございましたので、今月中にはこうした自治体と国との間で協議を始めまして、そういう協議の場において、こうした社会経済と、それから感染防止対策の折り合いをつける具体的なやり方、例えば飲食ではこうだとか、イベントではこうだとか、そういうことのお話になってくるのではないかと思います。
イベントなどを見ても、例えばイギリスでは実証実験事業を6、7月頃やりました。そのときに実に6,000人の感染があったということも報告をされています。ただ、片方で、昨日、新潟県が公表されましたが、新潟県で開かれておりましたフジロックというフェスについては、今のところ感染の確認はないということでございました。他方で、愛知県で行われたフェスにつきましては、感染が連鎖的に起こっている、クラスターだという認定が出ていまして、こうしたことをどういうふうに今後、我々として考えていくかということではないかと思います。
そういう意味で、例えば飲食店の25%のプレミアムつきのクーポン発行という事業を議会のほうに今提案をさせていただいておりますけれども、これを始めるに当たりましては、本日から職員が認証店を回らせていただきまして、それで、認証店の対策を確認した上で、このクーポン事業を開始するということにさせていただいたほうがいいのではないかと思っています。現実に、こうしたことでは聖地のように言われる山梨県は、グリーン認証事業ということをされておられましたけれども、今回の第五波では相次ぐクラスターで非常に悩んでおられました。数は少ないですけれども、本県でも認証店のクラスターということも東部で発生をした件もございまして、そういうようなことを考えますと、認証を取ったからということだけではなくて、お客様の御協力もいただきながら、お店としてもきちんと運用していくということも重要な要素になってこようかと思います。こういうような感染予防、感染拡大防止の努力と、どういうふうに折り合いをつけながらやっていくのか、これが
ウィズコロナのポイントになってこようかと思います。
そういう中で、近未来的には重要になってくるのはワクチンの接種率になろうかと思います。現状、鳥取県は、65歳以上では大体9割方の方が2回目の接種を終えていまして、これは大体、全国この辺でそろってきています。この辺が多分限界といいますか、一つの状況かなというふうに全国的にも思えるところでございます。問題は、若い層ですね。この若い層を含めて、どうかということでありますが、今現在では、鳥取県は、2回目終了ベースで58.13%の接種率。これは、全国が52%ぐらいでありますから、かなり上回った形で、今、全人口的には進んでいるところでございます。これも市町村、それから事業者による職域接種が本格化してきたことによるところが大きいと思います。
そういうようなことを進めていけば、今後、接種というものを、11月が一つの変わり目かと言われていますが、10月末段階で進めていくことは、十分に可能なレンジに入ってきたのではないか。例えば、今の指標でいいますと、第1回目の接種を終えた人が全人口に対して69%であります。実はVRSという登録システムがありまして、これへの未入力分がありますから、大体大方1%ぐらいは上げなければいけないのですね。ですから、2回目接種58.13%ということは、それは大体もう6割近い状況と言っていいと思いますし、また、1回目接種、全人口に対して69%というのは、これはもう7割超えているかもしれないというふうに考えてもいいです。すなわち、2回目接種はここから3週間後とか、一月後ということでありますので、そういうことからいいますと、10月末には確実に、もう7割は超えていることは、本県は達成したというレベルになってきました。さらにどれだけ上を目指せるかということだと思います。
例えば12歳以上の接種可能人口の8割を超えるようなレベルで接種していくというようなことは目指せないだろうか。高齢者のほうは、先ほど申しましたように、9割接種になってきています。それから、順次それぞれ接種率が上がってきております。議員がおっしゃったように、副反応などのそうしたことなどについてのPRもやらなければいけない。そんな意味で、若い方向けには、
入江聖奈選手にも御協力をいただいて、今CMを流させていただいたりしておりまして、景山先生にも副反応について解説をしていただいたりしております。
それから、いろんなワクチンのタイプがあるということで、今、アストラゼネカの予約を始めました。これも、始めた当初でもう既に13%ぐらい予約が入ってきています。アストラゼネカは、アレルギー反応がある方にはお勧めさせていただきたいワクチンでありまして、アナフィラキシーショックが心配でファイザーとかモデルナを打てないという方には、こちらのほうの接種が有効であります。こういうようなことを例えば御説明を申し上げて、理解の促進を図ることが大切かなと思いますし、市町村以外でもこういうことを、ファイザー以外のモデルナのワクチンも大分打てるようになりましたよというPRをさせていただいています。
例えば、もう来たら打てますという、その場で打てるという
ワクチン接種を本県も始めまして、東・中・西で今進めておりますが、既に400名以上の方がこの方式で
ワクチン接種を終えられておられます。また、特に最近よく言われるのは、子供たちの
ワクチン接種の必要性であります。例えば智頭町では、学校を通して、それで、接種希望について照会をすると。ただ、学校の先生方には分からないようにして回収しまして、それで、
ワクチン接種を町のほうで受けられるというようなことで、中学生の今
ワクチン接種を進めておられます。予約ベースも入れれば、中学生は、もう既に76%の子供たちがワクチンを受けられる、あるいは
ワクチン接種の予約を入れるということになっています。同じようなこういう子供たちの優先接種を進めているところは、大山町とか八頭町、南部町など、各地でもございまして、こうやって鳥取県なりに子供たちの接種を進めようと。県のほうでも、子供さんや、あるいは子供さんを含めた御家族連れでの接種枠というものも設けたり、それから、受験生の優先枠というものも設けたりして、県営接種ということも進めているところでございます。
こういうことを民間の方々、各種団体と、JAさんだとか、商工団体等と協力をしながら、モデルナ社によるワクチンも打っているところでございます。こういうようなことを含めまして、来月末にはできれば12歳以上の接種対象人口の8割が打っているという状態、ちょっと高めですけれども、本県としては目指していけるのではないだろうか。大体、人口的にいきますと、総人口に対しまして70%をある程度超えると、このレベルに入ると思われます。今、大体7割ぐらいは、少なくとも来月いっぱいで確保できていますので、11月の前にそういう状態を達成できればというふうに考えているところであります。
また、交差接種であるとか、それから、3回目のブースター接種につきましても、国のほうが方針を出せば、可及的速やかに取りかかれるようなことに市町村や関係者と共に進めてまいりたいと思います。既に厚生科学審議会では、9月17日に、この点、承認をされたところでございました。いろいろ世界ではちょっと状況が今分かれていまして、CDCのほうでは、65歳以上にブースター接種ということで決議がなされたということであります。世界的には、イギリスだとか、イスラエルでもブースター接種が始まっています。我が国でも医療従事者とか、それから高齢者、8か月以上を過ぎた方を対象にということで、今視野に入ってきていまして、そういう意味では、11月以降は、私ども、10月までにある程度の接種を完了して、今度はそちらのブースター接種のほうにその体制で今度かかっていくというのが理想的な状況ではないかなというふうに考えておりまして、今後よく注視をしてまいりたいと思います。
なお、ファイザー社が12歳未満につきまして、ワクチンの有効性があるということをこのたび発表をされました。アメリカをはじめ、各国にそうした知見データを申請するというふうに言っています。これが可能になりますれば、そういう学童に対する接種というものもなされ得るのではないかというふうに考えております。
次に、
全国知事会につきましてお尋ねがございました。全国で一番小さい県でありますけれども、どういうようにこれをまとめていくのかということでございます。
全国知事会の会長職は以前、推薦制のような形でやっておりました。各ブロックでの話合いで決めていたという時代がございましたが、鳥取県でも勤めておられました岐阜の梶原知事が最初の選挙による選出でございまして、梶原さんは1年余りで会長を退任されましたけれども、その後は、麻生福岡県知事、それから、京都府の山田知事、それから、埼玉県の上田知事、また、飯泉徳島県知事というように続いてきまして、そのバトンを引き継ぐということになりました。幸い、今回は40人の知事さん方から推薦をいただくという形で、ほぼ皆、推薦人になったような形の珍しい無投票当選になりましたので、言わば一枚岩で私たちはこの知事会活動に取り組んでいけるのではないかと考えております。
新型コロナの今真っただ中にありますので、コロナを乗り越え、新しい時代をつくっていく、この国とふるさとを開いていく、こういう決意の下に、未曽有の危機に挑戦をしたり、新たな時代に向けて、例えばデジタル化だとか、それから、脱炭素なども含めたテーマへ挑戦していく。それが恐らくこの2年間の知事会長としての役割になろうかと思います。こうした考え方につきまして、各方面の御賛同もいただき、スタートをさせていただきました。これを進めていくためには、やはり現場主義、それから連帯、この2つのキーワードで日本に貢献をしていくという知事会像が求められると思います。
新型コロナで大分仕事のやり方や知事会に対する世の中の見方も変わってきたと思います。これを活用することにより、本当の意味での地方の時代を、知事会も一つの一角として、リードしていくことができるのではないかと考えております。現実にも、そうした連帯ということで、同じく現場で頑張っておられる方々とつながっていこうと。9月9日には、日本医師会の中川会長と懇談をさせていただきました。明日は、東京のほうに参りました機会に、経団連の十倉会長とお話合いをさせていただくことにいたしております。いずれの団体とも
新型コロナやその後の経済活動等も視野に、まずは協議の場をつくらせていただきまして、今後は共同で活動できることというものをお互いに探して実行していこうというようなことにいたしたいと思っております。観光関係の団体ともお話合いをさせていただいておりまして、近々、国のほうに共同要望をしようというような、今スケジュールを考えているところでございます。
こういうような意味で、最小県としての私の就任ということにはなりますが、別に知事会は多士済々で、いろんな知事さん、バックグラウンドの方、能力の方がいらっしゃいますので、そういう方々にそれぞれ役割を分担していただきながら、私ども、総力としてこの挑戦に向かっていければというふうに考えております。
そういう中で重要なテーマは、議員がおっしゃいました地方分権、あるいは財政といったことではないかと思っております。議員のほうからは、地方分権の改革の歩みや現状について、どういうふうに評価をし、今後の方向性を考えているのか。また、
地方交付税について、その評価等、どうかということでのお話がございました。
この問題につきましては、議員も先ほど以前のお話をされまして、私もしみじみとお伺いをさせていただきました。平成11年の統一地方選挙で初当選を果たされました伊藤保県議におかれましては、町の時代の活躍というものがあり、そうした現場の中で見てきた地方分権の思い、あるいは財政の思いというものがございました。当時、私もこの県庁のほうに奉職をさせていただいておりまして、こういう分権なども担当をさせていただいたり、財政を担当させていただいたりということもありまして、折に触れていろいろと意見交換をさせていただいたり、勉強会的な私たちの調査をさせていただいたことを思い出すわけでございます。
当時、お話合いをさせていただいたとき、ちょうど平成11年の分権改革の法律が仕上がっていました。これはもともとは土光臨調の時代に細川護熙熊本県知事が委員に加わられまして、それで、臨調で行財政改革を政府としてやるに当たりまして、ただ削るだけでは何も意味がないわけでありますので、では、どういうふうにして、むしろパフォーマンスがよくて国民の満足が得られるような政治、行政というのをつくっていくか、そういう意味で、地方分権ということを最初に言い出したのがこの時期だったわけでございます。地方分権というのは、単に権限を分ける、国から地方へ権限を持っていくということではなくて、それと併せて、その住民に身近なところで自ら決定権を持っていくと。これによりまして、一定の限られた財源や資源であっても、それを十二分に活用しながら、最もその地域がやりたいことに挑戦をしていく。そういうことができるようにしようというのが本来の地方分権の理念であったはずであります。
こういうような考え方の下に、
地方分権改革の決議、地方分権推進決議というのが国会のほうでなされまして、これが平成5年の決議でありまして、平成7年には
地方分権推進委員会が政府の中で設けられ、議論がなされました。そうした様々な議論の結果として、機関委任事務を廃止して、自治事務や団体委任事務に替えていく。それから、理念としては、国と自治体とは対等のパートナーであると、こういうことを言いました。県と市町村も対等なパートナーであると。これが当時、喧伝されたことでございました。そういうようなことでの分権改革が進みまして、議員が初当選された頃には、これで一気に国と地方の関係が変わるだろうというふうに私たちも大いに期待をしたところであります。
ただ、結果として私たちが見たのは何だったのだろうかと思えるところもあります。と申しますのも、確かに機関委任事務が、自治事務、あるいは団体委任事務に変わりまして、それも一つ一つの国の関与が法定化されるということになりました。国会の関与ということが担保になったはずでありますけれども、現実には、機関委任事務でやっていたことについて、国に刃向かえば、国のほうから言わば代執行みたいなことをされることがなくなったぐらいで、ただ関係性が大いに変わったかというと、やはり政府のほうであれこれ政策を出しては、地方の自治体が振り回されると。財源が十分かというと、財源も十分ではないというようなことであったと思います。
そういう中で、平成15年には、いわゆる地財ショックと言われるようなことが起こってしまった。三位一体の改革は梶原知事会長もリードをされたことではあるのですけれども、結局国庫補助金の見直しで自由度が高まるはずではありましたが、計算上、交付税、それから地方税の合計額と合わないわけですね。結果としては、財源不足が極端に生じてしまいまして、地財ショックという言葉ができたということでもございました。その後、もう一度
地方分権改革をやり直そうということになって、平成18年に
地方分権改革推進法ができ、その後、政権交代がなされまして、議員がおっしゃったように、平成23年には分権改革一括法というものが出され、1次、2次と、そうした分権改革が進むことになりました。
このときに、いわゆる義務づけ、枠づけの見直しということがなされ、従うべき基準、参酌すべき基準などにカテゴライズされました。しかし、この改革で全部終わったかというと、従うべき基準に例えば教育だとか、福祉関係など、多くのものが残されてしまったわけですね。これは、政府と、その分権改革とのやり取りの中で決まってきたことでありまして、典型的にはよく言われる保育園の面積基準などは従うべき基準で残ってしまったがために、特に大都市で保育園、保育士不足ということになり、結局入園できないという待機児童の問題を生んできたわけであります。
その後、また、自民党政権になりまして、
地方分権改革の有識者会議が設置をされて、一つ一つ見直しをしていくということになり、私のほうでも委員として参画をさせていただきましたけれども、例えば訪問看護ステーションであるとか、それから、放課後児童クラブであるだとか、あるいは、農地規制だとか、それから、ハローワークであるだとか、いろんなところでまた改革は一歩一歩進められるということになったところでありますが、いまだ十分ではないところであります。
私自身も、
地方分権改革の有識者会議でもそうした発言を繰り返し、さらに、知事会のほうでも各知事の議論に基づきまして、もっと大きな分権の議論をすべきではないかという提起をさせていただいてきました。そういう中で、一つには、消費税の改革はなされたと思います。これによりまして、一般財源の面で、地方のほうに一定の前進はなされたのではないかと思われます。現に鳥取県としても税収については拡大ということになりました。しかし、残念ながら、そこにコロナがやってきてしまったというのが現状なわけですね。こういう財源面で若干のことはございましたけれども、もっと憲法問題も含めて、やはりこの分権については議論がなされるべきではないだろうか。これは知事会としても今後も主張していかなければならないところだろうと思います。
そういうような意味で、大きな課題として最近取り上げられているのが、計画づくりであります。結局計画を分権改革で平成11年に機関委任事務ということが改められまして、それで、自治的にやってもらう、あるいは団体委任でやってもらうというようなことになってくる。そうすると、法律をつくりまして、計画をつくれという手法がはやるのですね。計画をしっかりつくったところについては、補助金を出しますよというようなことにすると。補助金をもらわないと、これはできないような仕組みであって、昔であれば、国が負担金を払って、それで国庫補助制度等でやり、そういうようなことがなされていたものをそちらのほうに大分付け替えてくるわけですね。つくらざるを得ないというものになってくる。さらに、国のほうは、国会に言われることもあるのでしょうけれども、計画をつくっている団体、つくっていない団体の発表をしろと。これによりまして、結局計画をつくっていないということで新聞の見出しに出るものですから、つくらざるを得なくなる。計画をつくろうと思うと、1年も2年もかかるし、有識者をまとめてやっていかなくてはいけない、大変な手間になりますし、県議会でも、御覧のとおり、たくさんの計画が4回の会期を通じて出てくるということになってしまっています。これは実は急増しているのです。
こういうような仕事のやり方をもっと変えるべきではないだろうか。例えば環境問題でいえば、本県などは、条例に基づきまして環境イニシアチブプランという基本計画をつくっています。ただ、法律のほうでは、例えば生物多様性のものをつくれとか、廃棄物のものをつくれだとか、それから、今回、脱炭素社会ということがありますから、地球温暖化対策とか、それが議員立法も含めて、いろんな計画を求められるわけです。ただ、実は全部、環境イニシアチブプランの中に入っているわけですね。この辺はある意味、地方の現場のペースに任せていただいて、アウトプットのところで、この政策をやってもらいたいというところに端的に補助金を出すとかをしたらいいだけのことなので、そういうふうに改められないのかという、今点検作業を分権改革の中でも政府のほうでやってもらっています。今回は大分政府も取り上げていただいていまして、そちらのほうに動いてきているということでございますが、今年度いっぱいでどれだけ成果が上がるか、注目をしてまいりたいと思います。
交付税につきましてもそうでございますが、これも、
リーマンショック後、非常に財政逼迫するということがございましたけれども、実質的な
地方交付税については増えた時期というのも確かにございました。特に民主党政権のとき、伊藤議員に民主党の幹事長として、当時、窓口一本化というようなことが政府の方針としてありまして、毎夜のように、いろんな地方財政の要望だとか、整理をしていただきながら、国の中央のほうとつないでいただいたわけでありまして、そういう中で、一定の財政上の措置ということも得られていました。
議員のほうから御指摘がございましたように、
リーマンショック後の平成22年と比べて100億円ほど少ないということでありますが、私は今の1,568億円の今年度のこの総額自体は、ある程度確保できたのではないかと思っております。と申しますのも、実は
リーマンショックの頃、当時の政権の方針で、いろんな改革をされていました。一括交付金ということがございまして、この一括交付金をやる片方で、公共投資等の予算を減らすということを併せてやったわけです。ですから、そこで、実は財源的には、特に投資関係について、総額的には大分減った状況がございまして、そういうところなどと組み合わせて、この交付税の額が確保されていますので、その辺をやはり見なければならないと思います。ただ、当時の民主党政権でも、当時の
リーマンショック後の経済状況ということもあって、特別の枠をつくっていただいたり、いろんな工夫もしていただきました。ただ、正直、やりくりという面では難しいところもあったと記憶しています。現在も非常にやりくりの難しいところではあるのですけれども、片方で、
新型コロナ関係で、地方創生臨時交付金だとか、包括支援交付金というようなものが出されていまして、こういうもので、ある程度円滑にコロナ対策を行うことができているということは御報告できようかと思います。
今、交付税について一定程度確保できているというのは、地方創生を実現するための財政基盤を確立しようと、11の道県の知事で同盟を組みまして、要請活動をしてまいりました。これに基づきまして、今、地域再生の枠として4,200億円、国のほうで確保していただきました。それに地域デジタル化で2,000億円の交付税の枠を確保していただいていまして、これの配分がやはり大きいと思います。これで、私どものほうでも一定程度確保でき、特に今年度は予算との関係でいきますと30億円ほど上振れした、そうした交付税の確保になりましたので、今年度中の財源については、一定のめどは立ったというふうに考えております。
ただ、今後もやはり大きな意味で、国と地方の財政の在り方、分権の観点で議論していかなければならないと思います。例えば今後年金がどうなるのかとか、いろいろと将来にわたって大きな国財政の問題が出てきます。それから、連動して、当然ながら、75歳以上の後期高齢者の割合が高まってくる、団塊の世代が移ってくるということになってきますと、医療費負担や社会保障等の経費負担もありましょうし、また、少子化対策等での子供たちの一定の枠を取っていかなければならない。貧困の問題、生活苦の問題ということもあります。真の地方分権は財政基盤を確保した上でないと実行できないものでありますので、そういう意味でいいますと、やはり財政のフレームというものも併せて、この辺についての議論は、今後も展開していきたいというふうに考えております。
次に、過疎対策につきましてお尋ねがございました。これまでの過疎法と大きく変わってきたのはどういうところにあるのだろうかと、こういうことでございます。
過疎地域の
持続的発展に関する
特別措置法というものがこのたび国会のほうで成立をしました。これは、過去の過疎法と同じように、議員立法で成立をしたものでございます。これまでの過疎法というのは、地域間格差を是正していくということ、すなわち後進性の打破のようなところに重点が置かれていたと思います。今回は、その考え方を
持続的発展、SDGs的なコンセプトに付け替えをしているということがございます。あわせまして、新たな視点として、やはり人材の育成であるとか、それから、デジタル社会であるとか、そうしたことなども取り入れております。あと、我々、実務として重要なのは基準年が変更になりました。昭和35年で基準年を取っていました。そこからの人口異動というものを見ていたのですが、その後、人口の出入りがあって、安定したのが昭和50年であると。こういうような認識の下に、昭和50年を新しい基準年にされました。これで、全国について、地域指定で大きな変化ができたところであります。こういうようなことで、本県としても
持続的発展についての
過疎地域持続的発展方針というものを策定させていただき、これに基づいて今市町村が過疎計画をつくっているところでございます。
本県のそうした方針の中でも、先ほど申し上げましたような、人材確保であるとか、それから、これからの新しい
ウィズコロナ、
ポストコロナを考えますと、関係人口だとか、それからワーケーションだとか、そういうような新たな視点なども取り組ませていただいております。それから、地域としては、都市部でも鳥取市では新たに河原が加わりまして、それから、倉吉市でも関金が加わりました。また、町村でも琴浦町の赤碕、北栄町の大栄、また、八頭町の船岡が新たな追加指定になりました。これは、昭和50年が基準年になりまして、その辺の追加がありまして、本県の場合は指定落ちはありません。したがいまして、過疎対策としては、非常に前進した内容になったのではないかと、議員立法に携わられました関係者各位にお礼を申し上げる次第でございます。
いずれにいたしましても、今これに基づきまして、市町村のほうで過疎計画をつくっていただいておりまして、既に琴浦町などは本県との協議もなさっておられまして、それぞれに今、具体像をつくりつつあるところであります。私どもとしても、新たな過疎法の理念に基づきまして、フォローアップをさせていただきたいと思っております。
次に、
強度行動障害につきましてお尋ねが何点かございました。
卒業後の行き場のない子供たちについての現状認識と対応はいかがであるか。さらには、
強度行動障害について、在宅支援の充実や施設の受入れの充実、双方が必要ではないかというお尋ねでございます。
強度行動障害というのは、いろんな要因、特徴があるというふうに言われているわけであります。例えば非常に過敏であるとか、それから、ある意味パターン化して固執性があるとか、それから、衝動的な行動に走るというようなことがあるとか、それから、注意の欠陥ということがある等々が言われます。その理由ないし分析として、最近までの研究や実務の中である程度の共通認識が生まれてきています。これはやはり小さな子供の頃からその萌芽があるということですね。そして、それが思春期において、言わば顕在化して、強度化してくると。その多くは自閉症スペクトラム等、一定の知的障害等が関与しているところがあるというようなことであります。
そこで、例えば本県でやっているように、1歳半の子供の健診だとか、3歳児だとか、そうしたところである程度端緒が見えるということがございます。こういうものが非常に重要であって、本県がそういうことを重要視していることは、ある意味正しい方向性だったのかなと思います。また、医学的アプローチというものも重要だというふうに実務上言われていたり、それから、特に個々の障害者によって特性がそれぞれ異なるので、その個々の特性に従った、即したメニューを考えていかなければいけないと。その個々人にとりまして、伝え方、コミュニケーションの仕方がやはり違う。それから、その個々人が好む環境というものを大事にしてあげる。こういうことがやはり重要だというふうに識者の間で分析をされているところであります。そういう中では、リラックスできる環境づくりであるとか、それから、それぞれの方の言わば自尊心といいますか、個としてのプライド、こだわりがあるものがあって、それは全然悪いことではないのですね。中にはそこから芸術が生まれたり、いろんな創造性を発揮したりということにもつながってきますし、そういう意味で、個性として大切にする、そういう仕掛けというものが必要ではないかということであります。
そういう意味で、議員がおっしゃるように、施設のことと、それから、ソフト的な処遇のことと両面にわたって今後も発展させていく必要があるだろうと。こういうような状況の中で、現状、本県はどうなっているかということですが、議員から皆成学園のお話がございました。いわゆる加齢児といいますが、所定年齢を過ぎてもそこに入所している子供たちというものは、最近もやはり一定程度見受けられるところであります。これは、議員は実情をよく御存じなので、お分かりの上でおっしゃっていると思うのですが、それぞれの子供に即した次の行き先というものを探すのは結構大変でありますし、そこに言わば移っていくに当たりましても、個別のケーススタディのようなことをして処遇を決めていかなければいけないのですね。こういうようなことを一つ一つ丁寧にやるものですから、そう簡単な作業ではありません。
そういう中、最近どうかというと、令和2年度は、皆成学園7名卒園ということでありますけれども、その7名とも施設であるとか、在宅であるだとか、そうしたところで全て落ち着きました。だから、全員、入られて、何らかの形で次に移られまして、それで、加齢児というのは生まれていないと。ただ、令和元年度におきましては、加齢児が4名発生しているということでございます。事ほどさようで、ちょっと年によってやはり個性がありますので、スムーズに移行したところもあれば、そうでない時期もあります。
皆成学園では、かつて滋賀の近江学園との交流ということをずっとやっていたのですね。それで、糸賀一雄先生の生誕100年を機会にしまして、こういう交流事業をもう一度盛んにして、それで、そのノウハウの再注入ということを図っております。そういう中で、そうした
強度行動障害の支援や処遇の検討会を令和元年度にもやるなどして、改善を今進めているところであります。例えばそういう中でさせていただいておりますのは、高等部の在籍中に、この子に対してはどういうような形が必要なのか、その障害区分認定というのを、これは実は市町村がやるのですね。こことのコミュニケーションということを取っていく。それから、高等部3年のときにどういうような福祉サービスを受けるか、それの申請をしてもらって、決定をしていくという手続に入ります。これも市町村がやるところです。だから、皆成学園と、市町村だとか関係者の間でこういうことを共同作業で丁寧にやっていく、これが一つ重要なポイントになってきます。
施設ということで今後の方向性でいえば、やはり先ほど申しましたように、それぞれの人がリラックスできる環境だとか、それから、個性を大切にするということがありまして、必ずしも集団生活をさせればいいということではないと、最近の福祉の流れになってきています。そういう意味で、その折衷的なグループホームというのが重要ではないか。これについては、私どものほうで、社会福祉施設の整備事業の補助制度を国共同でやっているものがありますが、それに加えて、県のほうで単独事業として、こういう
強度行動障害のほうの採択基準を上げたり、それから、対象の費用というものを変えたりということを進めておりますし、また、こういう
強度行動障害の方を受け入れる施設に対する割増し経費ですね、これの支援制度というものもスタートをさせていただいております。こういうようなことに加えまして、今後の新しい方向性として、例えば夜間の処遇について、もう一つ、対策を取ったほうがよいのではないかとか、それから、例えばグループホーム等に入られるにしても、体験利用というのがあります。いきなり新しい環境に行くものですから、それに対してある程度ちゃんと備えをしながら、体験利用をして、それでよければ、その後も継続ということになる。その最初のタイミングというのは非常に重要なので、こういう体験利用に対する支援制度なども考える必要があるのではないかというふうに考えております。
特にこういう
強度行動障害に対する処遇については、特別のやはり支援員の実務、技量というものもありますので、こういう研修制度というものを私どものほうでも最近は重ねてきておりまして、こういうところで育った方を中心にして、例えば在宅でのケアの指導をする、こうしたことにも取り組み始めているモデル事業もスタートさせています。非常にこれはやはり評判もいいですし、その後の接し方も変わってきて、スムーズに在宅移行ができるようなことになってきています。この辺をいろいろと組み合わせながら、議員がおっしゃるように、施設系と在宅系と、それぞれに対策を進めてまいりたいと思います。
◯議長(内田博長君)暫時休憩いたします。
再開は11時35分といたします。
午前11時27分休憩
────────────────
午前11時35分再開
◯議長(内田博長君)会議を再開いたします。
30番
伊藤保議員
◯30番(伊藤保君)るる答弁いただきました。
ワクチン接種なのですけれども、8割を目指すということでありますし、ブースター接種については11月以降ということが出ました。
既にテレビなどでブースター接種についての情報が流れているわけですから、高齢者の皆さんが、3回目はいつから注射を打てるのですかということの問合せが医療関係機関にかなりあるらしくて、ブースター接種については11月以降になりますよということをやはりどこかでしっかりと県民の皆さんにアナウンスすることが必要ではないかなというふうに思っていますし、もう一度それに向けて接種の体制を整えていただきたいなと思っています。特に医療機関の皆さんは一生懸命やっていただいているのですけれども、歯科医の皆さんも本当に集団接種会場等に休日に出かけていって接種していただいております。本当に歯科医の皆さん方にも私は感謝申し上げたいなというふうに思っております。
そうした中で、このたびの第五波の中で、やはり一番問題になりましたのは、若い人の接種ということでありました。しかしながら、インターネット上で、まだそうですけれども、不妊になるとか、流産するとか、感染する、科学的な根拠がないとして専門家が否定している情報がまだまだ広がっております。また、知事も御覧になられたかと思いますけれども、新聞折り込みにも
ワクチン接種に反対するチラシが入っておりました。これは東京のほうのお医者さんですかね。もちろん個人の考えや
ワクチン接種をしたくてもできない人をはじめ、様々な事情によりまして
ワクチン接種を受けていない人に対して、接種を強要したり、差別的な扱いをすることが絶対にあってはなりません。あくまでも
ワクチン接種は本人の意思に基づいて行うものですけれども、その判断が誤った情報によって行われるということは、私はあってはならないというふうに思っております。
県でもインターネットを監視して、誤った情報を打ち消す取組が行われております。若年層への接種が本格化しておりますけれども、行政としても県内にある大学と連携して、いわゆるデマ対策を含め、不安を抱いている大学生はじめ、若い人に感染後の後遺症などを丁寧に説明するとともに、ワクチンの有効性を正しくアナウンスすることが重要だと思いますけれども、知事の所見をお伺いしたいと思います。
また、もう1点、7月にワクチンの接種の対象年齢が12歳以上に引き下げられました。また、今度は、何かもう5歳以上とかなんとか、もう既に次の話が出ておりますけれども、いわゆる子供たちは各家庭で保護者とよく相談して接種するかどうか判断するわけですけれども、そうした中でインターネットをはじめ、社会にあふれる情報の中で、誤った情報に振り回されるのではないかということを心配しています。
そうした中で、私はこのコロナ禍の中で、やはり学校現場でも、インターネットの扱いについて教育しておられますけれども、このコロナ禍にあって、いわゆる情報をうのみにしない、やはりきちんと正しい情報を見抜く、そういう力を学校現場では子供たちにつけさせる、そういうことをやっていただきたいなということであります。そして、真意ではない情報を広めない、他人に広めない、やはりこういうことも私は大切だと思っております。
したがって、こうした情報に接する際には、基本的な態度、心得がどこまで私は学校で定着しているのか、定かでありませんけれども、これまで学校において、インターネットの適切な接し方について、啓発はじめ、情報収集、分析能力の向上、情報モラルの意識向上等の取組が行われていると思いますけれども、現状と今後の取組について、教育長にお伺いしたいと思います。
◯議長(内田博長君)答弁を求めます。
平井知事
◯知事(平井伸治君)(登壇)伊藤議員から重ねて、ワクチンにつきましてお尋ねがございました。
歯科医師、あるいは薬剤師等、医師や看護師以外にも大変な方に御協力いただいていることに感謝を申し上げたいと思います。
このデマの問題でございますけれども、先般、読売新聞にも出ていましたが、兵庫県の医師がある程度主導しながら、海外、アメリカ等で出されている、そういう情報を出されると。それにまたフォロワーがいっぱいいて、たくさん広がっているというような構図ではないかと。こういうような分析記事がございました。それから、NHKなどでも報道していますが、エコーチェンバーという現象、ネットを見ますと、自分に都合のいい情報だけが目に見えるようになっている。そういうことで、ますます自信を深めて、少数者ほどたくさんリツイートなど、発信をするということがあります。こういうことがワクチンについても起こっているので、それを割とSNSを見る若者にとりましては不安の材料になってしまうということかと思います。
今、本県では、全ての大学で職域接種をしていただいていまして、環境大学では73%の方が接種を終えています。それから、鳥短や看護大学も7割ぐらい、看護大学の場合は、さらに医療従事者での接種もあると思いますから、もっと大きい数字になっているかと思います。このような形で、ある程度順調に進んでいて、大学も関与しながら、自分のところのソーシャルネットワークなども使って周知を図り、こうやってワクチンのほうに結びつけてきているところです。これはさらに多くの若者たちにも広げていかなければならないものですから、先ほどもコマーシャルのお話を申し上げましたが、今日から、漫画の入ったチラシ、リーフレットを作りまして、そこに副反応のことだとか、ワクチンの効果だとか、そういうことも記載をいたしまして、これを若い方々に届くように、学校なども含めて、配布をするというふうにさせていただいております。また、SNSを通じた情報発信であるとか、若い方々による体験談、こういうものも入れる、そういうソーシャルメディアを通じた情報発信もしていく方向にいたしております。
恐らくこの9月、10月ぐらいが非常にそうした
ワクチン接種、若い方々に積極的に応じていただくためには重要な期間だと思いますので、啓発活動を徹底してまいりたいと思います。そのようにして、議員のほうでおっしゃいました8割方、来月末で接種対象人口の皆さんが接種を終えていただけるように、県としても全力を挙げてまいりたいと思います。
◯議長(内田博長君)足羽教育長
◯教育委員会教育長(足羽英樹君)伊藤議員の代表質問にお答え申し上げます。
私のほうには、情報に接する際の基本的な態度ですとか、情報モラルについて、現状、そして、今後の取組ということでお尋ねがございました。
議員御指摘のとおり、信頼性の高い情報をしっかり見抜く力というのが本当に必要なことだろうというふうに思っております。現状としまして、小中学校では、情報モラル等を学ぶ教科、科目はございませんが、全校で全体計画をきちっと、この情報に関する計画をつくる中、国語や社会、または総合的な学習の中で情報への接し方ですとか、あるいは情報を活用する際のルール、マナー、これらを教材の中から引き出して学ぶというふうな工夫をしております。また、それが高校段階になりますと、今度は教科、情報というのを全生徒が学ぶこととなっております。発達段階に応じて、専門的な情報の、先ほどおっしゃったような是非、正しい情報をしっかり見抜くにはというふうな専門的な学習を進めたり、さらには、入学と同時にスマートフォンを手にする高校生が非常に多くございます。入学の際の説明会で、保護者と一緒に専門家を招いての講演等で啓発を図ったりしているところでございます。
今後の課題としましては、つい先日も、この1人1台端末が配付された、それを契機とした大変残念な事案が全国でも発生しております。本当に心からお悔やみを申し上げたいと思いますが、そういう意味では、学校のアンテナを上げた指導ももちろんですが、家庭や地域を巻き込んだ取組で、今後、この情報モラルをより徹底していくことが必要だろうというふうに思っておるところでございます。
現在も、インターネット、情報のモラルエデュケーターを学校に派遣したり、あるいは連携推進協議会と連携をした学習ノートを作って、家庭への発信というふうなことも進めているところではございますが、大事なことは、このコロナ関係だけではなく、何が課題なのかを子供たち自身が考え、調べ、そして、自分で判断する力を様々な場面でつくっていくことがこの情報モラルに関しても、あるいはコロナ対応に関しても大きな力を発揮するものというふうに思っております。全ての学習活動、教育活動の中でのそうした自ら考える力をつける教育を推進してまいりたいと思っております。
◯議長(内田博長君)30番伊藤議員
◯30番(伊藤保君)ありがとうございました。
先ほども言いましたけれども、ワクチンを打ちたいけれども打てない人、それからどうしても打ちたくない人、こういう人の人権というのはしっかりと守っていただきたいと思いますし、それを理解しながら、県民の皆さんにも、しっかりとオール鳥取でこの感染対策に向き合っていただきたいなと思っています。県庁だけではできませんので、多くの関係者の皆さんの御理解をいただきながら取組を進めていただきたいなというふうに思っております。
続きまして、
全国知事会の関連について、質問したいと思います。
これまで、知事は休みなく県内を東奔西走されまして、県政に携わってこられましたけれども、今度は知事会を代表され、政府との折衝機会が非常に多くなり、これまで以上、苛酷な日程に知事の健康も心配されるところでありますけれども、一方で、県政推進との両立について懸念される声も聞かれるわけであります。これについてどう対応されていくのか、お伺いしたいと思います。
これは聞くのをやめようかなと思ったのですけれども、この前の代表質問で副知事の決意は聞いたのですけれども、さらなる知事の多忙が想定される中で、亀井副知事、本当に補佐役として、かなり多くの業務が回ってくるというふうに思っております。最近見てみますと、風格も大分出てきたようでありますし、心に秘めた思いをもう少し語っていただいたらというふうに思っております。
◯議長(内田博長君)答弁を求めます。
平井知事
◯知事(平井伸治君)(登壇)亀井副知事のほうから併せて御発言申し上げたいと思いますが、まず、ワクチンにつきましては、議員がおっしゃるとおり、ワクチンを打てない人がいる。特にアレルギー等もありまして、そういう場合には、アストラゼネカというものもこのたびスタートをさせていただきましたし、特に人権に配慮した進め方になるように、この点はよく注意をしてまいりたいと思います。
また、お年寄りの皆さんがブースター接種の心配をされるということでありますが、相場観としては11月以降、そうしたことになってくるのでないかと思いますが、何せこれは国の仕組みでありますので、まずは安全性など、仕組みが整った上で、我々としては、速やかに市町村と協力をしながら、周知徹底を図ってまいりたいと考えております。多くの方々の御協力をいただきながら、
ワクチン接種を進めていければと思います。
全国知事会用務につきましては、当然ながら、ある程度は業務負担が出てくるところでございますけれども、片方で、スクラップ・アンド・ビルドにしていくところもあります。例えば社会保障
常任委員会とか、それから、
新型コロナの
本部長代行につきましては、福島県の内堀知事のほうに引き継いでいただきましたし、さらに、地方分権の特別委員長や分権改革の議員につきましては、広島県の湯崎知事のほうに引き継いでいただくことにいたしました。こういうようにいたしますと、かなりの部分がそっくり県庁の業務から、むしろ他県のほうに移っていくことになります。
ただ、私どものほうでも、重要なところはてこ入れもしていきますので、県内の体制も、課長級と、あと、それ以外とそれぞれ1人ずつ増やした形で増強をしながら、庁内に知事会の連携本部をこのたび創設をさせていただきました。こうしたところで、言わば支えていただきながら、円滑に知事会の業務をこなして、二足のわらじを履いてまいりたいというふうに考えております。
◯議長(内田博長君)亀井副知事
◯副知事(亀井一賀君)
全国知事会の関係の前に、ワクチンと人権の関係をちょっと一言だけ述べさせていただきたいと思いますけれども、総務部長をしておりました関係で、人権につきましては、しっかりと認識をした上で、やはり今問題になっております、伊藤議員もおっしゃいましたワクチンを打ちたくても打てない、あるいは打たない、そういったことはきっちりと尊重していかなければいけない。これから経済を回していこうということが一層強くなりますと、さらにそういったところの打っている打っていない、そういったところが顕在化してくる。そういったことも出てこようかと思いますので、副知事といたしましても、しっかりとその辺は意識をして、県内で差別的な事象でありますとか、そういったことが起きないように、しっかりと広報、PR、あるいは意識啓発を心がけてまいりたい。そういったことをやっていくようにきっちりと指導していきたいというふうに思います。
次に、伊藤議員のほうからは、秘めたる思いという言い方でおっしゃったわけでありますけれども、前回、藤井議員の代表質問のときにもお答えしましたように、知事が
全国知事会の業務というのが新たに付加はされるのですけれども、先ほど知事もおっしゃいましたように、こういったところにつきましては、県庁の中でも連携、調整の本部、そういったものをつくりまして、しっかりとそれを支えていくということであります。
御質問で、御心配いただいております県政課題についてのアプローチ、そういったところについてのフォローということでありますけれども、そこにつきましても、先般も代表質問でお答えしましたように、亀井個人としてしっかりと支えていく、知事と役割を分担して支えていくというところはそうなのでありますけれども、意識をしたいのは、個人の力というよりは、県庁の力、県庁のチーム力でしっかりと支えていきたいというところであります。
その点で、1点だけお話ししておきたいのが、2年前ぐらいに伊藤議員の一般質問で、県庁の人材育成につきまして御質問をされました。その際には、トップダウンと、それからボトムアップとうまくそれを結びつけて、特にボトムアップの際に、しっかりと打ち返すだけではなくて、自ら球をしっかりと出すような職員というのをつくっていかないといけないと。それから、あわせまして、30代、40代のところが少し以前に比べるとそういった力というのが落ちてきているように見えるといった御質問がありまして、それに対しまして、やはり人材育成をしっかりしていかなければいけない、そういった答弁をさせていただいたときであります。ちょうど行財政改革局長のときでありましたので、その2年前のときから、そういったところを心がけながら、やはり県庁の仕事の仕方、それから、人の育成を注意してきたというのがこの2年でありました。副知事になりまして、知事を支えるに当たりましては、やはり県庁全体でそういった人を育てながら、個人の力というのもあるのですけれども、組織として、チームとしてしっかりと底上げをしながら県政を支えていく。そういったことがそれぞれの個人の力のパワーアップにもなりますし、県庁全体の力の底上げにもなりますので、そういったことをうまくかませながら、平井知事を支えていく。そういった形に持っていきたいというふうに考えております。御指導いただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
◯議長(内田博長君)30番伊藤議員
◯30番(伊藤保君)それぞれ答弁をいただきました。特に亀井副知事は、やはり行財政改革局長をしておられただけあって、職員の育成についても熱い思いがあるようでありますので、期待したいと思いますし、知事も本当に大変だと思います。誰かがやらなければならない仕事でありますし、知事の感性を大いに発揮して頑張っていただきたいと思っております。留守中は、先ほど元気よく答えられた亀井副知事が控えていますから、安心して頑張っていただきたいなと思っております。
続いて、
地方分権改革の推進について、2点ほどお尋ねしたいと思います。
国と地方の協議の場が平成23年4月に法制化されてから10年たちました。特定の分野別に調査、検討を行うことができる分科会が設置されたのは平成23年度に4回開催された社会保障・税一体改革分科会のみとなっておりますので、今後はぜひ分科会を積極的に活用していただきたいなというふうに思っております。例えば
地方分権改革の実効性を高めるため、これまでの成果、課題を総括し、今後の
地方分権改革の方向性を協議する分科会を設置されてはどうかと思いますけれども、知事の所見をお伺いしたいと思います。
もう1点は、平成26年度以降、提案募集方式による見直しが行われておりますが、そもそも
地方自治体との調整が十分に行われないまま、地域の実情に合わない基準や地方に過度な負担を求める計画が次々と誕生していることが私は問題だというふうに思っております。一度決定された基準や事務を見直すには、多大な時間と労力を要しますので、事後的な対応でなく、国の政策形成段階に地方が参加する仕組みを私は充実していく必要があるというふうに思いますけれども、知事の所見をお伺いしたいと思います。
◯議長(内田博長君)答弁を求めます。
平井知事
◯知事(平井伸治君)(登壇)伊藤議員から重ねてお尋ねがございました。
国、地方の協議の場につきましては、民主党政権ができた後、平成21年に、国、地方協議の場の設置の勧告がなされ、平成23年に法制化がなされました。これにつきましては、当時、橋下大阪府知事なども結構騒いでいたのかなとちょっと記憶していますけれども、我々知事会側では、やはり国と地方とのいろんな政策協議ということをやらなければいけないのではないか。例えば地財のこともそうでありますし、
地域づくりのことも当然でありますし、そうしたことで要求をしていたのですが、国のほうでも認められまして、それまで六団体は一定程度の協議の権能が与えられていましたけれども、こういう定例的な形での国、地方協議が明確化されたということになったのは、当時画期的だったと思います。
ただ、分科会につきましては、今、社会保障と税の関係で開かれた時期があるぐらいで、基本的には開かれていないです。それから、議員のほうでお話がありました計画なども、その政策づくりの段階で入って、国と地方の間で調整が図られてしかるべきであります。ですから、我々、知事会のほうで提案を申し上げておりますのは、例えば国会のほうで、委員会などの場を活用して、やはりそうした地方団体の意見と調整するような、そういう機関が必要ではないかという提案をさせていただいたり、それから、国、地方の協議の場でも分科会をもっと多用して、こういうものが活用できないか、こういうような提言もさせていただいているところでございます。
現在、
新型コロナにつきましては、大臣級での折衝の場を持たせていただいておりまして、私も度々、今日は田村厚労大臣とやりますが、西村大臣や河野大臣と折衝をさせていただけるようになりました。以前と違って、こういうような場が設けられるようになってきたのは、事実上、国、地方協議の場の分科会のような形が生まれてきているのかなというふうに思っております。
コロナのみならず、例えば教育問題でもこういう場がつくられたり、それから、環境大臣も参画をしながら、環境についての議論がなされるような場に地方のほうから参画をさせていただく。今だんだんとそのように動いてきているところであります。できれば、こうしたことをもっと意識的に制度化し、中核の意思決定のやり方として、国としても取り組んでいただけるように、知事会としても求めてまいりたいと思います。
◯議長(内田博長君)30番伊藤議員
◯30番(伊藤保君)大分時間が経過しました。どんどん進みたいと思います。
地方交付税の確保についてですけれども、
リーマンショックから、地方の再生を目的に、当時、歳出特別枠がつくられまして、本当に地方財源に大きな役割を私は果たしたと思っております。このコロナ禍にあって、コロナ対策やコロナ対策後の地域再生対策には、やはり地方が自由に使えるコロナ特別歳出枠を
地方交付税の中に私は設けていただくことが必要でないかというふうに思います。
知事には、
全国知事会の会長としてもぜひとも国に働きかけをお願いしたいと思いますけれども、知事の所見をお伺いしたいと思います。
◯議長(内田博長君)答弁を求めます。
平井知事
◯知事(平井伸治君)(登壇)議員のほうからお話がございましたように、かつて
リーマンショック後、民主党政権の頃、地方歳出特別枠というものを設けていただきました。こういうことで、一定の交付税の措置ができたと思います。ただ、当時の状況としては、一括交付金の問題が片方でありまして、4兆円ぐらい公共投資を削って、それで、1兆円ぐらい一括交付金ができる。そこでかなりの財源不足が生じたものが交付税のほうにしわ寄せが行っていまして、なかなか我々現場としては痛しかゆしの状況もあったところであります。ただ、その歳出特別枠も今なくなってしまっておりまして、これに代わるものが必要だということで、私ども、11道県で要求をした結果、地域再生の4,200億円の枠ができたと。これが今交付税を少し戻した格好になっているというところです。
コロナにつきましては、現在、地方創生の臨時交付金で260億円、それから、包括支援交付金で200億円、それぞれ国からの交付決定を私ども鳥取県のほうでは受けているところです。これがやはり使い道としては、コロナに充てたり、あるいは事業者支援に充てたりということで、活用できているところでありまして、私ども地方側としては、この形をぜひ当面は大事にしてもらうのかなと思います。ただ、いずれ、このコロナが常態化してきて、尾身先生も2~3年かかると言っていますから、そうしたときに交付金が仮になくなるということになるのであれば、やはり交付税などでの積み増し、枠の設定ということが必要になるのではないか。こういうように地方財政対策としても、知事会や地方六団体で今後の運動を展開していく必要があると認識をいたしております。
◯議長(内田博長君)30番伊藤議員
◯30番(伊藤保君)交付金がこれはいつまで続くか分かりませんけれども、やはり終わった後、本当にこのコロナの中から地域が再生する、そういう意味の中で、地域、地方の事情はいろいろ違うと思うのですよね。やはりそういう意味で、自由に使える、そういう交付金というものを特別枠でつくっていただいたほうが、私は本当にいいと思いますし、やはりそういうことをぜひ知事会としても共有していただきたいということだけをお願いしておきたいと思います。
次に、過疎地域の
持続的発展の支援に関する
特別措置法について、2点ほどお伺いします。
鳥取県
過疎地域持続的発展方針を策定するのに伴い、県はパブリックコメントを募集されましたが、寄せられた意見には、まさに地域の思いが込められたものばかりでありました。以前は、小さい自治体でも役場があり、農協があり、郵便局があり、商工会があり、地域の若者の就労の受皿となり、地域を支えてきた部分がありましたが、無駄の削減、合理化の推進の中で、廃止や統廃合が進み、若い人の就労の場が少なくなることにより、地域の過疎化が急激に進行したと思っております。また、過疎化に拍車をかけた要因の一つとして、各自治体の住宅政策、競争のように住宅団地が次々とつくられる中、より生活が便利な都市部に若い人が生活の拠点を求めることにより、中山間地域から若者が流出し、過疎化が速いスピードで進んだと私は思っております。
今こそ過疎地域を持続可能なものにするためには、まずは、就労の場の確保であろうと思っております。過疎地域に進出する企業には当然いろいろなリスクがある中、進出していただくわけですから、一定の期間は法人税や法人住民税、法人事業税をゼロに近い優遇措置をしながらでも、過疎地域に就労の場を確保することができないものかと思いますけれども、知事の所見をお伺いしたいと思います。
また、地域の農地を守り、自然環境を守り、専業農家だけに頼ることなく、兼業農家を育成、支援することによって、持続的な地域の生活環境保全が可能であり、改めて兼業農家の育成、支援策を具体的に検討すべきでないかと思いますけれども、知事の所見をお伺いいたします。
もう1点、新たに新過疎法の指定を受けたところは、先ほど言いましたように、増えました。過疎法の指定を受けてよかった、よかった、国庫補助金のかさ上げはあるし、過疎債が使えるでは、過疎法の本来の目的ではないはずです。将来は、この過疎法の指定から外れる
地域づくり、政策が求められているものと思っております。
新過疎法の指定を受けられた市町と県で、過疎法本来の意義と目的をやはり改めて共有すべきと思いますけれども、知事の所見をお伺いしたいと思います。
◯議長(内田博長君)答弁を求めます。
平井知事
◯知事(平井伸治君)(登壇)伊藤議員から重ねて過疎対策につきましてお尋ねがございました。
新たな過疎法の目指すところ、この理念は、やはり市町村とも十分共有をしていかなければならないと思います。単にこれまでの後進性の打破のような地域間格差ということだけではなくて、持続的な発展のためにどういうふうに産業や地域おこしをやっていくのか。そういう中に新たな産業創造だとか、これは農林水産業も含めて、活力を持っていく。さらには、人を育成していく。こうしたことに取り組むことをぜひ共有をさせていただきたいと思います。
その上で、さらに2つほど、産業の関係と農業の関係につきましてお尋ねがございました。
産業振興として、新しい企業の立地、あるいは設備の敷設、こういうものが企業活動として雇用を抱える重要な契機になります。そこで、本県としても、産業成長応援事業の中で、こういう対策を取れるようにしてまいったところであります。最近も明治製作所さんだとか、テクノメタルさんなどを含めまして、県中部でもこれを活用して施設の増設等を、コロナにもかかわらず、進めていただいているところもございます。
税のお話がありましたが、恐らく法人税につきましては所得課税でありますので、都会と違いますので、結構赤字法人が多かったり、所得額がそんなに多くない。ですから、法人税をまけるよりも、こういう補助金のほうで補助率の上乗せなり、措置をしたほうが多分いいのではないかと思っています。そういう中でも、税金につきましては、6月県議会にも提案をさせていただきましたが、過疎地域や中山間地域における施設関係の不動産取得税とか、そういう対策も強化をさせていただいたり、国が若干撤退ぎみのところがありますが、本県のほうはそこらはさらに維持をしたり、発展をしようということにしております。
議員のほうの御指摘もございましたので、随時、税制上の特例も含めて、中山間地、過疎地域における産業振興の支援策、その強化、拡充を図ってまいりたいと思います。
農業につきましては、兼業農家を中心として、どういうように育成を図り、農地の保全を図っていくのかは重要なテーマであります。かつて人・農地プランということを始められまして、農村の在り方を変え、人材育成、担い手をつくっていこうというふうにシフトをしてきました。大きな流れは今も継承されていると思います。
そういう中で、最近でも、例えば立子地区におきまして、農事組合法人が設定をされまして、お米だとか、そういう作物を共同作業でやるようになってきていると。これは結局、兼業農家でも、みんなでまとまって、中核農家の下にしていく仕組みというものの一つの例でございますけれども、ここ数年でこういうものが県内各地でかなり育ってきているところであります。ぜひこういうようなことを通じまして、兼業農家も含めた地域の振興策、農業の応援につなげていければと思います。
実は今注目していますのは、政府が少し考え方を変えてきていることです。それは、さっきの人・農地プランのようなことがございましたが、その辺をこのたびの閣議決定等で、農業・農村等の基本計画を改めてきております。そこでは、半農半Xと言われるようなことも含めて支援策を考えようとしているということです。まだ予算も概括的なものでありまして、詳細は分からないのですが、半農半Xというのは要は兼業農家ですから、そういう兼業農家も重要視しながらやっていこうというふうに、少し政策をシフトしようと今しているところでございまして、この動きにぜひ注目をしていきたいと思いますし、こういう政府の新しい新年度に向けた予算編成を横目でにらみながら、県としての支援策も考えてまいりたいと思います。
◯議長(内田博長君)30番伊藤議員
◯30番(伊藤保君)新しい過疎法の中で、これまでと違った大胆な政策をそれぞれの自治体に私は期待をしていきたいというふうに思っております。
最後ですけれども、
強度行動障害者への対応について、2点ほど質問をしたいと思います。
先ほど申し上げましたように、
強度行動障害は、初めからあるのではなく、様々な要因によってつくられる二次障害であると言われております。障害の特性により、情報や刺激が偏ったり、分かりにくい独特な形で入ってくることによって、分からないの積み重ねになったり、伝えたいことを言葉ではない独特の表現や行動を通して伝えようとすることによる、伝わらないの積み重ねによって、
強度行動障害が起こるそうであります。
起こってしまってから対処するのでは、本人もつらく、支援者もその対応に苦慮することになります。小さい頃から本人の特性を周囲が理解し、本人が安心して暮らすことができる環境や持っている能力を伸ばしていくことができる支援が大切だと言われておりますが、現状の課題、今後の対応について、知事の所見をお伺いしたいと思います。
もう1点は、今社会全体で取り組んでいるSDGsの理念である誰一人残さない社会の観点からすると、国のさらなる法整備、支援策も必要でありますが、県としても早急に施設整備を含め、できる支援策の在り方を検討していただきたいと思いますけれども、知事の所見をお伺いしたいと思います。
◯議長(内田博長君)答弁を求めます。
平井知事
◯知事(平井伸治君)(登壇)議員のほうから、
強度行動障害につきまして重ねてお尋ねがございました。
先ほどもちょっとメカニズムについてお話を申し上げましたが、やはり幼少期からずっとつながった上でのそうした一定の障害のパターンであろうかと考えられています。そういう意味で、リラックスできる環境づくり、それから、個々を大切にした処遇などが重要であります。
そういう意味で、それをできる人材育成ですね。例えば放課後デイサービス、こういうところで受け入れるに当たりまして、
強度行動障害のお子様に対しては、やはり特殊な技量というものが必要でありまして、ここのところは県のほうでも、そういう人材育成の基礎研修や、あるいは実践研修ということを進めてまいりまして、一定の数の方々、百数十名とか、80名とか、そういうのが養成されてきており、中核に入られるようになってきております。さらには、議員のほうでおっしゃいましたけれども、一人も取り残さないということでいえば、さらなる施設系の改善だとか、それから、また、在宅も含めた処遇改善等に結びつける施策展開が求められると思います。
せっかく御質問もありましたので、また実態のほうをよく調査をさせていただきまして、新年度に向けて、こうした
強度行動障害対策、その発展が図れるように、現場の声を聞いて、先ほどもちょっと申し上げましたが、例えば夜間の問題とか、いろいろとまだてこ入れの必要なところもあると思っていますので、そういう施策を改善することによりまして、そうした施設の増設などもしやすいように、人材面も含めまして、手当てをしてまいりたいと思います。
ちなみに、国のほうでは、最近、鳥取県の要望も入れたことだと思いますが、報酬の改善を
強度行動障害につきまして一部行っていただきました。ただ、まだ十分であるとは思いません。今後も現場の声も伺いながら、政府のほうにもそうした報酬の改善や、あるいは施設整備に向けた支援の充実を求めてまいりたいと思います。
◯議長(内田博長君)30番伊藤議員
◯30番(伊藤保君)御答弁いただきました。
県の福祉の担当者の皆さん方も大変だと思いますけれども、やはり障害を抱えた家族の皆さん、そういう家族の皆さんと同じ目線に職員の皆さんも置き換えて、私は悩みを共有しながら、その対応策を探していただきたいなというふうに思っております。県のある機関の方にもお話を伺いましたけれども、県に相談したけれども、市町の仕事ということで突き返された、冷たかったということであります。やはりできない理由ではなくして、できる模索を私は検討していただきたい。民間の施設や厚生事業団などがありますけれども、やはり人材も持っておられます。ぜひとも、こうした民間の皆さんのノウハウ等も使いながら、施設整備ができるものなら、そこを整備してでも、どんな支援ができるのか、考えていただきたい。
中部のある町村も5年前から県に話をされてきた問題であります。それがずっと無回答のまま、今の状況であります。県民の皆さんからすると、県も市もありません。私は難しいことはよく分かりませんけれども、やはり福祉は寄り添う心、これが大切だと思います。SDGsのある、県民誰一人も取り残さない、そんな社会をつくるためにも、ぜひとも知事には御理解と、引き続いての御支援をお願い申し上げたいと思います。
午前中は以上で終わります。
◯議長(内田博長君)暫時休憩いたします。
午後の本会議は、1時20分より再開いたします。
午後0時18分休憩
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午後1時20分再開
◯副議長(広谷直樹君)再開いたします。
引き続き代表質問を行っていただきます。
30番伊藤議員
以上の理由から、議案第1号、令和3年度鳥取県一般会計補正予算(第6号)に賛成であることを述べ、私の討論を終わります。
◯議長(内田博長君)これをもって、討論を終結いたします。
これより、議案について、起立により採決いたします。
議案第1号及び第3号は、委員長の報告のとおり原案を可決することに賛成の議員の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
起立全員であります。
よって、以上2議案は、原案のとおり可決されました。
本日の議事日程は全て終了いたしました。
これをもって散会いたします。
午後4時15分散会
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